復刻した名作シューティング『BATTLEGAREGGA REV.2016』 お渡し会レポ
ガジェット通信 / 2017年1月6日 18時0分
去る2016年12月15日PM5:00。
この日秋葉原で起こっていたのは、“地下で2Dシューティングゲームファンが高濃度圧縮される”という、観測史上でも珍しい現象だ。
コンピューターゲームソフトウェア制作会社として、新規開発だけでなく、いわゆる“レトロゲーム”を現行機へ復刻することでも著名なあの有限会社エムツーが、またしてもやってくれた。
2016年4月のパブリッシャー参入発表と、シューティングゲームブランド『M2 Shot Triggers』の始動発表から3カ月。
この日、ついにその第一弾『バトルガレッガ REV.2016』が発売となったのだ。
レトロゲームで御馴染みの秋葉原BEEPでは、『バトルガレッガ REV.2016 プレミアムエディション BEEP限定版』の予約販売を行い、本作を手掛けた有限会社M2代表取締役社長 堀井直樹氏による直々のお渡し会を行うとのことで、同氏へのインタビューも交えつつ、その模様をお届けしたいと思う。
バトルガレッガとは?
本作のオリジナルは、2D縦スクロールシューティングゲームとして、アーケード向けに1996年にリリースされた。
稼働当初は人気が振るわなかったが、熱心なシューター諸兄が攻略を進めるにつれ、時間の経過とともに、名作としての評価と認知を得ることになっていく。
そして20年後の今日も、“死ねば助かる” “銀河一後方に強い戦闘機” “電プチ”などなど、枚挙にいとまがないエピソードとともに、シューティングゲームファンの間では何かと話題になり続けているのだ。
今回取材を行った『バトルガレッガ REV.2016』としての移植に際しても、”ガレッガ警察”など新たなパワーワードを備え、その人気の高さと存在感が衰えていないことを示した。
何を言っているのかよくわからないワードがチラホラしてしまったが、『バトルガレッガ』の魅力を構成する要素を整理していくとまったく収集が付かなくなってしまう。
ただし、一方で『バトルガレッガ』が、決して複雑怪奇なだけの代物でないことだけは、はっきりと言っておきたい。
「見て、触って、聴いて、全部含めてとっても気持ち良い」ので、気になった人は、是非、インターネットで検索してみたり、稼働しているゲームセンターへ行ってみてほしい。
ということで、レポートに話を戻そう。
いつもの階段を下りた先で
ガジェット通信から徒歩1分、現地である秋葉原BEEPでは、信じがたい光景が広がっていた。
まさか開店前から列が形成されているとは。しかも、そのほとんどが平成生まれの筆者と同年代の方ばかりというのが驚き。
そしてなじみの階段を下り、あの重い扉を開けた先には、本作を手掛けた株式会社M2 代表取締役 堀井直樹氏が。
イベント直前インタビュー
同作のBGMがかかる店内で、お渡し会直前の堀井氏から早速お話を伺ってみた。
――本日のリリースとお渡し会を迎えてのご感想をお願いします
堀井:1993年に自分が関わったゲームが初めて出た時、秋葉原の店頭もくまなく回って、買ってくれるお客さんを見て、すごく幸せな気持ちになったんです。それから20何年たって、まさかこんなことになろうとは。
――あたかも基板の山、というような状態ですね
堀井:そうですね。本当にもう、売れるところを目の前で見るだけで幸せな気持ちだったのに、こんなことに。なんとも恐ろしい。
――今回のように、お客さん一人一人の顔を見て、という機会はあまり無いのでしょうか
堀井:家庭用のゲームは本当、ないですね。ゲームセンターのゲームだったら後ろから見たりするんですけど。
――改めてアピールポイントを頂けますか
堀井:HDMIのついた高解像度のディスプレイに、高性能のゲーム機をつないで遊ぶ、という利点を最大限に生かした拡張を施し、仕様を片っ端から突っ込んだ、他では作れないバトルガレッガになっていると思います。是非楽しんでもらいたいです。
――『M2 Shot Triggers』の今後の展望をお聞かせ願えませんでしょうか!
堀井:とりあえず、冬の間に『フィーバロン』(『弾銃フィーバロン』/CAVE)を出せるように、今、すごく頑張っているところです。ちょっとイロイロと大変なんですけどね。
その後は、もう何本か動いているものがありますので、本当にそこはご期待いただきたいと思います。
――今、若者のシューティングゲーム離れが懸念されるんですけれども
堀井:あらゆる若者が離れちゃっててどうしようもないんですけど……。遊ぶと、脳汁が出たりするんです。シューティングゲームはね。
「鼻のかゆみがここまで難易度を上げると思わなかった」みたいな状況になるんですよね。あんなお手軽麻薬は無いと思う。しかも合法ですし!(脳内麻薬は)脳みそで勝手に生成される取り締まりようがないものなので、是非、皆さんにも味わってもらいたい(笑)。『若者おいで』とお伝えください。
――ありがとうございました!
特典をチェック
この日受け渡しが行われたのは『バトルガレッガ REV.2016 プレミアムエディション』という数量限定生産パッケージで、本編のダウンロードコード以外に、サウンドトラックCDや限定ブックレットなどなど盛りだくさんの内容となっている。(後日筆者も開封したが、箱も装丁も内容も、こだわりがハンパじゃない。満足感がすごい!)
