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YouTuber“ヒカルのマネージャー”高橋氏が立ち上げた新会社「Guild」とは? 高橋将一インタビュー

ガジェット通信 / 2019年10月21日 12時0分

元VAZ副社長にしてYouTuberヒカルの友人でありマネージャーの高橋将一氏が、新たに会社を立ち上げる事を2019年10月21日に発表しました。

新会社は『株式会社Guild』(ギルド)。中世において職業別の集まりを意味する名前の会社で、高橋氏は「代表:ギルドマスター」という役職に就いています。Guildはいったいどんな会社なのか、高橋氏に直接インタビューをしてみました。

「日本初」YouTube向け「エージェント型」組織

―― いきなりですが、まずGuild(ギルド)って会社は何をするところで、どんな特徴があるんでしょうか

高橋将一氏:Guildは、クリエイターサポートを行う組織です。しかし従来のプロダクション型ではなくエージェント型でのマネジメントを行います。またベースモデルに関して言えば、逆ホールディングス型をとります。

エージェント型にしても逆ホールディングス型にしても、クリエイターサポートを行う会社としては日本で初めてですね。

―― 日本ではテレビのタレントなどはほとんどがプロダクションに所属しているイメージです

高橋:芸能プロダクションとYouTubeプロダクションは僕の中で別って認識があります。芸能プロダクションってテレビに出たりとか、CM撮ったりとか、割といろんな大人の人が絡んでるんでプロダクションが補填しないといけません。

例えばCMだったら1年間保証しないといけないんで、クリエイター直でお願いするのではなくプロダクションが保証部分を担保するんです。

YouTubeのクリエイティブにはプロダクション形式よりも適している形があるはず

高橋:しかしYouTubeプロダクションってチャンネルとタレントを両方ともYouTuberが運営しているので、YouTubeプロダクション自体ができる事っていうのが少ないんですね。企業からのPR案件とかも、動画1本だけの契約等が主流なので、CMのように保証期間とかがあるわけではないです。

―― 高橋さんはもともと、プロダクションにも所属していてMCN業務も代理店業務、バックオフィスサポートの会社も手伝っている、と伺っています

高橋:はい。作る側に居たのでYouTube業界で必要な事は全部知っています。

YouTubeプロダクションの場合、芸能のそれに比べてできる事の幅が狭い。そんな中で僕たちはお金の使い方について思っている事もあります。

例えばGoogle AdSenseで3000万円の収益をあげているクリエイターから月20%のマージンをプロダクションが取るとしたら、額面にして600万円になります。年間にしたら7200万円です。

これ、割といい会社の役員を7人雇えるくらいの金額なんですね。これってどうなのかなぁ、って僕は考えてました。もっと明朗会計で安い金額でサポートしてくれるんだったら、そういうほうがいいんじゃないか、って。

僕的にはそのお金使ってもっとクリエイティブの企画費とかに充てたほうが純粋に面白いコンテンツもできるし、そうするとクリエイターもユーザーもハッピーだしそっちの方がいいじゃないかと思っています。

プロダクションの場合、クリエイターは事務所に帰属、所属し、主導権はプロダクション/事務所が持ちます。

エージェント型の場合、クリエイターはあくまで独立した形をとり、主導権もクリエイターが持ちます。

クリエイティブの企画を僕たちがお金を払って買う「サロン」

―― だから「エージェント型」。Guildはクリエイターに対して、企画提案なども行える組織なのですね。具体的にはどんな風にそれを行うのでしょうか

高橋:今度僕たちがやろうとしているものに「サロン」があります。

ただしこれは、参加したい人がお金を払うような、いわゆる“オンラインサロン”ではなくて、「クリエイティブの企画を僕たちがお金を払って買います」っていうサロンなんです。僕たちはこの企画買取型サロンを「IDEA GUILD」と名付けました。

たとえば「僕、素人だけどチャレンジしてみたいんですよね」「アイデアはあるんです」という人は居ると思うんです。企画に限らず、動画編集でもいいし、デザインでもいいし、なにかに携わりチャレンジしたい人たちを集めて、コンテンツに携わる場所、クリエイティブが発掘できるようなサロンというのを作りたいな、と。

―― 無料で参加できるんですね。サロンという場所は無料で提供するけど、出来上がったコンテンツで収益化していくというイメージですか?

高橋:サロンに払うお金を中抜きするとかって発想はあんまり無くて。それはもう、そのまま企画として繋げちゃっていいって考えています。

どちらかというと才能が発掘できるってところが強いです。結局、僕たちは代理店としての機能も持っていますので。

日本初の逆ホールディングス型

―― Guildは代理店機能も内包していると

高橋:そこはちょっと説明が必要です。新たに生まれたGUILDという会社は、……これも日本初なのですが、“逆ホールディングス型”という形をとっています。

持ち株を主軸に、親会社と子会社でのヒエラルキーが構成されるホールディングス型に対して、ギルドでは“逆ホールディングス型”を提唱しています。

ギルドでの逆ホールディングス型とはいったいどのような内容でしょうか。

―― 逆ホールディングス型?

高橋:僕、もともとプロダクションで、日本でもそこそこ有名なプロダクションの副社長やってたんです。でもそれをやめたときっていうのは、頼れる人もいなければ、YouTuberと僕と会社のメンバーしかいなかったんです。他の代理店さんがひいきにしてくれるわけでもなく困った状態。

MCN、代理店、バックオフィス、といったその辺のものを全て一から立ち上げるのはちょっと難しい。けれど逆にそういう会社と上手く組むことができないかな、っていうのが最初の始まりだったんですよ。

Guildは先にも説明しましたようにプロダクションとは違います。Guildに参加しているのは、MCNとか案件の代理店とか、バックオフィスのサポートやロケ手配とか構成作家とか、そういったことに特化している会社です。それらの会社が協力して、Guildにサービスを提供しています。Guildではプロダクションのように中抜きは行わず、自分たちが持っているおのおのの会社のマネタイズポイントを使います。

―― Guildという会社に全ての機能を集約しない理由はあるんですか?

