ウイスキーマニアも初心者も楽しめる! スコッチウイスキー『グレン グラント』を徹底解説 『Asahi Brown Spirits Seminar2017』第4回レポート
ガジェット通信 / 2017年6月26日 17時0分
世界的なブランドの洋酒について、その魅力と楽しみ方を伝えるメディア向けセミナー『Asahi Brown Spirits Seminar2017』。これまでテネシーウイスキー『ジャック ダニエル』、プレミアムバーボン『ウッドフォードリザーブ』、コニャック『カミュ』と世界的な洋酒についてお届けしましたが、今回が最終回。
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「このシリーズは全部読んだよ!」というアナタはもう素敵な洋酒通となっていることでしょう。
ラストを飾るのはスコッチウイスキー『グレン グラント』。この日、『グレン グラント』のマスター・ディステラー、デニス・マルコムさんが来日。『グレン グラント』の魅力をたっぷりと解説していただきました。デニス・マルコムさんは、蒸留所の敷地内で生まれ、17歳で樽職人として勤め始めて以来、約50年『グレン グラント』と関わりを持つ人物。英国王室からサーの称号を与えられています。
スコットランドの正装で現れた、デニス・マルコムさん。なんともチャーミングな姿。レトロなデザインのウエストポーチにはスマートフォンが入っており、ガジェットも愛用されているようです。それでは、『グレン グラント』の世界観をのぞいてみましょう。
『グレン グラント』の歴史は?
『グレン グラント』の蒸留所は1840年に創設。創設者は、ジェームズ・グラントとジョン・グラント兄弟。ジェームズは、政治家、エンジニア、発明家であるという多彩な人物。ジョンは、非常に物静かな蒸留をすることに向いたタイプの人物でした。それまで非合法に作っていたウイスキーをイギリスに合法なものとして売り込みました。
合法化される前に非合法なウイスキーが造られていた情景を描いた絵画を見せていただきました。昔は1万4000ほどの非合法な蒸留所があり、中には蒸留所というより、家庭で造られていたものもあったのだとか。
豊かな水源を確保した『グレン グラント』蒸留所
『グレン グラント』蒸留所があるスコットランドの地域。『グレン グラント』では自分たちの水源を確保してとてもいい条件が整っています。
200万リットルの水を1週間蒸留で使い、さらに、1800万リットルの水を冷却で使うため合計で、2000万リットルの水を使います。
独自のポットスチルを発明! さらに洗練された味わいに
かつては、首が短いポットスチルが一般的にずっと使われてきたのですが、1873年にメジャー・グラントがポットスチルの首の上部に精溜器をつけることを考案。蒸気が上がっていき、軽やかな味わいになる画期的なポットスチルが発明されました。
『グレン グラント』のウイスキーはもともと軽やかでフルーティーなものではあったのですが、精溜器の導入により、非常に軽やかな味わいに仕上がっています。
2006年にカンパリ社が買収 『グレン グラント』は進化を遂げる
『グレン グラント』は、2006年にカンパリ社が買収。買収当初までは5年物のシングルモルトとノンエイジのタイプ2種類のみの取り扱いでした。
カンパリ社による買収後、2007年からボトルデザインを一新。全てクリアグラスにして、中の美しい液体を見えるようにしました。5年物、10年物、12年物、18年物とファミリーをラインアップすることができました。
『グレン グラント』のテイスティングに挑戦
さて『グレン グラント』についてたっぷり学んだ後で、マスター・ディステラー、デニス・マルコムさんから本格的なテイスティング方法を教えていただきました。
テイスティング方法
1.チューリップグラスのネックを持ちます。本体は触らないように。
2.少しゆらして目で色味を楽しみます。
3.凝縮した香り、アロマを感じとってください。
4.口に少し含んで余韻を味わってください。
5.口当たり楽しみながらゆっくりと余韻を楽しんでください。
シングルモルトウイスキーの中でも手ごろな価格の『グレン グラント ザ メジャー リザーブ』から、さっそく習ったやり方でテイスティングにトライしてみます。
「香りは、最初にドライアップルのような香りがくみ取れ、口に含むとクリーミーでありながらフルーティーな味わいに、そして最後にドライナッツの余韻がきれいに残る仕上がりになっていますよ」と、デニス・マルコムさん。
『グレン グラント 10年』は、グラスを移し替えてオン・ザ・ロックで。お酒を普段からたしなむガジェット通信の宮原編集長はもちろん、ウイスキー初心者の筆者でも飲みやすい印象でした。
美味しい!
