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あなたの電話が無関係の第三者に聞かれている可能性を考えたことはありますか?

ガジェット通信 / 2012年2月15日 16時20分


『ラジオライフ』や『ゲームラボ』などマニアックな雑誌を刊行している出版社『三才ブックス』から『都内おもしろ無線受信ツアー』のお誘いがあったので、おそるおそる参加してみた。指定の集合場所に着くと、1台のあやしげなマイクロバスが停車していた。内部が見えないように窓にフィルムが貼られ、天井部分に何本ものアンテナが立てられている。バスの入口に立っていた男にツアー参加の旨を告げると、iPhoneと受信機が貸し出された。

マイクロバスで都内を巡り、いろいろな無線電波をキャッチして聞くというのが今回のツアーの主旨のようだ。iPhoneにインストールされた『周波数帳2012』というアプリを使って、現在地で受信できる無線電波を検索し、受信機をチューニングして無線を聞く。航空無線でのパイロットと管制塔のやり取りなど、普段はなかなか聞くことができないような無線も簡単に聞くことができた。
そんなツアーの最中、何気なくチューニングした受信機から驚くべき音声が流れてきた。主婦と思われる女性と、その友人による完全にプライベートな会話。楽しそうにダイエットの話題で盛り上がっている。もちろん彼女たちはこの会話を聞かれていることには全く気づいていない。
実はこれ、コードレスホンの電波だという。市販されているコードレスホンは特定の周波数が使われているため、このように簡単に受信することができてしまうのだ。しかし、このような会話を聞くことは犯罪行為ではないのだろうか? 無線マニアのS氏に確認してみたところ、飛び交っている電波を受信して個人的に聞くこと自体には全く違法性が無いとのこと。つまり、コードレスホンを使っている限りは、会話の内容を誰に聞かれていたとしても文句は言えないということになる。使用する際には注意していただきたい。ちなみに携帯電話の会話は今回のように受信することはできないようなので、ご安心を。
その後、さらに驚きの受信に成功した。場所は五反田のオフィス街。普通のオフィス内での社員同士の会話が聞こえてくる。取引先との電話でのやり取りなども筒抜けだ。無線マニアのS氏によると、これは盗聴器の電波だという。

突然、参加者の1人がマイクロバスを飛び出し、盗聴器が仕掛けられた場所の特定を始めた。ほんの数十分で、とあるビルのオフィスフロアに絞り込む。電波の強度や会話の内容などから推測し、盗聴器が仕掛けられている会社を特定することはそんなに難しいことでもないようだ。さっそく仕掛けられている会社に教えてあえげるのかと思いきや、これ以上の深入りは禁物だという。納得のいかない我々記者陣に対して、無線マニアのS氏がこう説明してくれた。
「被害者に伝えたところで不審に思われて信じてもらえないどころか、犯人扱いされることもある」
「最悪の場合、盗聴器を仕掛けた本人に伝えてしまうことも……」
「実際問題、盗聴器が仕掛けられている場所の近くに犯人が潜伏していることが多く、電池の交換なども定期的に行なっているため、犯人が内部にいることがほとんど」
……とのこと。悔しいが、余計なトラブルを避けるためにも伝えるのはやめた方がよさそうだ。そうなると、ただ一緒に盗聴していただけのような気もしなくもないが、これも法律的には問題無いとのことなので、あまり深く考えずにバスに戻った。もちろん盗聴器を仕掛けること自体は犯罪行為なので、絶対にやってはいけない。
他にも消防無線や船舶無線など、普段は聞くことのできない無線のやりとりを聞いて楽しみ、今回のツアーは無事に幕を閉じた。初心者でも周波数さえわかれば簡単に聞けてしまうというのが無線の面白いところだと感じた。興味のあるかたはぜひチャレンジしてみてほしい。このツアーの様子は2月16日発売の『ゲームラボ3月号』内の漫画でもレポートされている。
※この記事は、ガジェ通ゴールドラッシュの「ピョコタン」が執筆しました。


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