【犬】コマンド/キューは1回で伝える
ガジェット通信 / 2017年2月11日 9時30分
愛犬に指示を出す時に、何回も指示をしていませんか?例えば、「スワレ」と指示をするとします。一回で座らないと、何回も「スワレ、スワレ、スワレ、スワレ!」と言っている人も多いのではないでしょうか。もし、愛犬が一回の指示で動作ができない場合、それはその動作がよくわからないか、指示に従いたくない理由があるのかもしれません。そして、飼い主が何回も指示をしていると、犬は益々混乱して指示に従えなくなってしまいます。
今回は、一回の指示で伝わるようにするためにできることをご紹介します。
指示語は一回の法則
何回も指示を発し、犬は何回目かの指示で動作をするといったことを繰り返していると、一回で動作することをしなくなってしまいます。指示語は一回のみ発し、犬は指示語を察知したらすぐに動作するというのが理想です。何回も指示語を出していると、そのうちに犬は、動作すらしなくなります。これは正しくは、犬が動作をしないというよりも、人が指示語を発するのを諦めた結果によることが多いようです。つまり、いつもは何回目かで動作するのに、今日は全く動作をしないと感じた飼い主が指示をやめたということです。結果的に犬は動作しなかったということになります。一回の指示で動作しない場合は、トレーニングをやり直す必要があります。
指示は落ち着いて出す
指示を出す側は、常に落ち着いて、はっきりとした発音で発声します。興奮気味に指示をしたり、イライラしていると、犬は混乱します。指示を出す側がリラックスした状態でなければ伝わりません。また、自分が落ち着いていることで、指示を出すタイミングも冷静に見極めができるようになります。
一回で指示が通らない時、大概の人はイライラし始めます。次第に指示語にこの感情が移り、語気も強まってきます。こうなると、この緊張感が犬に伝わってしまいます。犬は、「飼い主がイラついているから、近寄らないようにしよう」と思うかもしれません。こうなると指示よりも、警戒の強くなってしまいます。これでは、指示が通るはずもありません。
また、家庭犬においては、犬が興奮していても指示が通りにくくなります[1]。なので指示も落ち着いて出す方が得策です。悪い例は、甲高い声で、「◯◯ちゃん、いい子ね〜!おすわり〜!」のような指示では、犬は何を言われているのか解らない上に、飼い主の興奮の影響を受けて興奮してしまいます。犬も人も落ち着いていることが成功の鍵となります。
犬の目を見て指示を出す
例えば、「スワレ」をある程度教えたという状況なら、一回「スワレ」と発してからしばらく待ちます。この時は、犬と目が合っている時に指示を出すようにします。よそ見をしている犬には指示が通りにくくなるからです。目が合った瞬間に指示語を発します。そして目を見たまま、じっと待ちます。犬が動作をしたらすぐに褒めます。待っても動作をしないようなら、合わせていた目を離して立ち去ります。そして、しばらく間を置いてからやり直します。やり直す時は、犬の名前などを呼び気を引いてから行います。
沈黙の力
しばらく待っている間は、沈黙の時間です。犬はこの間に考えます。「飼い主は何を望んでいるのだろうか」といった具合です。何回も指示を連発するよりも、この沈黙の方が効果があります。犬は考えた末、座ることで報酬がもらえます。これを繰り返していれば、反応の時間はどんどん短くなります。報酬を早く得るためにもっとも効果があるのは、即座に反応することだと自ら学ぶことができます。
メリハリをつける
指示を発し、沈黙する。この間、飼い主は一切動きません。岩になったつもりで沈黙します。そして、犬が正しい動作をした時には、素早く笑顔で報酬を与えます。犬が動作をしない時は、黙って立ち去ります。こうしたメリハリを持つことで、何が正解で何が不正解なのかを犬に伝えることができます。肝心なのは指示語ではなく、その気持ちです。犬にとってわかりやすい振る舞いをすることで、格段に伝わりやすくなります。一回で言う事を聞かないからと言ってイライラしても、犬は混乱するだけで学習できません。一回で指示が通らないのは、指示をわかりにくくしている人の方に問題があると考えます。こうした発想で考えれば、犬にとってわかり易くすることの意味が解ると思います。
いかがでしょうか。日常の中で指示がスムーズに通れば、愛犬とのコミュニケーションも積極的に取るようになると思います。何しろ、愛犬との意思疎通がスムーズであれば、飼い主も犬もハッピーだと思います。何回も指示を出していては、犬も人もイライラしてしまいがちです。コミュニケーションをイライラしながら行うは誰でも良い気分はしませんよね。お互いにスムーズな会話ができれば、愛犬との関係は、今までとは違ったものになると思います。
指示は一回で通るようにする。これはコミュニケーションの基本なのではないでしょうか。
参考;
[1]Emily E. Bray,Evan L. MacLean,Brian A. Hare(2015),Increasing arousal enhances inhibitory control in calm but not excitable dogs,Animal Cognition,Springer International Publishing.
TOP画像は著者本人であり、著者が権利を有するもの。
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(執筆者: 田中 雅織) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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