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ひろゆき・菊竹龍・濵田俊也、アイドルの世界挑戦を考える。アイドルLOUNGE オフイベントVol.8レポート

ガジェット通信 / 2018年7月27日 7時0分

6/18(月)にアイドルLOUNGEオフラインイベントVol.9『鼎談~2018夏、アイドルの世界挑戦を考える~』が秋葉原・ガジェット通信フロアで開催。ゲストに、『2ちゃんねる』創設者・初代管理人の西村博之(ひろゆき)氏、TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)2018総合プロデューサーの菊竹龍氏を招き、アイドル関連のフェスや事業を多数手がけてきた濵田俊也氏のコーディネートでトークが展開された。

濵田: 今日は、『アイドルの世界挑戦を考える』ということで、『2ちゃんねる』創設者のひろゆきさん、そして、『TOKYO IDOL FESTIVAL2018』の菊竹龍さんにお越しいただきました。

菊竹P、今年の『TIF2018』(2018年8月2日(金)、3日(土)、4日(日) お台場青海地区で開催)のほうなんですけれども、キャスティングもほぼ終わってて、残るは『SHOWROOM』予選だよね。

菊竹: そうですね。今、予選Bと予選Cが残っていますね。

濵田: 今日は(お客様の中にも)いろんな運営さんがお越しになってると思うんですけど、「なんでうちが出れなかったのか」とか、菊竹Pへの直接の難詰とかそういうのはお避けいただいて(笑)、来年以降はどうかとか未来志向で、今日お3人でお話ができればなというふうに思っています。

ひろゆきのアイドル観

濵田: ひろゆきさん、いきなりなんですけど、こんな質問が(会場から)飛んでおります。

(スライド:ひろゆきさんは好きなアイドルがいるのですか?)

濵田: このオフイベントに出てきてもらってるぐらいですから、普通は「ひろゆきさんにはちょっと好きなアイドルとかいるんじゃないか?」と思いますよね(笑)

西村: (笑)

僕は、映画がすごく好きなんですけど、好きな役者がいないんです。

アイドルでも、例えばこのPVが好きとか、そういうのはあるんですけど、具体的なアイドルが好きっていうのは特にないんです。

菊竹: 一つのグループを追い掛けるというのは?

西村: ないですね。

濵田: …好きなアイドルいても、言うの恥ずかしいですよね(笑)。

西村: そうですか?(笑)

濵田: …そういうことじゃないんですね(笑)。

菊竹Pは、ひろゆきさんにお薦めアイドル、いる(笑)? 

菊竹: 飲みの場では言えますけど(笑)、この時期、このタイミングでは(笑)。

西村: かなりハードル高いですよね(笑)。これで(TIFに)出てる人、言ったらねぇ。

菊竹: もうすぐ『TIF 2018』があるので、キャスティングであったりとかタイムテーブルとかを見て、菊竹ここ推してんだなみたいなの判断していただけたらなと思います。

西村: 「こういうタイプ選ぶのね」みたいな。

濵田: (笑)。

ひろゆきさんは、具体的な好きなアイドルはないけど、でも今日も、お付き合いいただいてるんですね。

西村: 昨日なんかは『Gee』(少女時代)が流れてて、ああ、あのPV良かったなとか思いましたし、前にはロンドンでBABYMETALのライブを見に行ったんですけど、パフォーマンスやお客さんの動きを見て「面白いな」とか、そういうのはあります。

『恋するフォーチュンクッキー』とか流行ってるの見て、「ああ、うまくやってるな」とか。そういうなんか出来上がった作品を見てその作り手側に気持ちが行くので、個々のアイドルにあんまり僕、興味持ってないんですよね。

アイドル業界自体については、面白そうだな、と思って見ています。

アニメとかゲームとか、日本発のコンテンツが割と海外でそれがウケるようになっています。海外の、歌やダンスのアーティストって基本は実力派ですけど、日本のアイドルって実力だけじゃない“何か”ですごい人気が出るじゃないですか。それが海外にどう浸透するのかっていうところに、ちょっと興味があったりするんで。

