「アニメキャラだから想像でOK!」はダメ『モアナと伝説の海』クリエイター陣の試行錯誤とサモア文化へのリスペクト
ガジェット通信 / 2017年6月16日 21時30分
この春、興行収入50億円突破の大ヒットを記録したディズニー・アニメーション最新作『モアナと伝説の海』。MovieNEXがいよいよ7月5日にリリース、6月28日より先行デジタル配信が開始となります。
今回ガジェット通信では、『モアナと伝説の海』を生み出した、ロサンゼルス「ディズニー・アニメーション・スタジオ」に潜入取材! 監督をはじめとするクリエイターインタビューから、ディズニー・アニメーションの歴史を学べる「アニメーション・リサーチ・ライブラリー」見学まで、たくさん勉強させてもらいました。
第2回目は「『モアナ』はこうして作られた篇」として、スタジオ内の展示物と共に、製作陣の徹底的なリサーチについてご紹介します。
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http://getnews.jp/archives/1780167
「ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ」に入ると、大きな『モアナと伝説の海』のコンセプトアートが掲げられているのですが、こちらは実際に映画製作にあたって作られたアートの一つなのです。
今回の取材では映画『モアナと伝説の海』のプロデューサー、オスナット・シューラーさんが映画製作に関する様々なことを教えてくださいました。
アニメーションのキャラクターを作る際、まず世界中のアニメーターからアイディアを募るとのこと。様々なパターンのキャラクターがデザインされ、ストーリーとあった性格や見た目にあったものをパッチワークの様に繋げていきます。そして、アートディレクターが最終的なキャラクターを確立させるのです。
アニメーションのキャラクターであるからといって「想像でOK」「こんなもんでいいだろう」はディズニー・アニメーションにおいては許されないのです。「モアナはこういう表情をする?」「モアナだったらこの服を選ぶかな?」と何度も話し合いや検証を重ねて、一人のキャラクターが完成するので映画の中であんなに生き生きと動いてみせるのでしょう。
マウイのキャラクターやタトゥのデザインもずらり。最終的に採用されなかった、タトゥーがマウイの体を飛び出し、武器のように操る様子が描かれたユニークな絵も。
マウイが巨大なヤシガニ・タマトアのもとに訪れるカラフルなコンセプトアート。この最小限の情報だけでも映画の場面が思い浮かぶ様。
マウイが使う「神の釣り針」をイメージして作られた巨大なモチーフ。アニメーションをより立体的にイメージできる様、この様に造形物を作ることも多いとのこと。
ジョン・マスカー監督がタヒチなどリサーチ旅行を巡った際に、現地の人々を描いたスケッチ。
ココナッツで武装した海賊「カカモラ」のデザイン案。
最終的なデザインに近づいたカカモラと立体造形物。
映画のストーリーを感じさせる美しいアートには思わず惚れ惚れしてしましました。
海しかなかったこの世界に島、植物、動物を誕生させた命の女神「テ・フィティ」。
溶岩の悪魔「テ・カァ」。
スタジオ内には他にもたくさんの造形物が飾られています。
リサーチ旅行で訪れたサモアの皆さんから贈られた布や道具の数々。本物の文化が『モアナと伝説の海』の世界観に大いに役立っているのです。
こうした様々なリサーチと、アーティストたちによるたくさんのアートが集結し、キャラクターとストーリーが完成していきます。上の写真は全体的なカラースクリプトを表したもの。ディズニー・アニメーションにおいて、色の使い方は、表情やムード、気持ちを表すための需要な手段なのです。このカラースクリプトを見るだけで「ここは楽しいシーン・悲しいシーン・恐いシーンだ」と分かるのがすごいですよね!
プロデューサーのオスナット・シューラーさんは日本の取材クルーの為に、サモアの伝統的なダンスを踊るダンサーさん達を連れてきてくれました。
実際に『モアナと伝説の海』に出てくるダンスを監修している女性スタッフさんが演奏も。
力強くて、時には優しいダンスに強くて美しい生命力を感じました。映画『モアナと伝説の海』の中のダンスシーンも本当に素晴らしいのでご注目を。
監督、プロデューサーをはじめ、クリエイター陣の試行錯誤とサモア文化へのリスペクトが作り出す映画『モアナと伝説の海』。次回からは監督などクリエイター陣のインタビュー記事をお届けします!
『モアナと伝説の海』
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