楽しみ方いろいろ! 子どもとお年寄りとの交流にも使える『電車の顔図鑑3 特急・急行の鉄道車両』
ガジェット通信 / 2018年10月29日 11時0分
突然ですが「特急列車の顔」と言われると、どのような列車を思い浮かべるでしょうか。40代以上の人ですと、クリームに赤帯の国鉄形車両をイメージするでしょう。30代以下の人はJR以降に生まれた個性豊かな特急列車を取り上げるかもしれません。
出版社・天夢人の、電車の顔図鑑シリーズ最新刊である『電車の顔図鑑3 特急・急行の鉄道車両』(江口明男著)は列車の愛称別に国鉄時代から現在に至る車両の顔を紹介したもの。そのため、子どもからお年寄りまで幅広く楽しめる書籍です。車両のイラストだけでなく、前面に掲げられたヘッドマークもくっきり描かれているので、子どものお絵描きの手本にもなります。
先ほど紹介したとおり、古い車両から新しい車両まで取り上げているため、子どもと高齢者との交流のツールにも使えます。JRの全国路線図を横に置きながら、特急や新幹線について話すと社会科の勉強にもなります。また、寝台列車から新幹線までの変遷を見ると、日本の鉄道史を振り返ることも可能。鉄道の博物館を訪れたときに、この本を片手に国鉄時代の特急・急行列車を見ると、より理解が深まると思います。
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新旧の列車が同じページに並んでいるのも本書の特徴です。たとえば「つばめ」のページでは、戦前の超特急C51形「超特急燕」から九州新幹線N700系7000番台・8000番台まで両開き2ページで紹介されています。現在の車両に乗りながら、過去の名列車を思いめぐらす旅もおもしろいかもしれません。
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また、山形新幹線「つばさ」のページでは車内に足湯が設置されている「とれいゆつばさ」にも触れています。イラストだけでなく解説文も読むと、次の旅行への期待値が高まること、間違いありません。
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一方、鉄道ファン、特に車両を専門とする車両鉄の人におすすめしたい本でもあります。それぞれのページには車両の変遷だけでなく、各形式の特徴を詳しく解説。「さくら」のページではパンタグラフ付きのブルートレインとして知られていたカニ22形のイラストがあり、その下には同列車の仕組みが簡潔に書かれています。見開きの隣のページには一般型客車から改造された電源車、マヤ20形も取り上げています。このように「さくら」のページだけを取り上げても、“鉄分”の濃さを感じさせる内容です。
構成は列車の愛称別にあいうえお順になっているため、すぐに調べられるのもうれしいところ。気になった特急・急行列車をサクッとチェックできます。特に一般の鉄道書籍では調べにくい急行列車も取り上げている点も見逃せません。また貨物列車や国鉄時代の優等列車に関するコラムもあります。どのコラムも興味深く、鉄道ファンでも知らない意外な事実がわかるかもしれません。
位置づけとしては一般書と専門書の間になります。ところどころ専門用語はありますが、ストレスなく読み進めることができるでしょう。たとえ、専門用語がわからなくても、インターネットで調べると、すぐにわかります。またこの本を鉄道の入門書と捉え、より専門的な書籍にチャレンジするのもいいでしょう。
これだけ充実した内容の本にも関わらず、サイズは20.8cm×14.8cmとコンパクト。通勤電車の車内でも、気軽に読むことができます。また、本の厚さも1.4cmしかないので、かさばらないため、鉄道旅行でも気軽に持っていけます。
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『電車の顔図鑑3 特急・急行の鉄道車両』は鉄道好きだけでなく、国内旅行を趣味にしている人にもおすすめ。すべてのページを読むと、特急・急行列車に対する知識が深まるでしょう。また『電車の顔図鑑』はシリーズ化されているので、他の本と読み比べるとおもしろいかもしれません。
ぜひ『電車の顔図鑑3 特急・急行の鉄道車両』を手に取って、奥深い鉄道の道に迷い込んでみませんか。
(天夢人)
著者:江口明男
定価:本体1,600円+税
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PROFILE
江口明男(えぐち・あきお)
1990年代から、グラフィックソフトを使用して鉄道車両の精密イラストを作成。
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