「湘南乃風」RED RICEさん&SHOCK EYEさんに色々聞いた! 「実はもともとリア充的なカルチャーとかパリピ感って苦手なんですよ」
ガジェット通信 / 2018年7月13日 14時0分
2003年のデビューから15周年を迎えるレゲエユニット「湘南乃風」。その軌跡をつむいだ映画『銀幕版 湘南乃風 一期一会』が7月13日より公開となりました。
本邦初公開となるデビュー当時の貴重なライブの模様や、レゲエの聖地ジャマイカでのレコーディングの様子など、デビュー当時からのスタッフを総動員して掘り起こした映像の数々に、最新のライブ密着映像も加えた本作は、湘南乃風のこれまでとこれからを知ることが出来る一本。メンバー4名の個性的な言葉にも注目です。
今回は、湘南乃風のRED RICEさん、SHOCK EYEさんのお2人にインタビューを敢行。映画について、15年間の思い出について、色々とお話を伺いました。
――『銀幕版 湘南乃風 一期一会』が公開となりますが、まず「映画を作りましょう!」と言われた時、率直にどう思われましたか?
RED RICE:俺たちの映画なんて作って面白いのかな、ってまず不安が来ました。特に、自分は皆みたいにソロ活動もしていなかったから、不安だったのかもしれない。不安でした。
SHOCK EYE:相当不安だったんだね(笑)。俺は、例えば、これまでこうしたインタビュー等で話してきた事とか、もう世の中に出ている情報を改めて映画にするだけじゃ自分が観てもつまらないだろうなと思って。「映画作るって簡単に言ってるわけじゃないですよね?」ってスタッフさんには何度も確認しました。カッコつけてるだけのプロモーションツールにはして欲しくないし、俺たちがなんで歌っているのかとか、ちゃんとメッセージが伝わる映画にして欲しいと思ったし、俺が映画を観て知らなかった3人の姿を知りたいなって。
RED RICE:4人の個性が映る様にして欲しいと思いつつ、もちろんその個性が良い部分ばかりじゃないから、どんな映画になっているかは楽しみだけど不安ですね。でも、さらけ出さないと意味ないと思ったし。「これからの湘南乃風」についても、4人全員が違う事言ってたりして(笑)。
SHOCK EYE:それがまた個性でいいんだよ。やっぱ俺たちも色々話し合ってきているので、全員がバラバラな時も、1対3とかになっちゃう事もあったし、でもそれも全部俺たちなんですよね。
RED RICE:昔の映像も使われているそうなので、自分たちでも忘れている出来事とか改めて観て、デビューした時の気持ちを思い出せる作品になっていたら良いなと思います。
RED RICEさん
SHOCK EYEさん
――貴重な昔の映像が満載ですよね。見返すと当時の記憶が蘇ったり?
RED RICE:この15年ですげー太って、ちょっと痩せたなって思いました(笑)。
SHOCK EYE:15年前とか自分じゃないみたいな感覚あるよね。こんな感じでタオル投げてたっけ? とか、こんな横柄だったっけ?とか(笑)。
RED RICE:最近から聴き始めてくれた皆さんには、昔の俺たちを知ってもらえる良い機会で。「10周年」ってすごくキレイというか、皆にただ感謝だけを伝えたいっていう想いがあるけど、15周年って事で俺たちのリアルな部分が見せられるなと。
――この15年間で、たくさんあるとは思うのですが、特に印象に残っている出来事を教えてください。
RED RICE:始めて横浜アリーナでライブをした時に、俺は神奈川出身なので横浜アリーナの存在ってすごく大きくて。俺たちみたいな音楽でこの場所にこれたんだって事が感慨深くて夜眠れなくて。HAN-KUNの部屋に集まって、「俺たちもここまで来たね」って話している時に、HAN-KUNが窓の外見ながら「いつか日産スタジアムに立とうぜ」って言った事があったのね。この話するとHAN-KUN嫌がるんだけど(笑)。
SHOCK EYE:2人(REDRICE、HAN-KUN)はロマンチストなんですよ。
RED RICE:HAN-KUNって普段はそうそう語らないタイプなので、特にジーンと来たというか。そうやって皆で心がシンクロする瞬間って度々あって。時にその事を忘れて喧嘩しちゃったりするんだけど、でもやっぱりちゃんと思い出してまた皆でやろうぜってなるんだよね。
若旦那さん
HAN-KUNさん
SHOCK EYE:『晴伝説』っていう曲を作った時の事が印象的で。それまではジャマイカでトラックを作って詩をのせていたので、そこまで楽曲制作に苦労していなかったんですね。バンドがサウンドメイキングしてくれたものに僕らが歌うという感じで、楽しい!が先行していたんです。でも『晴伝説』は全て一から作って、みんな音楽の知識も無い、楽器も出来ない、そんな中で1人のエンジニアさんと4人で頭抱えちゃって。何時間やっても終わらなくて、意見もバラバラだし、地下のスタジオだったから今が昼なのか夜なのかも分からなくなってきちゃって。でも今日仕上げないといけないっていう焦りもあって。皆で歌いながら、メロディをエンジニアさんにピアノで起こしてもらって。リフが決まって、歌とピタっとハマった時に「やった!抜けた!」って。楽曲制作って本来そういうものなんですけど、それまでの俺たちはただ音楽が好きでやってただけで、『晴伝説』から変わった、本当のアーティストになれた気がして。
