「才能の無駄遣い」じゃない 学生製作の夢のマシンが凄過ぎる件

ガジェット通信 / 2012年7月10日 13時35分

モーションセンサー内蔵の手袋で手話を通訳現在シドニーにて『Imagine Cup(イマジンカップ)』が開催されている。この大会はビル・ゲイツ氏が「学生に多くのチャンスを」という発案の元に行われ、150の国と地域から35万人以上の参加者が集まるビッグイベントだ。その内容は学生という枠を超えて未来を感じさせてくれる作品が集まっている。今回はそのイベントの中からソフトウェアデザイン部門のファイナリストに選ばれた本作品を紹介する。

●驚愕の手話通訳手袋

ここ数年でマウスジェスチャーを使うユーザーも増えているが、ウクライナの学生チームが開発したのは言うなれば手話ジェスチャーだ。この手袋を使ったプロジェクトは『EnableTalk』と名付けられ、ジャイロスコープや加速度センサーなど、多くのモーションセンサーにより手話の動きを解析し、音声で翻訳してくれる夢のマシンだ。現在4000万人以上とも言われている聾唖(ろうあ)者とのコミュニケーションを取れる画期的なツールであり、また発表されたコストは75ドル程度と安価でもある。

●今後の課題は?

ここで気になるのが手話のローカライズだ。というのも手話は世界共通言語ではなく、国によって異なっている。この点については既に一つの解決方法を示唆している。ユーザーが新たなジェスチャーを追加、また標準ジェスチャーも今後アップデートを予定しているとのことだ。逆に言えばユーザーが「手話っぽい何か」を登録することも可能であり、本来のテーマとはそれるが仲間内での“秘密の暗号”のようなやりとりもできるようになるかもしれない。

●キネクトを利用した無人ショッピングカート

キネクトで対象を認識、自動追尾するショッピングカート

もう1つ紹介したいのが『キネクト』を利用した無人ショッピングカートだ。これは『キネクト』カメラで対象を認識し、自動で対象を追尾をしてくれるというものだ。ポルトガルの学生達によって『wi-GO』と名付けられた本作品は車イスなどで多くの荷物を運べないことへの解決策として提案されている。

●実機の精度と今後の課題

正直、まだまだ実用に向けてハードルはある。まずは段差の問題や、そもそもサイズの大きさも気になるところだ。ただし記者が一番最初に気になった疑問「対象の誤認識に関して」は、見失った場合にブザーでの警告と制止で対策を取っており、またユーザーが決めたジェスチャーのみ『キネクト』が対象として認識する点(防犯対策?)などは良くできている。

また長い間、本作品を見学していたのだが決して障害物にぶつかることがなく、安全性も考慮されている。現在は試作機であることから、製品化にあたってはコンパクト化していくだろう。あくまで日本人の視点で申し訳ないが、まだまだバリアフリー化が徹底されておらず、また道幅が狭い日本においては運用は“今のところは”難しいかもしれない。しかし、障害を持つ方以外でも「重たい荷物を運んでくれないものか」と苦労した人は多いだろう。もし実用化したら我々の生活が一変するであろう作品だ。

他にも多くの作品が出展されている『Imagine Cup』だが、ポイントとしては実機がちゃんとあることだ。絵空事ではなく、きちんと現実に答えを用意し目の前で見ることが出来る。見ているこちら側のトキメキ度は半端ではない。また日本代表チームも参加し、既にガジェット通信の記事でも紹介済みだがソフトウェアデザイン部門で1チーム、ゲームデザイン部門で1チームが決勝へ駒を進めている。彼らの作品も現地での評価は高く、果たしてどのような結果になるのか注目して欲しい。

【日本】マイクロソフト主催『Imagine Cup』世界大会表彰式を生中継【頑張れ!】



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