濵田: なるほど。例えば、日本人的な、「愛(め)でる」みたいなものっていうのって、あんまり外国の人にはないかもしれないですよね。

西村: ただ、アニメキャラとかに関しては、それも結構あったりもするんですよ。人間じゃないところだと、割と萌え的な文化って、英語圏の人にも伝わってきたりしてる。

それが3次元の人間まで行き着くのに、ちょっと時間がかかるのかなっていう気もするんですけど。

『TIF』が知った、海外での主催フェスの難しさ

濵田: テーマに入ってきましたね。では、このあとは「海外」についてお話ししていきたいです。

海外イベントについて、から。

菊竹P、例えば、『TIF』は海外イベントについてはどう考えていたんでしょう。

菊竹: 海外イベントの主催っていうのは、これまでなかなか直接的なメリットは見つけにくかったです。「行きたいんだけど、うーん」っていうのが、これまででした。

じゃあなんで今年、『TIF in BANGKOK』(TOKYO IDOL FESTIVAL in BANGKOK COMIC CON)で初めて海外イベントを主催したのか?というと、会社内外からの「『TIF』はどうすんの? 2020」のような問いに対する答えでした。

ずっとその命題は与えられてきた中で、2020年にいきなり海外なんですとか言い出してもかっこ悪いなと思って、だったらちょっと今年―2018年からスタートして、きちんと3ヵ年で計画を立てて、ストーリーつくっていきたいなと思ったのが、今年踏み出したきっかけですかね。

濵田: 『TIF』は、かねてから、なかなか海外に打って出れなかったという状況が続いてた中で、今年、ついに海外で主催イベントを打ったと、いうことだよね。

西村: 3年分のストーリーがある中の1個目なんですね。『TIF in BANGKOK』は、100点中、何点でした?

菊竹: 15点ぐらい、です。

西村: 低い(笑)

濵田: めっちゃ低いね(笑)

西村: お客さんはいっぱい来てたわけじゃないですか。それでも15点?

菊竹: 運営面とか、あと演者さんへのホスピタリティとか、収支の部分とかが理由です。

ただ、取りあえずやれた、そして、取りあえず1万人以上のタイ人のお客さんが来たので、それはでかいなと思っています。

濵田: そもそも、なんでタイだったんだっけ?

菊竹: これまでの「『TIF』に来た海外のお客さんっていうのを、きちんと全部アンケートを採っていて、分析するに、1位がタイだったんですね。

西村: へー。中国とか台湾とかでもなく、タイ?

菊竹: そうです。1位タイ、2位中国、3位台湾だったので、「じゃあ1位から行くべきだろう」というところで、タイにアプローチをかけるようになりました。そのタイミングでいろんな現地のパートナーとの出会いもあって、今回開催できました。

濵田: タイのお客さんが多いっていうのは、僕には意外な感じはします。

西村: でも、考えてみれば、タイ人は結構収入増えてますね、今。

菊竹: そうなんです。物販も相当買うし、買った物販とかを、後で交換会とかもやってるし。

濵田: 文化とか国民性みたいなものもあるのかな?

菊竹: もともと親日っていうところもありますかね。国が。

西村: スクンビット通りとかに伊勢丹とかありますからね。

ポテンシャルの人数でいったら、中国人のアイドルファンのほうが全然多いと思うんです。

日本の『TIF』現地にちゃんと来れるっていうことについては、タイ人の比率は上がっちゃうんじゃないですかね。中国人だと、日本に来るのにビザ取らなきゃいけないとか、なんかハードルが高いので。

濵田: なるほど。

で、TIFが乗り込んでいったタイでは、こんな感じの雰囲気だったんですね。

濵田: 相当盛り上がってる感じだけど、引き絵だとさらにものすごいんだよね。

菊竹: そうなんですよ。1万人は想像以上の集客でした。

菊竹: これが、ちょうど僕が今ステージ立ってるんですけど(笑)。まさに、「BNK48が『TIF』に出ます」っていうのを、ステージ上でサプライズ発表したときなんですけど、通訳の人と連携がうまくいかなくて、僕が何もしゃべってないのに、全部、通訳の人が発表しちゃったっていう(笑)。

