【The 金返せ】ECサイトやクラファンで オンライン取引の「罠」を乗り越えろ!
ガジェット通信 / 2017年8月28日 11時0分
ECサービス、平たく言えば電子商取引事業はまさに右肩上がりの産業だ。
Amazon、ヤフオク、メルカリ。これ全部ECサービスなんだよね。その中でもB to CかC to Cかという違いはあるけれど、「インターネットを介して物を取引する」というのはぶっちゃけECサービスという言葉の枠内に収まるわけだ。
ECサービスのおかげで、現代人の暮らしはガラリと変わった。
まず、わざわざ店に行かなくても商品を買えるようになった。しかもそれは、ニッチな需要までカバーしてくれている。大多数の人にとっては用がない、けれどごく一部の人に熱烈な要望のある商品だってAmazonかヤフオクでちゃんと売られている。
ところが、問題も発生している。
事例その1:服の柄が違う!
ECサービスの問題点、それは「これから買う商品を手に取ることができない」ということだ。
すると、「写真と現物が全然違う」ということが時たま起こってしまう。もちろん、その旨を商品の出品者に伝えて対応してもらえればいいんだけれど、そうでなかったら自ずとトラブルに発展する。
今回話を聞いたのは、コスプレイヤーのAさん。Aさんは最近、とあるネットオークションでコスプレ衣装を購入した。ジャケットとスカートのセットである。ところが、ジャケットはよかったもののスカートの柄が写真と全然違っていた。
当然のことながら、Aさんはそのことを出品者に報告。せめてスカートだけの返品に対応してほしいと頼んだが、返ってきた答えはこうだった。
「説明欄に“生地の在庫次第で細かい仕様変更の可能性あり”と書いてありますから、返品は受け付けません。何なら、次回の注文から使える1000円割引のクーポンを発行します」
こうした事例はよくある、と言われればそれまでだ。けれど、Aさんは落胆している。
事例その2:2日で壊れたロードバイク
もうひとつ事例を挙げれば、自転車にまつわるトラブルが多くなっている。
ECサイトで自転車を買う。あるサイクルショップの担当者は、これを「暴挙」だとはっきり言った。というのも、サイクルショップで売ってる自転車ってーのは店のおやっさんがちゃんと点検してるんだけど、ECサイトに出ているのは必ずしもそうじゃない。誰も聞いたことのないブランドの自転車は粗製濫造のものもあって、それがインターネット経由で流通しちまっているわけだ。
そのテのロードバイクを2万6000円で購入したBさん。その2日後、走っている最中にサドルの支柱がバキッと折れたという。Bさんは転倒して怪我を負った。
考えてみれば、ロードバイクが2万6000円というのはあまりにも破格だ。あれって、安くても10万円弱は出さなきゃいけないんじゃなかったっけ? その辺、Bさんもじつはうすうす怪しく思っていたそうだ。
事例その3:クラファンで集めた資金を自宅の新築に充てる
![](https://api.getnews.jp/thumb/ext/http://rensai.jp/wp-content/uploads/2017/08/gadget170823kanekaese1-1024x573.jpg)
ECサイトでこういうことが起きてるんだから、クラウドファンディングは尚更だ。
もちろん、クラウドファンディングが悪いというわけじゃない。製品の出展の前には審査というものがあるし、日本のクラファンなんかはその辺かなり厳格だ。逆に言うと、海外のクラファンは日本じゃちょっとあり得ないくらいの大事件が起こったりするんだよね。
たとえば、『Kickstarter』に出展されていた小型3Dプリンター『Peachy Printer』がとんでもねぇ騒動を呼んだ。これは「世界初の100カナダドル3Dプリンター」という触れ込みで話題になった製品。世界の4400人のユーザーから65万カナダドル(約5600万円)というベラボーな額を受け取ったのはいいんだけれど、その金はなぜか共同開発者の片割れの個人口座へ。何でも、その時点で奴さんは法人を設立していなかったらしい。
だから仕方なく個人口座へ金を突っ込んだんだけど、まあ、その何だ、案の定というか……テメェの家を新築する費用に金を使っちまったらしいんだ。
この一件は大炎上し、集団訴訟に発展。製品はどうなったかって? さあ、どうなったんだろう。少なくとも、出資者に届いていないことは確かだ。もちろん返金の動きもない。
こういうこともあり、『Kickstarter』は製品出展者に対する審査を厳格化。今現在は法人登記も製品のプロトタイプもない出展者はお断りしている。
以上、ネット取引トラブルをいくつかご紹介した。
ECにしろクラファンにしろ、大事なのは「問題が起こったら出品者に詳細を報告する」ということ。その上で、明確な根拠を伝えて返金を要求する。ただのクレーマーにならない方法としても、このあたりはものすごく大切だ。
明らかに悪質な業者がいたら、そのことをサイト運営者に報告するというのも必須。オンラインサービスというのは、カスタマーの報告で良くなっていく側面がある。
カスタマーにとって一番まずいのは、そのまま泣き寝入りすること。言うべき時は、はっきり言うべきだ。
☆今回の被害額
Aさんのコスプレ衣装 7000円(送料込み)
Bさんのロードバイク 2万6000円
Peachy Printer 100カナダドル(約8700円)
合計 約4万1700円
【参考・動画】
The Peachy Printer – The First $100 3D Printer & Scanner!-Kickstarter[リンク]
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(執筆者: 澤田 真一) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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