リアル演出が話題!『東京喰種 トーキョーグール』監督インタビュー「変に脚色して感動や涙に寄せる必要無い」
ガジェット通信 / 2017年8月14日 15時0分
TVアニメ、舞台など展開が広がる石田スイ先生が描く人気漫画『東京喰種 トーキョーグール』。世界累計発行部数3,000万部突破を誇る超人気コミックがついに実写映画となって全国公開中です。
東京を舞台に、人の姿をしながら人を喰らう怪人・喰種(グール)と人間の闘いを描く本作。原作の緊迫感はそのままに、実写映画ではアクションのリアルさが際立ち大人が楽しめるバトルアクションとなっています。
本作が長編デビューとなった、若き才能!萩原健太郎監督に色々とお話を伺ってきました。
![](https://api.getnews.jp/thumb/ext/http://px1img.getnews.jp/img/archives/2017/08/DSC00154.jpg)
――映画大変楽しく拝見させていただきました! 監督は本作が長編デビューということですが、人気原作の実写化というのはプレッシャーがあったのではないでしょうか?
萩原:映画を作っている時には実はあまりプレッシャーは感じていませんでした。でも公開が近づくにつれて、お客さんがどの様に映画を観てくれるだろう、原作ファンの方に気に入ってもらえるだろうか、とだんだん不安になってきました。今回のお仕事をきっかけに原作を読ませていただいたのですが、全世界で愛されているというだけあって、本当に素晴らしい作品で。夢中になって読みました。主人公カネキの心の葛藤がすごく丁寧に描かれているんですよね。
原作を読んで感じたこと、自分の衝動を「自分だったらこういう映画を撮ります」というプランにまとめて、プロデューサーの永江智大さんに見せてGOをいただきました。お話をいただいて、ここまで素早く動けたのは初めての経験で、企画と原作の魅力に直感的に惹かれたからだと思います。
――私、監督の映画を拝見して、原作の悲しさ、残酷さがそのまま描かれていて感動しました。昨今の日本映画だとどうしても、もっと感動とかに着地しがちだったり……。
萩原:そう言っていただけると本当に嬉しいです。あるテーマや出来事に対して、「こっちが悪いんだ」と決めつける作品が好きじゃなく、双方の視点から描かないといけないと思っています。『東京喰種 トーキョーグール』は、喰種と人間の苦しみが根本のテーマにあるので、喰種になってしまったときのカネキの葛藤を描くことが一番大切だと思いました。喰種側も、CCG(喰種対策局)側も映画を観てもらえればそれぞれの正義や考えがあって暮らしがあると分かっていただけると思います。
もともと永江さんから「誰かが映画を作るときに、“『東京喰種』のようなものを作りたい”と言われる作品を目指したい」と言われていたので、何が『東京喰種』らしいものになるかを考えました。そこで、変に脚色して感動や涙に寄せる必要無いのではないかと思ったんです。
――どうしようも無さの中で必死に闘うというのが魅力ですものね。その辛さを出演者の皆さんは全力で表現されていて、素晴らしかったです。
萩原:キャスティングは永江さんと原作の石田先生と相談しながら決めさせていただいたのですが、皆さん本当に素晴らしかったです。カネキ役の窪田さんは、窪田さんが演じることによってカネキという役の原作や映画で見えない部分が感じられると思います。カネキはなぜ本ばかり読むのか、なぜ友達が1人しかいないのか、そういった人物形成の見えない部分も窪田さんとお話しましたが、表情とか佇まいで表現してくれて感謝しています。
真戸役の大泉洋さんは、永江さんと原作の石田先生と「絶対大泉さんにお願いしたいね」って意見がピッタリ一致した1人なんです。真戸って最初は狂人に見えるかもしれないけれど、根本の部分では人間らしくて悲しみも背負っている。映画の中で描ききれない部分を大泉さんからにじみ出る人間味で演じてくださったと思います。
――また、本作はアクションがとても迫力があって本格的でした。アクションシーンを撮るにあたって、参考にした作品はありますか?
萩原:俳優部皆さんの才能と努力でアクションは本格的になったと思っています。僕はこれまでCMを中心に制作してきて、本格的なアクションが初めてだったので、参考にしたアクション映画はたくさんあります。色々なアクション映画を観ながら「自分が本当に良いと思えるアクションってなんだろう」と考えたら、それは、「見せ方を工夫しているアクション」だったんです。日本で映画を撮るにあたって、ハリウッドの映画と違って予算も限られているので、時間や機材、VFXにも制約があります。そんな中で、どうやって迫力のあるアクションにするかと考えたら、やはり見せ方を工夫することが大切だと思いました。
――「漫画原作だからこうだろう」と観る前に想像している方は、リアルなアクションに驚くと思います。今日は楽しいお話をどうもありがとうございました!
【動画あり】『東京喰種 トーキョーグール』鈴木伸之がワイヤーアクションに初挑戦! 演じたい実写化は『浦安鉄筋家族』!?
http://getnews.jp/archives/1859275
(C)2017「東京喰種」製作委員会 (C)石田スイ/集英社
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