西村: 先読みだ(笑)。

菊竹: そうなんです(笑)。しかも僕はここでは言うつもりなかったのに、勝手に「日本に行くBNK48のメンバーは6人だけです」ってバラしちゃって、そのことにすごいブーイングが地元のファンから出てる、そういうタイミングです(笑)。

西村: で、ブーイングが菊竹さんに行ってるんですね。あの日本人のせいかよ、みたいな(笑)。

菊竹: そうです。このタイミングでは通訳に何を言われてるか分かってないから「なんでブーイング受けてるんだろう?」の瞬間です(笑)。だから、この写真ではあまりサイリウムが振られてないんです。

西村・濵田: ああー(笑)。

濵田: この写真は物販の様子だね。「この人、日本人かな」と思って顔見たら、ちょっと日本人っぽくない。

西村: 服装のセンスは似てますよね。

濵田: ですよね。で、お客さんはたくさんいるし、結構普通にアイドルイベントの物販ができてるんだな、なんて思える写真ですね。

菊竹: 出演していただいたアイドルのみなさんから、事前には、「どのぐらい持ってったらいいですかね、グッズ」みたいな質問はあったんですが、1時間、2時間ぐらいの行列が絶えないほどだったので、みなさんに少しはお戻しできたのかなとは思っています。

西村: じゃあ完売してるとこもあるってこと?

菊竹: そうです。完売してましたね。

濵田: こうしてみると、TIFにとって初めての海外主催、訪問国の選択は良かったんだね。

実際、TIF、そして菊竹Pがタイに行ってみて一番の印象っていったら、どんなことだろう?

菊竹: タイのアイドルマーケットがものすごいスピードで拡大をしていることが印象的でした。いろんなグループさんがタイでの主催イベントをやっていて、運営さんにも話を聞いたんですけども、一気にここ1年で拡大したとのこと。マーケットはおそらく1年前の何倍にもなっています。その理由は『BNK48』の大ヒットかと思います。

『TIF in BANGKOK』の現地のパートナー企業さんは、『BNK48』の現地の運営会社さんでもあるんですね。『TIF in BANGKOK』の企画の話をしている中で「『BNK48』の人気、本当すごいんですよ」みたいなのは、ずっと言われてました。でもその時点で僕は実際にその現場を見ていなかったので鵜呑みにはせずいたんですけど、現地で目の当たりにすると、、、ものすごかったです。ファンが、去年の『欅坂46』みたいな感じの熱量で。

西村: じゃあ日本からアイドル連れてかなくても、別にアイドルイベントとしては…

菊竹: 正直、『BNK48』だけで成立しちゃいますね。多分『BNK48』だけでタイで券売1万人とか行ける規模に、今、なっています。

で、現地のファンたちは、『BNK48』を知っていくうちに、「どうやらこの48グループというのは、本家は日本だぞ」「アイドルカルチャーの本家は日本なんだ」っていう認識になっていったようです。

西村: そういう順番で覚えてくんですね。

菊竹: だから、日本から、力のあるアイドルの方たちを連れていくと、それだけで「うおー、本物だ」みたいなことになりました。

濵田: 一緒にタイに行ってくれたアイドルさんたちには、そもそもは、お声掛けした? 海外にいっぱいアイドルが一緒に行っていただいて、お互い大変だったでしょう?

菊竹: TIFから「海外でのイベントに興味ありますか?」というオファーをしました。初めて海外遠征をする事務所さんもいたので、事前にすごく細かくプロダクションミーティングを重ねました。

濵田: タイに初めて行ったってアイドルさんが多かったわけだよね。そういう人たちに「こういうのが必要なんですよ」っていうようなことを教えてあげる、そういうことも『TIF』には役割があったっていうことかな。

菊竹: そうですね。そもそも「海外遠征どころか、海外初めてです」みたいな女の子もいましたね。「まずはパスポート取んなきゃ」みたいな。

なので、プロダクションミーティングでは、入国審査の書き方とかまで説明しました。

西村: それは家でググればいいじゃないですか(笑)。

濵田: (笑)。でも、現実にはそこまでやらないといけないわけですね。

菊竹: アイドルの子たちがタイの空港着いたらホテルとの送迎担当者を出したりとか、そういう部分までケアできるのが出演するアイドルさんへのホスピタリティの理想だなと思ってるんですけど、今回はそこまでは手が回らなかったことが反省点ではあります。

濵田: なるほど。ほかにはどんなことがあったかな? 