合わせるのは和食! 『グレン グラント』のフードペアリング
今回、会場では“いかの塩焼き”、“ぶりの照り焼き”、“イチジクとイチゴとくるみの羊羹”を『グレン グラント』のウイスキーに合わせるペアリングフードとして提案。食べ合わせてみます。
・いかの塩焼き×『グレン グラント 10年』
優しい味わいの『グレン グラント 10年』には香りが強すぎず、淡泊でやわらかいうまみを感じるイカを。シンプルな塩焼きと合わせて。
・ぶりの照り焼き×『グレン グラント 12年』
シェリー樽を使用しているので甘みのある料理を。ぶりの照り焼きと『グレン グラント 12年』のペアリング提案。ぶりの旨みとお醤油の香りが12年とぴったり合ってくるそう。
・イチジクとイチゴとくるみの羊羹×『グレン グラント 18年』
『グレン グラント 18年』には、羊羹。カットするとテリーヌのような美しい断面が現れます。和三盆にラム酒が混ぜられているので味の変化が楽しめる和菓子。
そんなスイーツの味わいの変化を、飲むたびに表情が変わっていく『グレン グラント 18年』と合わせて。フルーティーさと羊羹の甘みをウイスキーとマッチングさせて楽しみます。
カクテル提案『グレン グラント』パッションフルーツカクテル
カクテルの提案として、『グレン グラント』の持つフルーティーさを引き立たせるため、酸味のあるパッションフルーツを使いふわっとしたサワーカクテルがサーブされました。飲んでみると、口どけの柔らかいふわりとした卵白に優しい味わいの初夏らしいカクテルです。バーを訪れたらオーダーしてみて。
お家でできる! カクテル提案『グレン グラント』ハイボールにコショウをちょい足し
パッションフルーツカクテルは難しそうなので、お家でトライできそうなカクテルも教えていただきました。
『グレン グラント』に炭酸を入れ、ハイボールを作りましょう。そしてコショウをガリッと。
意外な組み合わせだけどよく合う! 焼き鳥にも合うそうですよ。
奥村さんのおつまみ探求コーナー
こちらもいよいよ最終回となりましたブラウン・フォーマンのマーケティング担当、“奥村さんのおつまみ探求記”。『グレン グラント10年』をテイスティングした奥村さんはメニューをざっと一読してエイヒレを注文されました。そして待つこと5分、出てきたエイヒレをかじり、その塩気と香ばしさの残る口の中に『グレン グラント 10年』のロックを流し込むと一言「合う」。
フルーティーで華やかな香り、爽やかな味わいの『グレン グラント 10年』には、塩気と甘みのあるエイヒレがぴったりなのだとか。一口テイスティングしただけで瞬時に合うおつまみを選択できるとは流石です。
ちなみに、エイヒレって居酒屋でよく見るけど、エイの身ってどうなっちゃったんだろうと疑問に思った筆者が奥村さんにたずねると、「エイの身やフカヒレのフカの部分(身)は蒲鉾の材料になるんですよ!」とのこと。おつまみ探求に貪欲な奥村さんは食材に関しても博学でいらっしゃいました。
また是非、素敵なマリアージュを提案してください!
グレン グラント 公式販売サイト
http://beer.asahishop.net/whisky/glengrant/index.php
(撮影:オサダコウジ)
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