このプレミアムエディションは店頭で購入することができるので、是非チェックしてみてほしい。数量限定なので、売り切れ注意だ。
プレミアムエディション
http://m2stg.com/battle-garegga/pe.html [リンク]
取扱店舗一覧
http://m2stg.com/battle-garegga/pe.html#shops [リンク]
それだけではない。
店舗によっては、更にまた別の特典が用意されるという気合十分の展開を見せており、BEEP限定版には『基板の外箱をイメージした専用箱』、そしてB2サイズの『BEEP限定絵柄ポスター』がついてくる。
外箱もプレミアム感満載でたまらないのだが、筆者が注目したいのはこのポスターだ。発売日をはじめとした告知が一切入っておらず、存在感と取り回しのバランスが取れたB2サイズ。まるでゲームセンターにディスプレイされるポスターのようで、BEEPの店内でも全く違和感が無い!
お渡し会、スタート!
本作のタイトルディレクターであり、パッケージやポスターも手掛けられた、3DCGデザイナー・モデラーの冬野灰馬氏も迎え、移植といえばこの人、シューティングゲーム3DCGといえばこの人、という素晴らしい布陣でイベントスタート。
イベントは滞りなく、非常に朗らかな雰囲気で進行した。堀井氏の幸せそうな表情がとても印象的だった。
アンケート
またこの日、BEEPではお渡し会の参加者へアンケートを行っていた。ズバリ、「今後『M2 Shot Triggers』で扱ってほしいタイトルは?」という実にストレートで欲望がむき出しになる設問だ。
参加者たちは嬉しそうに耳を傾け、そして付け加えられる「ひとつだけお答えください」の文言を聞いた途端に、皆一様に唸り始める。
ちなみにこのアンケートは、BEEP店長の駒林さん曰く「あくまでも、勝手にとって渡すだけ」とのこと。影響力や如何に?
イベントの印象を改めて聞いてみた。
店内に溢れる多幸感に心を囚われて取材をやめることができなくなった筆者であったが、ここで改めて堀井・冬野両氏へのインタビューのチャンスを頂くことができたので、ここまでの印象を聞いてみた。
――若い人が非常に多かった印象です!
堀井:若者も脳汁に飢えていたということで!(笑)『バトルガレッガ』という題材のおかげだと思うんですけど、「自分が生まれた頃のゲーム、もしくは生まれる前のゲームなんだけどやってます」っていう人が、たまにいらっしゃるんですよね。で、今日来ていらっしゃる方はそういう方だと思う。理由は何でしょうね……。
やっぱ、グラフィックによるところが大きいかな。グラフィックと音が。
冬野:スコアが一番盛り上がったのが5年くらい前なので、15周年が一番盛り上がっているんですよ。
そのあたりの盛り上がりで、ゲーセンでイベントやったりとか結構あって。多分、その頃の様子をネットとかで見て、実際に立ち会える場って今回が初めてで、って感じだと思うんですよね。
――新しい世代がまた育てられて今に至るっていう
冬野:ネットで情報は知ってるけど、実際に立ち会える場っていうのは全くなかったので。
それで初めて自分も参加できるっていうことが多いんじゃないかなあ、っていう予想をしているんですけどね。
――おすすめの遊び方や設定があればぜひお伺いしたいのですが
冬野:初心者はまず、『スーパーイージーモード』という、簡単な『おもてなしモード』があるので。スーパーイージーでまず接して頂いて、とにかく楽しいので、気軽に遊んでいただくと!
で、ゲーセンデビューしたいって人には、各種設定で練習ができるようになっているので……。
堀井:苦手なところをセーブして、100回でも200回でもやり直す!ガレッガ養成ギプスとして使っていただいて。
冬野:はい。で、明日(2016年12月16日)から、HEYさん(秋葉原HEY: レトロゲームも置いてある聖地的ゲームセンターのひとつ)でプレミアムモードのゲーセンお披露目が始まるので。多分、びっくりすると思います。
堀井:びっくりする。びっくりするフィーチャーが!多分HEYのみなさんならやってくれると思うので。
――ヒントはありますか?
堀井:ヒントは特にないんですけど……。あるとすれば、HEYの皆さんはとてつもなくゲームが上手いということです。
堀井:普通に遊ぶ分には「本物よりもちょっと簡単だなあ」くらいでクリアできると思うんですけど、見つけちゃった人は、胃をキリキリさせながら、ホントにもう、「いつまで続くこの脳汁感」みたいなことに。
――明日からといえば、公式サイトでパッチの告知も出ていますね。『スーパーイージーモード』でボスへの打ち込み点が上がるとか……
堀井:『ガレッガらしいところ』で『打ち込み点』というのがあったんですけど、スーパーイージーではそこらへんどうするかなぁ、と思い悩んでいたんですが。やっぱり入った方がいいだろうということで、入れることになりました。
それ以外にも、今回、弾を何種類かから選べるようにしてたんですけれども、それを選べるようにした弊害で、1フレームだけ見苦しい画面が挟まる部分があって。修正させてもらっています。この後も、逐次何か直したいところとか、いじりたいところがあったら、可能な限り、手を入れていくという状態です。
――プレイした皆さんからのご意見は、どんどんお送りしてOKということでしょうか
堀井:吸収できる範囲でしたいですね。
冬野:良くなるように成長させていきたいので、意見をどんどんお寄せ下さい。
――アーケードではなかったことですね
2人:そうですね。
冬野:パッチ当てられますからね。
堀井:そうですね。
――インターネット時代すごい
堀井:すごいですね、ホントにね。逆に、コレのおかげでどれだけ忙しくなるんだって気はしますけど。
一同:(笑)
M2が経営理念として掲げるのは“面白さ至上主義”。ビデオゲームの面白さを知り尽くした彼らが磨き上げる本作を、是非、手に取って楽しんでもらいたい。
バトルガレッガ Rev.2016
http://m2stg.com/battle-garegga/
取材協力:BEEP 秋葉原店
東京都千代田区外神田3-9-8 中栄ビル 地下1階
http://www.akihabara-beep.com/ [リンク]
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