RED RICE:一番最初の”タオルチューン”というか、初期の頃はやっぱり『晴伝説』の盛り上がりに助けられたよね。
SHOCK EYE:『純恋歌』『睡蓮花』が僕らの鉄板曲なんですけど、その前は『応援歌』『晴伝説』がずっとライブを支えてくれていた。
RED RICE:『親友よ』も、同じくらい生みの苦しみがあったよね。
SHOCK EYE:そうだったね。あの時は皆で集まって曲を作るのが、とにかく時間がかかるから嫌になっていて。
RED RICE:品川ヒロシ監督の『ドロップ』という映画の主題歌なんだけど、品川君が俺たちの『カラス』という曲が好きで「(映画に使うのは)『カラス』でもいい」と言ってたんだけど、「いやいや、新曲作るから!」ってね。そういったものの、全然出来なくて。そうやって苦労して苦労して、とにかくやろうって出来た曲が、映画のエンディングで2人が走り出すシーンにピタっとはまって、ああ頑張って良かったなって。
SHOCK EYE:時々、大変な事があって、改めて絆を実感するというか。4人基本的にバラバラなんだけど、ライブであったり曲が出来た瞬間に「湘南乃風」が保たれているっていうのかな。そういう瞬間が定期的にあるんです。
――今日お話を伺っている「ガジェット通信」の読者や、漫画・アニメ好きが多いので、『仮面ライダー鎧武』やアニメ『アカギ』で皆さんの音楽を知って好きになった方も多いと思います。一方で、「湘南乃風はパリピ感があって、ちょっと近づきがたい…」と思っている人もいると思うんですね。
SHOCK EYE:漫画大好きですね! 俺、実はもともとリア充的なカルチャーとかパリピ感って苦手なんですよ。「湘南乃風やってるんで、嘘だーって思われるかもしれないですけど、もともとは対極な人間。でも音楽が好きだから、実際にこの世界に飛び込んでみたら「こんなに楽しい事はない」っていうくらい気持ち良かった。でも、湘南乃風とかパリピじゃん」っていうみんなの気持ちは一番分かると思っているし、クリスマスとかBBQとか大っ嫌いだったし、ハロウィンとかバッカじゃないの?って。家でゲームやったり漫画読んでいる方が好きだし、媚びているわけじゃなくて本当に読者の皆さんと近いタイプの人間なんですよ。
RED RICE:本当に好きだよね、『仮面ライダー鎧武』の主題歌をやりたいと言ったのもSHOCKだったし、『アカギ』もね。
SHOCK EYE:福本先生と飲ませていただいた事もあって、福本作品好きでめっちゃ詳しいんですよ。もともと『少年ジャプ』的な漫画より、福本作品の様な専門的な漫画が好きなので、一緒にお仕事出来てすごい嬉しかったですね。夢が一つ叶ったみたいな感じ。ゲーム『龍が如く』もプレイしていたしね。本当にそっち側なんですよ。
――SHOCK EYEさんが昨年°C-uteのライブに行かれていた時も、アイドルファンの間で話題になっていましたもんね。
SHOCK EYE:そうそう、あの反応を観た時に、アイドルファンの皆さんが普段どれだけ「湘南乃風」アレルギーがあって、恐がっているんだって分かりました(笑)。でも、本当は湘南乃風とアニメの親和性ってすごく高いと思っていて、湘南乃風ってある意味アニメのキャラクターっぽいっていうか。表現の方法が違うだけで、濃い世界観が好きっていう部分は似てると思うんですよね。お互い「中身が無いものが嫌い」という部分は一緒なのに、その間にある先入観が壁になっていると思うんですよね。でも、今の時代ってその壁が無くなってきているというか、アニメ好きでリア充な奴いっぱいいるし。
RED RICE:俺たちのライブも鎧武やアカギから知ってくれたのか、男一人でとか来てくれてる人結構いるよね。よく質問されるんですよ「ライブは一人で行ったら変ですか?」とか。でも全然大丈夫だよっていう。
SHOCK EYE:周りのファンが色々助けてくれたりね、湘南乃風も恐く無いけど、ファンの皆も恐く無いので安心してきてください!
――湘南乃風のライブに行ってみたいけど勇気が出ないという方が、励まされます! 今日は楽しいお話をありがとうございました!
映画『銀幕版 湘南乃風~一期一会~』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=L_HkGYYkM4w
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