THE YELLOW MONKEYの再集結に密着したドキュメンタリー映画『オトトキ』松永監督インタビュー「彼らは音楽少年」
ガジェット通信 / 2017年11月10日 20時0分
15年ぶりに再集結したロックバンド「THE YELLOW MONKEY」の2016年ツアーに密着し、彼の魅力に迫るドキュメンタリー映画『オトトキ』が11月11日より全国公開となります。
なぜ今彼らは再集結したのか? 「ザ・イエロー・モンキーはもう一生解散しない」、吉井和哉の言葉は本当なのか? 野田洋次郎(RADWINPS)主演の『トイレのピエタ』などを手がけた松永大司監督が、あまりにドラマティックに復活した彼らの記録を見事に紡いでいます。
今回は松永監督に本作の見どころや作り方について色々とお話を伺ってきました。
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――本作大変楽しく拝見させていただきました。コアなファンとライトなファンへの見せ方のバランスは考えましたか?
松永監督:特にファンの目線を意識して撮ったわけではなく、THE YELLOW MONKEYを全く知らない人が見て、何かメッセージのようなものが伝わる映画をと思って作りました。
撮っているうちにだんだんとメンバー間の家族のような関係性が浮き彫りになってきて、それがこの作品の大きなテーマにもつながっていきました。
――監督にとってTHE YELLOW MONKYとはどの様な存在だったのでしょうか?
松永監督:実は、撮影前は特別思い入れのあるバンドではなかったのです。だからこそ、やりたいと思いました。もし彼らに強い思い入れがあったら、きっと僕はこの作品を撮らなかったと思います。
メンバーとはこの撮影で多くの時間を共にしましたが、彼らはアーティストとしても人としてもすごく魅力的で、一緒にいるとどんどん好きになる。僕が彼らと接していく中で、心を動かされたり、感情を大きく揺さぶられたことをそのまま紡いでいけば、僕と同じように思い入れのない人にもきっと届くはずだと思いました。
――監督が一番印象に残っているシーンや出来事はありますか?
松永監督:ひとつのシーンでも意外と色々なものが複合的に絡み合っていたりするので、「これ!」とピックアップするのはなかなか難しいですね。僕はあらかじめ作品のゴールを定めたくないので、(カメラを)すごく回すタイプなんです。それはドキュメンタリーと劇映画との圧倒的な違いによるものなのですが、カメラを回している時には、そのシーン、その瞬間に、一体どのような意味が込められているのかわからないことが多いのです。日々撮影を重ね、その映像素材を積み重ねていった先で、「ああ、実はあの時のこの瞬間が大切だったのか」と気づかされることがドキュメンタリーに於いてはすごく多い。
例えば、僕がすごくいい顔で笑っている方を撮っていて、その方が1時間後に交通事故で亡くなったら、その映像って誰かの宝物になるじゃないですか。長い時間をかけて撮らせてもらうと、その時にはただの石ころのような素材でも、宝石に変わる瞬間があるんですよね。そういったことを、僕はドキュメンタリーでいくつも経験してきました。
それで言うと、アニーさんとエマさんのお父さんが亡くなった日の前後の控え室の様子が如実だったのが印象的でした。毎日当たり前のように喋って、笑っていたのに、その日はどこか緊張感が張りつめてシーンとしている。当たり前の日々がどんなに大切な日常だったか、あのシーンが観た人の心に印象深く残るのは、前日に普通の日常も撮っているからだと思います。それは撮ろうと思って意識して撮ったわけではないです。その時はわからなくても編集している時に宝物になる、そういう映像が好きです。
――撮影時に苦労したことを教えてください。
松永監督:今回初めて音楽ドキュメンタリー映画を監督しましたが、だから苦労した、ということはないですね。被写体が変わる、それは毎回のことですから。僕はいつも何かに真剣に向き合っている人を撮っていて、その人が本気で向き合っているものが今回はたまたま音楽だった、という感じです。
――最後に4人に男として感銘をうけたことがあれば教えてください。
松永監督:彼らは音楽少年なんだなって思いましたね。大人になっても楽しい音を奏でることを、時には苦しみながら、本当に楽しそうにやっている。それが僕が一番見たかった彼らの姿だし、そこが撮れたらいいなと思っていました。間近で見ていてとても楽しかったです。
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『オトトキ』11月11日公開
http://theyellowmonkey-movie.jp/
(C)2017 映画「オトトキ」製作委員会
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