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携帯キャリアが競い合う“純増数”のカラクリ 首位はソフトバンクだがスマートフォン販売数はドコモが1位

ガジェット通信 / 2012年4月6日 21時0分

携帯キャリアが競い合う“純増数”のカラクリ 首位はソフトバンクだがスマートフォン販売数はドコモが1位
社団法人電気通信事業者協会(TCA)は4月6日、2011年度の携帯電話の契約純増数を発表しました。“契約純増数”とは、新規契約数から解約数を引いた数のこと。結果は2年連続でソフトバンクモバイルが首位となり、『iPhone』が純増数を牽引している印象がありますが、“純増数”は携帯キャリアのシェアを正しく反映しているのでしょうか? 実際はスマートフォンが人気の現在の市場では、NTTドコモがスマートフォン販売数1位ということが分かります。これってどういうこと? 携帯キャリアが競い合う“純増数”のカラクリを調べてみました。
●純増数は2年連続でソフトバンクが首位
TCAが発表した2012年3月の純増数は1位がソフトバンクで60万3000、2位はauで43万7300、3位がドコモで25万2700。
これにより、2011年度の年間純増数はソフトバンクが354万300で首位、ドコモが211万9700で2位、auは211万100で3位という結果になり、ソフトバンクが2年連続で首位という結果になりました。
●純増数=携帯キャリアのシェア?
この純増数には、何の契約数が含まれているのかを整理しておきましょう。集計される契約数には、携帯電話やスマートフォンのほかに、『iPad』やAndroidタブレット、通信機能を持つデジタルフォトフレーム、データ通信カードやルーターなどのデータ通信端末の契約数も含まれます。たとえばドコモなら日本通信が販売するSIMなど、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する回線の契約も集計対象。
意外なのは、携帯電話からスマートフォン、スマートフォンからスマートフォンへの機種変更は、契約数に加算していないこと。ドコモでFOMA端末からLTEサービス『Xi(クロッシィ)』端末に変更する、auで携帯電話から『iPhone』に乗り換える、ソフトバンクで『iPhone』新機種に機種変更するなどのユーザー行動は、純増数には含まれないのです。
純増数は、あたかも携帯キャリアのシェアを示す数字であるかのように報じられていますが、実態はそのイメージとは異なるようです。
●本当のシェア1位はどこ?
それでは、機種変更を含む販売数を見てみましょう。『スマホ白書2012』(編集:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所、発行:インプレスジャパン)によると、2011年度の予測でドコモは2100万台の販売台数中、スマートフォンの販売台数が850万台、auは1335万台中555万台、ソフトバンクは1200万台中660万台という数字が。NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏が4月2日に開催された入社式の中で、スマートフォンの年間累計販売数が850万台を超えたとコメントしており、この予測が裏付けられています。
次世代インフラへの移行を見据え、通信事業者のトップが新入社員を激励(ITmedia +D モバイル)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1204/02/news117.html
現在活発に販売されている『iPhone』を含むスマートフォン市場においては、販売台数トップは実はドコモということが分かります。
では純増数はどういう指標として見るべきなのでしょうか。NTTドコモ販売部 販売担当部長の大島直樹氏はガジェット通信の取材に「業界における単月の動向を表す一つの指標と認識しています」とコメントしています。同社によると、GfKJapan調べでは、2011年度(4~3月期)の国内スマートフォン販売数シェアは45.6%で1位とのこと。「iPhoneが売れている」と報じられる中、販売数の実態は少し異なるようですね。
●店舗の現状は?
端末を販売している店舗では、スマートフォンの販売状況をどのようにみているのでしょうか。ビックカメラ有楽町店でお話を伺いました。現在携帯電話コーナーで売れているのはやはりスマートフォン。丸の内に近くビジネスマンが多いエリアという立地もあり、他店舗と比べてその傾向は強いようです。
一番売れている製品はドコモでは『Xperia acro HD』で、auとソフトバンクは『iPhone 4S』とのこと。auについては「『iPhone 4S』とAndroidスマートフォンで2極化している」(携帯電話コーナーの高橋麻希氏)とのこと。
乗り換え需要については、携帯電話からスマートフォンへの機種変更が中心。高年齢のユーザーを中心に、赤外線、『おサイフケータイ』、ワンセグなど従来の携帯電話の機能が引き続き利用できるモデルが人気で、中でも使いやすさに配慮した端末が売れているそうです。
●実際にはドコモが売れている理由
ドコモが850万台超のスマートフォン販売を実現した背景について、ドコモに取材してみました。同社によると端末では「多くのお客様に認知されている『GALAXY』『Xperia』『ARROWS』『MEDIAS』といったシリーズが売れている」(大島氏)とのこと。
また、iモードメールを使える『spモード』、『iメニュー』からコンテンツの移行が進む『dメニュー』といった、従来の携帯電話向けサービスを利用可能にしている点についても「今まで便利に使えていた機能を捨ててまでスマートフォンにはしない、という方がかなりの数存在する。『spモード』、『おサイフケータイ』、ワンセグ、『iチャネル』が投入されたことでスマートフォンに切り替える後押しになったという声も多い」(大島氏)と、ユーザーのニーズに合っていると分析しています。
『Xi』対応端末については、データカード、ルーターを含む製品が200万契約を突破したことを発表済み。冬商戦から『Xi』対応のスマートフォンが発売され、「近々でいうとスマートフォンが勢いづいている」(大島氏)とのこと。ヘビーユーザーやビジネスマンには高速通信が受けている一方、通話の多いユーザーには、ドコモ契約者同士で24時間無料通話(国内)を可能にした『Xiトーク24』が好評で、販売数を伸ばしているようです。
今回は純増数に注目してみましたが、TCAは毎月、純増数と合わせて事業者別の累計契約数、契約数の推移などを発表しています。「純増数」がトピックとなるニュースが多いですが、興味ある方は発表のソースもチェックしてみるとよいのでは。
※画像はTCA発表資料より引用
社団法人電気通信事業者協会
http://www.tca.or.jp/


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