菊竹: 「日本人って本当に真面目だったんだな」ということを再認識しました。現地イベンターとの会話だと、当日になんないと分かんないよ、とかはザラでした。でも僕らとしては日本の事務所と向き合ってるので、「いや、タイムテーブルとかさ」とか、「じゃあマイクが何本あってさ」とかを詰めていきたいんですけど、「1カ月前に聞かれてもそんなこと分かんない」みたいな。

濵田: きついね。

菊竹: オープンも、1時間半押したんです。オープンが1時間半押すイベントって、日本にはないじゃないですか。

濵田: それは事故だよね。完全に。

菊竹: 事故なんですよ(笑)。だから、僕めっちゃ焦ってたんですけど、焦ってるのは日本人だけで、タイ人の運営は焦らないしお客さんも焦んないし。お客さん、全然怒んないんですよ。1時間半遅れても。

西村: 海外、大体そんなものですけどね。音出ないとか、平気でありますね。

菊竹: らしいですね。初めてだったんで、ちょっとオタオタしちゃいましたね。

西村: 前、手伝ったライブで、ボーカルマイクだけ入らないっていうライブがあって、楽器の音は全部聞こえてるんですよ。ボーカルマイクだけが入らないっていう中で。

菊竹: ひどいっすね。

西村: その1曲やり直しもせず終わりっていう。「さすがだな、シアトル」みたいな。

菊竹: (笑)。

海外でのイベントに慣れてる運営さんだったら「そういうもんですね」ってなるんですけど、やっぱり初めての運営さんだと日本と同じクオリティーを求められると思うので…「どうなってんの?」とはなるので、そこがちょっとハラハラしました。

濵田: こういう文化っていうか、仕事文化って、直面したらどうすればいいんでしょうかね。

西村: 出演する人たちがいっぱい海外に行くようになっていって、「そんなもんだよ」っていう常識がだんだん広まっていくんだと思うんですよね。今、たまたま初めてだから驚くんですけど、多分2回目だったら驚きもしない。「またか」って。こういう人がだんだん増えてって、まわりに教えていくんだと思うんですよね。

濵田: こっちが慣れるのが先っていうことですね。

西村: 変わることないと思うんですよ。海外のあの文化は。

菊竹: 絶対変わらないと思いました。そんな中意外だったのは、現地の人を怒っちゃダメなんです。怒ると落ち込んで、逆に仕事しなくなっちゃうんです(苦笑)。僕も、「とにかく怒らないこと」「怒っちゃ駄目だ」っていうのを、現地の通訳さんからもすごく言われました。TIFの運営としては、「いや怒っちゃ駄目って言われても、1時間半押しててさ、なんで焦ってないんだよ!」という憤りはあるんですが、とにかく怒っちゃダメ。特にみんなの前で叱ってはダメらしいです。

西村: メンツ大事ですからね。

菊竹: こういうのを学んでいって、例えば、じゃあ次回やるときは、事務所さんを招致したときに「こういうもんなんだよ」って、僕らもちゃんと言えるようになってるとか、そういうことが大事なのかなとは思いますね。

タイでのアイドルファン

濵田: ところで日本から一緒に行ってくれたアイドルさんは、現地ではそもそも人気があったの?

菊竹: その時点ではそこまで認知はされていなかったと思いますね。

日本から、◯◯さんというアイドルが一緒にいきます、って発表したら、現地の人たちは、速攻でYouTubeを見て全部勉強するんですよ。

で、現地ではみんな一斉に振りをやる。日本って、ミックスだったりとかケチャだったりだと思うんですけど、タイがユニークだと思うんですが、歌うんですよね一緒に。

濵田: ん?歌を歌う?