高橋:結局僕がこの発想に至った一番の理由は、会社って「社長が得意な事がその会社内で評価されやすい」って事なんです。

例えば営業会社だったら営業マンがえらい! って。IT会社だったらエンジニアがえらい!ってなりやすかったり、それぞれカルチャーが違う。これが一つの会社にまとまってると、多分「誰がえらいの?」みたいな状態になると思うんですよね。でもこれが別々に分かれてることによって、その会社その会社が、営業だったりとかITだったりMCNに特化できる。

純粋に一つの会社で全部やるよりも、サービスのレベルが高いと思うんですよ。

で、Guildっていうのはどちらかと言ったら色んな種族の人たちがいる。エルフも居ればドワーフも居て、ホビットも居て。その首脳会議をするのがギルド(Guild)なんですよ。

――めちゃめちゃわかりやすいです(笑)

高橋:だからGuildって名前を付けたのもいろんな会社の人たちの連合軍で、各サービスに特化している人たちを集めて、その人たちに僕たちは中抜きせずに紹介していけば、1社でまとまって色んなサービスができる会社よりも何もない状況から作れる。さらには利害関係が一致して、サービスもより良くなるんじゃないかなって思って、この逆ホールディングスっていう形を提唱しました。

ここで先ほどの企画買取型サロン「IDEA GUILD」に話を戻します。「IDEA GUILD」では“才能の発掘”に重きを置いています。そこで生まれた企画をGuildに参加している会社が、面白い企業案件としてクリエイトしていくほうがお金になる可能性は高いですよね。

だからそのためにも才能を発掘したい、と考えています。

―― 結構、目先のお金よりもロングスパンでの収益を考えていて、才能に付随してくる色々なクリエイティブなものを熟成させようと

高橋:そうです。Guildに参加している会社って僕の所も含めてお金には困ってないんです。どうにかここで稼がないといけない、というよりは長い目で社会を変えていきたい、もっとクリエイティブの価値に重きが置かれるような世の中にしていきたいというほうが、ほんとに長い目で見たときに会社に価値が生まれると思っていますね。

メンバーにはひろゆき氏も

―― ギルドのメンバーには、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏、未来検索ブラジルのMCN業務で統括マネージャーを務める ひげおやじ氏などの面々も見られます

高橋:サロンについてはひろゆきさんと話して生まれたサービスなんです。ひろゆきさんって2ちゃんねるとかニコニコとかで素人が成功していく過程をすごく見ている人なんですよね。素人の人の中にすごい才能を持っている人がいるっていう事をものすごく体感している人だから。だからこういったサロンのようなものがあれば、まだまだ眠っているクリエイティブが発掘できるんじゃないかっていう。これはひろゆきさんの意見が大きく反映されたところではあります。

利権を守るのではなく、時代に合ったものに変えていきたい

―― Guildの将来について聞かせてください

高橋:日本って鎖国国家なんです。日本で一位獲ったら、海外に進出するじゃないですか。そのマーケットを広げるんだったら。

―― そうですね

高橋:でも日本って、海外に進出するんじゃなくてその利権を守ろうとする特性がすごく強い一面があるんです。だから僕は鎖国国家だと思ってるんですけど。そうすると権力が生まれるわけです。

そうすると「守る」って行為をするじゃないですか。「攻める」じゃなくて。それが権力の正体だと僕は思ってます。でも今、スマートフォンが普及したことによって、色んなビジネスモデルの在り方……例えばメディアの在り方なんかは大きく変わってきています。まずは日本のビジネスモデルをいろんな角度から変えていけるように、今の時代に合ったビジネスモデルに近づけられるようにチャレンジしていきたいです。

海外の人たちがなぜそこまで色んな国にビジネス進出できるかと言ったら、ビジネスに対しいてクレバーだからだと思ってるんですよね。良いモノは良い、悪いモノは悪いとしっかりと言える

―― 権利よりも物の価値や本質を正しく観ている

高橋:それを言えないのが今の日本人だけど、YouTube事業というのはこれからのメディアの変わり目で、一番ビジネスモデルが変わりそうなところだと感じています。ここをとっかかりとして、日本のサービスが“勝ち”に行けるようにしたいですね。

―― ありがとうございました

逆ホールディングス、お金を支払うサロン、エージェント型、と多くの「日本初」を携えた株式会社Guild。代表である高橋氏はなめらかながら落ち着いた口調で、コンテンツの未来を語ってくれました。

最後に、なぜ高橋氏が代表になったのかを聞いてみました。

「なんで僕が代表になったかって言うと、……話を持ってった時にひろゆきさんに勧められたってのが大きい気がします! 僕にとってはシャンクスみたいな存在です。

それと、僕の経営者論で言うと「必要とされる人間」じゃなくて、「必要とする人間」がおのずと「優秀な人達を集める」と思うんですよ。

僕が何もできないから、僕が困ってていろんな人を必要としてたら、たまたま中心になってたってだけなんです。

僕がなんでも自分でできてたとしたら誰かを必要としないから、GUILDみたいな構想は生まれてないと思うんですよね(笑)。僕はメンバーの方が優秀ぐらいの方が良いと思ってるんですよ(笑)」

新たな“ギルドマスター”は屈託なく笑っていました。

Guild 紹介動画

https://youtu.be/YzHopNoEpZs

会社名:株式会社Guild

設立:2019年9月

代表者:ギルドマスター 高橋将一

https://www.guild.to

info@guild.to

―― 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』

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