イッキ読み・徹夜読み必至! GWにオススメの“翻訳ミステリ”3選
ガジェット通信 / 2018年5月1日 16時30分
年に一度のGW、旅行や外出もいいけれど、たまにはゆっくり読書などいかがでしょうか。最近続けて放映されたドラマ『パディントン発4時50分〜寝台特急殺人事件〜』や『黒井戸殺し』で、原作のアガサ・クリスティーに興味を持たれた方も多いかと思いますが、これを機に翻訳ミステリを読んでみようという方に、今すぐ書店で手に入る最新のオススメ本を3作ご紹介いたします。
今人気の作品が読みたい!
翻訳ミステリはほとんど読んだことがないし、謎解きも得意じゃないし、あまり長いと最後まで読めるかどうか不安、という方にまずオススメしたいのは、刊行直後からSNS上で絶賛され続けている話題のサスペンス、ピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』(務台夏子訳/創元推理文庫)です。
空港のバーで時間つぶしに飲んでいたテッドは、見知らぬ女性リリーに声をかけられます。話はいつのまにか妻の浮気疑惑に進み、テッドはリリーの関心をひこうと「妻を殺したい」と口にしたところ、意外なことにリリーは彼の意見に賛同するのです。物語は登場人物たち一人一人の独白で綴られ、誰もが予想もしない驚きの事実が次々に明らかになっていくのですが、何が真実でどれが嘘なのかと読み手は容赦なく翻弄され続け、最後の最後まで気が抜けません。人物像、動機、結末、全てにおいて衝撃の展開が待ち受ける本書、くれぐれもネタばらしの情報を入れずにお読みください。一度読んだら絶対に人に薦めたくなる一冊です!
海外テレビドラマ、特にリーガルものが好き!
老舗の『LAW & ORDER』シリーズを始め、『SUITS/スーツ』や『グッド・ワイフ』など数々の傑作が生み出されているリーガルドラマ。とりわけ『殺人を無罪にする方法』が大好き!という方に全力でオススメしたいのが、アラフェア・バーク『償いは、今』(三角和代訳/ハヤカワミステリ文庫)。
初夏を迎えたニューヨークのハドソン川桟橋で銃撃事件が起きます。3人が死に、犯人は逃走。敏腕弁護士のオリヴィアは、容疑者の娘から父親の弁護をしてほしいと頼まれます。実はこの事件には容疑者に圧倒的に不利な事情がありました。被害者の1人はかつて銃の乱射事件で多数の犠牲者を出した少年の父親であり、今回の容疑者の妻はその事件で殺されていたのです。復讐による殺人か? それとも犯人は別にいるのか? 検察側との息詰まる駆け引きと懸命な犯人探しが始まるのですが、オリヴィアと容疑者の間には複雑な過去があり、調べが進むにつれ、それが重大な意味を持ってきます。文中では前述の『殺人を・・・』の他にもドラマや映画好きへの目くばせが多く、ファンの方ならきっと楽しめるはず。地区検事補を務め、現在はロースクールの教授でもある著者の最新作は、Amazonでの映像化も決まったとのこと。一足早くチェックしてはいかがでしょうか。
本格的に謎解きに挑戦したい!
そんなあなたには、今の時点で年間ミステリベストテン入り候補確実の超絶謎てんこもりミステリ、セバスチャン・フィツェック『乗客ナンバー23の消失』(酒寄進一訳/文藝春秋)しかありません!
捜査官マルティンは、妻と息子の死の真相を追求するため、二人が失踪したクルーズ船に乗り込みます。世界周遊豪華客船で次々に起きる謎の事件の背後には、一体何が隠されているのでしょうか。警察の応援も要請できず、船から落ちたら二度と見つからないという極限の状況で、誰一人信用できないマルティンの必死の捜査が始まります。そこから先は驚愕の展開のつるべ打ち! その濃厚すぎる謎の真相に、果たしてあなたはいつ気がつくことができるでしょうか! ページをめくる手が止まらないこと間違いなし、徹夜必至の面白本ですよ! ちなみにタイトルの23とは、世界中で航海しているクルーズ客船から海に落ちる乗客の毎年の平均人数だそうです。その人数、はたして多いのか、それとも少ないのか? ドイツが放つ超弩級のエクストリーム・ミステリ、ぜひお試しのほど。
以上3冊、駆け足でご紹介しましたが、気になった本はありましたでしょうか? 連休後半、翻訳ミステリと楽しい時間が過ごせますように。
―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』【書いた人】♪akira
翻訳ミステリー・映画ライター。ウェブマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」、翻訳ミステリー大賞シンジケートHP、月刊誌「本の雑誌」、「映画秘宝」等で執筆しています。
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