菊竹: 歌を歌うんです。

濵田: タイの人、分かんないよね、日本語。

菊竹: でも日本語で歌うんですよ。覚えてきて。

西村: ちゃんと覚えるんだ。もともとそんなファンでもないけど、イベントが来るからYouTube見て、ちゃんと覚えるっていうことなんですね。

菊竹: そうなんです。ちゃんと見て、振りも覚えてくる。

西村: なんか、いいお客さん多いですね(笑)。

菊竹: そうですね(笑)。なんか前向きな人が多かったですね。

西村: 物販の単価設定って、日本と比べてどうですか。

菊竹: 日本より高いですね。

西村: 日本より高くっても、全然、売れる?

菊竹: 全然、売れます。「今しか買えない」「今しか来てない」っていうのはあるのかもしれないですけど、4000円、5000円の商品がガンガン売れていきました

西村: なんか最近、アジアって、偽物より本物を追求する文化になりつつありますよね。

菊竹: そうですね。

タイでも、『Japan Manga Alliance』という法人がタイにできて、版権元や販売元が合弁会社を設立して、「コピー商品をなくそう」という取り組みをしているんです。結果、今ではコピー商品よりもやっぱり本物のほうが価値が出ていて、売り上げもどんどん上がっているそうです。実際に店に行って見てみたんですけど、日本より高いんですよ、輸入してるから。それでも全然、売れ行きはいいってことだったので、そういう風潮があるんだと思いますね。

西村: じゃあ、物販商品を持ってって、高値で売るようにすれば、結構費用の回収もできる。

菊竹: 回収もできると思いますね。

濵田: すごくいいファンがいっぱいいるってことだよね。物販の商品は高くても買ってくれ、1時間半開催が遅れても怒りもせず(笑)。

菊竹: そうですね、振りコピまでしてきて(笑)。時々「なんかリフトしてる人いるな」と思ったら、日本から来たファンの方だったりして、そこは日本語で注意しました(笑)。

濵田・西村: (笑)。

濵田: 勘弁してほしいよね…でも、暴れるそういう人は除いて(笑)、いいファンもいたと思うんだけど、海外での日本の一般的なファンって、どういう感じだったの? 

菊竹: きちんと、自分の推してるアイドルに現地のファンが付くように、みたいな動きをしてくれてましたね。僕らは直接は絡んでないですけど例えば、『TIF in BANGKOK』のライブが終わった後に事務所さんが仕切って現地でオフ会とかを開いていたらしいんです。そこにはタイの現地のファンも来るし日本のファンも来るしっていう中で、きちんと日本のファンがタイのファンへホスピタリティというかちゃんといろんなことを説明したりとかしていた、と聞きました。

西村: 言葉の問題は?

菊竹: タイの方は英語しゃべれる人が多いいんですよね。

西村: じゃあ日本のファンも英語しゃべれる人が説明して。

菊竹: そうですね。

濵田: そういういい風景が現場にはあったってことだね。

菊竹:タイっていう国がそうなのかもしれないですけど、一緒に行った運営の人たちはめっちゃ楽しそうでした(笑)。

濵田: (笑)。なんかいいね、そういう話は。

タイへのアイドルとアイドルフェスの進出は、機が熟してきている

濵田: アイドルが海外に行くって、なかなか、きっかけつくるのは難しいとは思うんです。こういう機会がもっとたくさんあったらいいのにね。

菊竹: アイドルの海外進出でいうと、単体で行くのは厳しいですよね。どうしても日本のファンを連れていくというところに終始してしまうので、そうなっちゃうと海外でやる意味が減ってしまい、「海外行ったね」で終わっちゃうことも少なくないと聞きます。だから「どれだけ現地のファンが来てくれるか」という話になると思うので、そういうときに僕らのような、オムニバス形式のイベントを利用して頂けると嬉しいです。僕らも現地のファンがいる場で、日本のアイドルたちがアクトをするという場を今後も作っていければと思います。

濵田: 冒頭で、収支が、っていう話があったけど、そういう(チケットを買う)文化がないって判断したからチケッティングしなかったの?

