昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性(すくらむ)
ガジェット通信 / 2018年4月6日 12時0分
今回はすくらむさんのブログ『すくらむ』からご寄稿いただきました。
昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性(すくらむ)
前回記事*1の「民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人がいて、その社長夫人の親しい人に対して、ヒラ社員が個人の判断で勝手に企業が所有する土地を格安で売ることを進めたことになります。民間企業においても考えられないことですが、国家行政を担う国家公務員のルールとしてもあり得ません。」という飯塚盛康さんの指摘で気づいたことがあります。それは、昭恵氏付職員を民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人に、その企業の職員を常勤で2人、非常勤で3人付けたことになるなということです。役員でない社長夫人に5人の職員を付ける民間企業って存在するのでしょうか?
*1:「谷査恵子氏(元昭恵氏付職員)の「昭恵氏の指示なかった」はノンキャリ国家公務員の仕事おとしめるもの」2018年03月29日 『すくらむ』
https://ameblo.jp/kokkoippan/entry-12364149934.html
安倍政権はこの問題をどう説明しているのでしょうか?
安倍政権は、安倍昭恵氏は「私人」だと閣議決定した*2上で、「安倍内閣総理大臣の夫人が内閣総理大臣の公務の遂行を補助すること(以下「総理公務補助*3」という。)を支援する職員2名を内閣官房に置いているほか、日常的には各省庁で勤務しているが、安倍内閣総理大臣の夫人の総理公務補助を必要に応じ支援する職員3名を内閣官房に併任させている。」と説明しています。そして、昭恵氏の行う「総理公務補助*4」として、「内閣総理大臣の外国出張への同行や、我が国に来訪する外国賓客の接遇、宮中晩餐会への出席のほか、内閣総理大臣の公務の遂行に関連する国内外の会議等への単独での出席等が挙げられる。」としています。
*2:「答弁本文情報」2017年03月14日 『衆議院』
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b193105.htm
*3:「答弁本文情報」2017年03月17日 『衆議院』
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b193121.htm
*4:「答弁本文情報」2017年03月07日 『衆議院』
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b193096.htm
昭恵氏が森友で行った講演に昭恵氏付職員が同行したことについては、これを「総理公務補助」と認めてしまうと、昭恵氏は安倍総理の公務の遂行を補助したことになり、森友問題の責任を安倍首相自身が問われることになります。なので、安倍政権は、昭恵氏が森友で講演したことは「私的行為*5」だが、それとは別に予定される「総理公務補助」について昭恵氏と「連絡調整」する「公務」のために昭恵氏職員は同行したと閣議決定*6しているのです。
*5:「答弁本文情報」2017年03月17日 『衆議院』
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b193121.htm
*6:「質問主意書」2017年04月21日 『参議院』
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/193/touh/t193079.htm
しかし、この理屈によると、どんな昭恵氏の「私的行為」にも「連絡調整」する「公務」のために昭恵氏付職員は同行することになります。こんなバカな話はないし、これでは昭恵氏の下僕に国家公務員が成り下がってしまうことになるのですが、スキー、田植え、バー、選挙応援などあらゆる昭恵氏の「私的行為」に実際に同行させられていたので、この現代において国家公務員は下僕化させられてしまったというのが事実になります。「私人」が国家公務員を下僕化したという安倍政権下の日本はおよそ近代国家とは言えないのではないでしょうか?
▼@mortal225さんのツイート
国家公務員の優秀な人材に、自分の農場で田植させたり、おにぎり握らせたり、あげくに選挙応援までさせ、池袋のバーにも連れ歩いていた。国家公務員は昭恵さんの奴隷ではない。いつまでも雲隠れしていないで国民が納得できる説明をして欲しい。
安倍政権以前は、「総理夫人付職員」として非常勤で外務省職員を一人だけ付き、多くは外交時の「総理夫人による総理公務補助を支援する職員」として仕事をしていただけでした。
安倍政権になって初めて「私人」の総理夫人に4年間に渡って国家公務員を常勤で2人、非常勤で3人も「昭恵氏付職員」として配置し、その人件費だけで1億1千万円もの税金を安倍政権はムダづかいした*7のです。しかも、「昭恵氏付職員」の常勤として3年間仕事をした谷査恵子氏がキープレイヤーとなって森友問題が引き起こされたのです。(『文芸春秋』2017年3月号で、ノンフィクション作家の石井妙子氏は、昭恵氏に首相官邸でインタビューした際、おみやげとして昭恵氏のイラスト入りのメモやペン、キーホルダーなどをもらったことを明らかにしています。このインタビューに同席していた常勤の「昭恵氏職員」の人件費はもちろん、昭恵氏のイラスト入りのメモやペン、キーホルダーの作成費用にも私たちの税金が投入されているということではないでしょうか? ※菅義偉官房長官は昨年8月4日の記者会見で、5人いた昭恵氏職員について、経済産業省出身の常勤2人を同省に帰任させ外務省所属の非常勤3人だけとしたことを発表。その理由として「夫人との連絡調整を安倍事務所スタッフに委ねても支障がないと判断し、総合的に見直した」と菅官房長官は述べています)
*7:「〈データで見る!アベノミクスの実績〉過去最高=昭恵氏に税金1億円超・富裕層資産・大企業の内部留保やタックスヘイブン投資、過去最悪=非正規雇用・ワーキングプア・賃金・家計消費・女性差別・過労死」2017年10月21日 『editor』
http://editor.fem.jp/blog/?p=3427
私は総理夫人に常勤の国家公務員を付ける必要などないと思いますが、百歩譲って必要性があったとしても、昭恵氏が行うのは「総理公務補助」で、谷査恵子氏の国家公務員としての職務は「昭恵氏が行う総理公務補助の支援」だけです。ですので、谷査恵子氏の「昭恵氏の指示なかった」*8はそもそもあり得ないし、谷査恵子氏が自分の判断で勝手にやったとすればそれは職務専念義務違反*9にもなります。
*8:「谷査恵子氏(元昭恵氏付職員)の「昭恵氏の指示なかった」はノンキャリ国家公務員の仕事おとしめるもの」2018年03月29日 『すくらむ』
https://ameblo.jp/kokkoippan/entry-12364149934.html
*9:「国家公務員の職務専念義務及び信用失墜行為の禁止について(PDF)」 『人事院』
http://www.jinji.go.jp/kenkyukai/telework/sankou0601.pdf
憲法15条に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」とありますが、谷査恵子氏や佐川宣寿氏ら国家公務員を「安倍夫妻の奉仕者」とした森友問題は、前近代的で前代未聞の憲法違反だと思います。
下記の緊急院内シンポジウムは私が企画しました。ぜひご参加いただければ思います。(井上伸)*10
*10:「editor 国公労連の雑誌『KOKKO』編集者・井上伸のブログ」
http://editor.fem.jp/blog/
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執筆: この記事はすくらむさんのブログ『すくらむ』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2018年04月05日時点のものです。
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