クリストファー・ノーラン監督の映画『ダンケルク』、過去25年で最大規模の70mmフィルム上映実施へ
ガジェット通信 / 2017年7月11日 9時0分
米ワーナー・ブラザースは、映画『ダンケルク』が、125箇所の70mmフィルム対応劇場で上映されることを発表した。これは、過去25年における同フォーマットの上映では最大規模のもので、クリストファー・ノーラン監督がこの上映の優越性に対して強い影響力と信頼を持つことの証明である。
ノーラン監督やポール・トーマス・アンダーソン、クエンティン・タランティーノといった監督たちは、映画『アラビアのロレンス』、映画『ベン・ハー』といった大作映画を上映するために用いられた、幅広の高解像度な映画の寸法を指す業界用語である70mmフィルム上映に信頼を置いている。彼らは、70mmフィルムが、明確でより絵画的な画を作り出すと考えている。しかしながら、劇場チェーンはフィルム上映から撤退しており、より安価なデジタル形式上映を好む。劇場チェーンに、防腐剤に囲まれた古い設備を取り出させて古い映写方式を扱うことができるスタッフを雇わせることは、映画作家たちに莫大な影響を及ぼすことになる。
2016年に、タランティーノ監督とワインスタイン・コーポレーションは、70mmフィルムに対応したおよそ100箇所の劇場で映画『ヘイトフル・エイト』を公開した。インディーズ映画スタジオは、この動きのための多くの宣伝を行ったが、これは高額な費用が伴うものであり、業界のオブザーバーは、この施設を再構築・導入するために800万ドルから1000万ドルがかかると推測した。
2014年にノ―ラン監督は、米パラマウント・ピクチャーズと米ワーナーを、映画『インターステラー』を70mmフィルム対応の50箇所のIMAXシアターで上映するよう説得した。アンダーソン監督の映画『ザ・マスター』、ケネス・ブラナー監督の映画『Hamlet(原題)』は、劇的な領域を強調するためのいち手段として、65mmフィルムで撮影された。
『ダンケルク』は、第二次大戦において、連合軍の兵士がフランスの浜辺から撤退する姿に焦点を当てる。トム・ハーディ、ブラナー、マーク・ライランス、ハリー・スタイルズ、新人のフィオン・ホワイトヘッドが出演する。ノーラン監督は、常に映画を70mmフィルムで上映したいと考えており、『ダンケルク』の大部分はIMAXの超高解像度の2Dフィルムカメラで撮影された。ノーラン監督は、映画においてある種の伝統主義者である。彼は、スタジオによる家庭用娯楽機器を用いた映画提供の試みをかつて公に拒否し、劇場における体験を支持していた。ノーラン監督はデジタル映写も好んでいない。
ノーラン監督は、「私はストーリーテリングのメディアとして長い間、特にIMAXフィルム・フォーマットの支持者となってきました」と語り、「実体験のように感じる映像のクオリティは最上のもので、可能な限りの強烈な方法で観客をアクションに引き込みます」と、続けた。
70mmフィルム上映の『ダンケルク』のチケットと通常版のチケットはすでにアメリカで発売されている。同作は、7月21日に米劇場公開となる。
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