菊竹: そうですね、全体的にショーにお金を払う、お金を払ってエンターテインメントを見るっていう文化が弱いと感じるところはあって。「ジャパニーズアイドルというものに対してわざわざお金を払って見るという文化まで至っていない」という、僕は認識していました。ただ今回やってみて、BNKのパワーを見てみても、環境は大きく変わってきていると感じました。

西村: そうしたら、もうちょっと単価上げていったり、会場のキャパシティー増やしても、全然いけるって感じなんですか?

菊竹: そうですね。次はきちんとチケットも価格設定してっていうのがいける段階になってきたかなと。タイという市場では。

西村: 15点と言いつつ、未来には全然いけるっていう、そういう感じですね。

そういう意味でいくと、AKBグループが結構開拓してますよね。今、シンガポールのAFAとかのイベントだとアイドルがちゃんとお客さんを連れてきたりしてるんで。だから、過渡期なのかなっていう気はします。

菊竹: その中でも、特にBNKは勢いに乗ってますね。AKBの海外グループでいうと。

濵田: お金も使ってくれる慣習っていうか文化が広がりつつある感じなんだ。

菊竹: そうですね。そういう市場になってきてるんだなというのは感じます。

あと、物販の売れ行きも大きかったので、アイドルが取り組む市場としては、タイは、今、土壌が整ってきてるんじゃないのかな、というふうには感じています。

濵田: ウェブとかを通じて、アイドルが収益を得る方法みたいなのが無いのかなとも思ったんですけど、どうでしょうか。

西村: 韓国の『江南スタイル』とか、YouTubeに載せてその広告収益でウン億円とかになったりするわけじゃないですか。歌とか踊りって別に言葉分かんなくてもいいので、PVで、広告収入っていう形で「外国人の人に見てもらってお金得る」っていうのは、今はそんなに難しくないのかなと思います。

菊竹: そうですね。あとやっぱり国ごとの差が結構あると思うんです、SNS、ネット展開っていうのは。タイで言うと、Facebookが圧倒的に強いんですね。だから、何かプロモーションするなら絶対Facebookです。

濵田: 東南アジアでは強いからね、Facebook。

西村: あと現地の言葉でちゃんと翻訳するとか、結構、重要だったりしますよね。

菊竹: そうですね。

濵田: ローカライズしないと、なんですが、難しいですね。

西村: ネットで探せば、翻訳だってすごい安くやってくれる人いるんで。自分たちでタイ語翻訳。

菊竹: ライブもFacebookライブで全部だだ流しにする。すると彼らは『いいね!』の敷居が低いんで、取りあえず『いいね!』とかシェアとかしまくるんで、すぐ1万『いいね!』とか行くわけですよね。

そもそも基本全部動画配信するんですよ。ライブ全編とか。でもそれが当たり前なんで、日本的な感覚で「そんなの駄目だよ」って制限すると、現地では拡散しないんですよね。

「これをやったら全世界で広がる」なんてものは多分なくて、その国その国のSNSの利用のされ方の差をきちんと勉強して、展開していくっていうのが大事かなと思います。

アイドルの海外進出の、究極の目的はなんだろうか

濵田: アイドルの海外進出は、どこまで行ったら成功なんでしょうか?

僕は、「グループとしてやっていけるだけの十分な熱量」であったりとか、あるいは収益が、日本、海外を問わず、最終的にグループに得られれば勝ちなんじゃないかな、なんて思ったりもしているんですね。

海外と日本の比率とかそういうのではなくて、最終的にグループとしての目標がちゃんと設定されてて、そこを達成することができれば成功なんじゃないかな、なんて思っています。

西村: 日本の市場がなくなっても食えるようになったら、本物なんじゃないですか。「日本で一応ライブはたまにやりますけど、別になんか、そんなに日本で頑張ってやんなくても、結構食えます」っていうぐらいになったら、成功って言えるのかなと思います。

twitterのフォロワーとか、YouTubeの再生数って、やっぱり数字がでかいほうが人気があるってみんな誤解するじゃないですか。海外の人たちって、数字すぐ上げてくれるので、なんかTwitterのフォロワーとかでも、ちょっと気に入ったらすぐフォローしちゃうみたいな。数字のかさ上げをすると、日本の中でも割とそういう、フォロワーの数字の多いアイドルっていうふうに見えちゃうので、そういう形で海外をうまく使うといいのかなとは思います。

僕は、AFAアジアっていうイベント関係で4年ぐらい連続でシンガポールやインドネシア行ったりとか、割と海外イベントを見てるんです。アメリカだったらアニメ系のイベントとか。で、これまではアーティスト系が多かったんですけど、ちょっとずつアイドル系の出演が増えてきてるんですよね。

アイドルって、言っちゃなんですけど、歌もまだうまくないし、ダンスもまだそんなにできないじゃないですか(笑)。なのに割と呼ばれるようになってきてるということは、見る側もだんだん変わってきてるのかなっていう気がします。まだ今の時点ではそんなに商売にならない可能性もあるんですけど、多分、時間の問題で、そのうち全然いけるようになるのかなっていう気はします。

菊竹: アイドルさんごとに、目標っていろいろあるんだろうと思います。

そんな中僕らとして、「プラットフォームとして」何ができるかということでいうと、最終的には、アニメ、マンガの次にアイドルって来るように、インバウンドビジネスの柱に育てていくことだと思います。「マンガ・アニメ・アイドル」というのがちゃんと確固たる位置が立ってくれるというか、そうなるように2020年に向けて活動していく。2020年は全世界の視線が日本に、ジャパニーズカルチャーへ注がれます。

そのときに『TIF』として「こんなに、日本のアイドルこんなにすごい人たちいるんだぞ」っていうのを発信できるといいなとは思います。

濵田: 2020年になる前でも、今年の『TIF』でも、海外からのお客さんは結構来るだろうね。

菊竹: そうですね。そこも見越しての今年BNK48の招致でもあるので、きちんと結果を出していきたいです。

西村: ここにいる事務所さんで、『TIF』が海外行くならうちも行きたいみたいな人っています?

(会場で手が挙がる)

菊竹: そう考えてもらえるとうれしいですね(笑)。

『TIF in BANGKOK』の自己採点は「15点」って言ったんですけど、「30点」にしようかな(笑)。

<写真:(左)菊竹龍氏、(中)西村博之氏、(右)濵田俊也氏>

次回告知:8/7(火)には『鼎談~2018夏、アイドルシーンの広がりを考える~』が秋葉原で開催

『鼎談〜2018夏、アイドルシーンの広がりを考える〜』(「アイドルLOUNGE」 オフイベント)の開催が決定しました。

出演者は、『@JAM』総合プロデューサーの橋元恵一氏、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏、そして、アイドル関連のフェスや事業を多数手がけ、本イベントのホスト役でもある濵田俊也氏の3名。

それぞれ個性的な経歴を持った3人が、“アイドルシーンの拡大”について語ります。

開催は2018年8月7日(火)19時から。会場はVDC(Vocal & Dance Collection)プロジェクトの発信地でもある秋葉原ガジェット通信フロアです。

鼎談終了後には懇親会も予定されています。

鼎談、懇親会いずれも参加には事前申し込みが必要となりますのでご注意ください。

参加申し込みは7月31日(火)24時となっています。

日時:8月7日(火)19時〜20時(鼎談)/20時20分〜22時(懇親会)

場所:ガジェット通信フロア https://getnews.jp/floor_for_guest

料金:鼎談無料、懇親会6,000円(実費。懇親会はアイドル業界の方だけに限らせていただきます)

募集〆切:7月31日(火)

主催:アイドルLOUNGE

応募:https://goo.gl/forms/wQD87sFlQTGccnWv2

※申し込みが多い場合は抽選

―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』

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