シリーズ愛好家から初心者まで丁度良いバランス!『アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~』レビュー

ガジェット通信 / 2012年7月26日 18時0分

ガストの人気作、アトリエシリーズ。毎回一人の錬金術士の女の子が期限内に大きな目的を達成する事を主軸とし、その過程でアイテム作成を主題に様々な出会いや成長を描く、マルチエンディング採用の旧約錬金術RPG

今作はシリーズ14作目にして新たなサブタイトル、黄昏(たそがれ)の大地の錬金術士と銘打たれており、従来のファンにとっても初めて見る光景、そしてアトリエシリーズ初心者の方にはとっても引き込まれやすい世界観が繰り広げられています。

それではその気になる世界観、快適な操作性や玄人垂涎(すいぜん)の熱いやり込みシステムまで一気にご紹介しましょう!

●ゲームの流れ

今回の大きな目的(メインストーリー)は3年以内に行方不明になった妹を助け出す事。妹が神隠しにあった謎を追って旅に出た主人公は、色んな街や場所で様々な人々とふれ合い体験を深めていきます。そして妹を助け出すための問題解決策として、様々な効果を持つアイテムを錬金術を駆使して生成していくというのが大まかな内容です。

本シリーズや、今作の中枢システムである錬金術というのは“素材を加工し、全く別のものを生み出す、無二の学問”です。素材と素材を合成し、有用なアイテムを生み出すこの作業の事を調合といいます。

アイテム生成に当たり、アイテムの元となる素材を採取できる場所の事を採取場といい、素材を調合できる場所の事を拠点(主に街)といいます。これらはすごろく上のワールドマップ内にいくつも点在し、ゲームを進行させることで新たな場所が出現し、自由に移動する事ができます。

採取場内には魔物が徘徊(はいかい)していますので、戦闘しながらの採取となります。採取場内で光っているポイントが数ヶ所あるので調べると素材を採取する事ができます。

そしてこれら一連の動作には時間経過の概念があり、調合、移動、採取、戦闘を行うと、時間や日数を消費します! 3年間という定められた時間の中で、どれだけ効率よくゲームを進めるのかが鍵になってきますが、重く考える必要はありません! メインストーリー以外にもシナリオが多数あり、ゲームの進め方次第ではEDも変わりますので、1周目はただただ楽しんでプレイする事をオススメします。

取りこぼしたイベント見逃したED強敵との戦い強力なアイテム作成などは2周目のお楽しみに取っておいても損は無いです! それだけ引き込まれる世界観をパフォーマンスしてくれている魅力的なキャラクター日常を感じました。

●キャラクター

イベント会話はもちろん、戦闘中や採取中にもバンバンしゃべって臨場感を高めてくれる個性的な人物ぞろい。彼らとどれだけ仲良くなったり、多くの関連イベントをクリアしたかによってエンディングが異なります(※関連EDが存在していないキャラクターもいますのでご注意です)。

アーシャ……本作の主人公。祖父から薬の調合を教わって育ち、現在は薬士として生計を立てている。数年前に祖父を亡くし、妹まで行方不明となり天涯孤独の身。あるとき、謎の光につつまれた妹を見かけ、妹を助け出すために旅に出る決意をする。のんびり屋でほんわかとしているが、実はしっかり者。妹を探す旅に出るまで本人は、錬金術の概念も、錬金術士という自覚もなかったが、旅先で色々な体験をして成長していく。

ニオ……アーシャの妹。数年前に薬の材料となる素材をアトリエ近くの遺跡で採取している途中に行方不明となる。それからしばらくして、謎の光に包まれアーシャの前に現れる。ニオを助けた後も、ゲーム終了期日まで旅を続ける事ができ、ほかのキャラクターとの絡みが見られる。

レジナ……女性発掘屋。愛想も腕っ節も気風もいい頼れるお姉さん。男勝りだが、女の子らしい一面も覗かせる。発掘や遺跡関係と、面倒見の良さがわかるイベントが豊富。

ウィルベル……魔法使いの女の子。ちゃっかりしている性格だが憎めない。魔法使いと錬金術士、お互い良い刺激になっているようで、魔法関連のイベントが豊富。

アーニー……勤勉な行商人の青年で、昔からアーシャと薬の取引をしているため仲良し。品物の取引や、行商関連のイベントが豊富。旅の方では、ワールドマップ上を転々としており、アーニーの元へ行くと素材などの売買ができる。

ハリー……多くの人々が集まり、とても活気のある街“フィルツベルグ”で道具屋の経営や、仲間キャラが出店するバザーの主催などを務めるひょうきんな紳士。遺跡や秘宝に造詣が深く、珍しい品物を数多くコレクションしているという。アーシャの旅にも協力的で、バザーでは珍しい素材を手に入れる事ができたりと、間接的に役立つ事が多い。

リンカ……大剣を軽々振るう麗しい女性。しかし脳みそは筋肉でできているのかもしれない。そのためか、コミュニケーション関連のイベントが豊富。

キースグリフ……遺跡を調査している謎の紳士。アーシャとニオの仮初の再会を目撃し、アーシャに“光る花”と“錬金術”という助言を与える。

ターニャ……気球でしか行けない、遠く離れた大地の元気な女の子。アーシャたちの暮らしに興味深々なイベントが豊富。アーニー同様ワールドマップ上で素材の売買を行ってくれる。

このほかにも仲間になるキャラ、旅の拠点を作ってくれるキャラ、ワールドマップ上で素材の売買を行ってくれるキャラが沢山います。そしてそんなキャラクター全員にイベントが用意されており、いろんな場所でイベントが起こるので、採取と調査を繰り返していても単調な作業には感じず、いつも新鮮な気持ちでプレイできました。

●バトル

さてお次は、キャラクターが動きまくりしゃべりまくりの、躍動感あふれる戦闘システムををご紹介します。

シンボルエンカウントになっており、採取地や遺跡で魔物の姿が確認できます。魔物に触れると戦闘に突入しますが、エンカウント直前にアーシャが持っている杖(つえ)を振るい敵シンボルに当てる事で、戦闘を優位に始める事ができます(Lvが上がると杖を当てるだけで敵シンボルを破壊できます、楽チン!)。

この行動がとても大切で、戦闘を優位に始めた場合は味方のサポートゲージが1つたまっている状態になっています。このサポートゲージがたまっていると、“Aの攻撃ターン時にBが追撃を加えてくれる”“瀕死(ひんし)のAが攻撃目標にされた時、Bがかばってくれる”といったアクションが可能になります。

これらのサポートアクションは、キャラクターによってはHPなどを回復してくれたり、100%戦闘から離脱したりと効果は様々です。

敵、味方の立ち位置も重要なポイントです。こちらは、範囲攻撃対象と範囲回復対象に含まれるか否かが決まります。更に敵との距離や位置関係によって同じ行動でもボーナスが発生することがあります。敵を後ろから攻撃したりするとボーナス範囲回復効果のある味方に近づけば回復を受けられるといった具合に、このシステムが戦闘をスピーディーかつ戦略的なコンテンツに仕上げています。戦闘BGMも複数用意されていて、華やかで情熱的なBGMにテンションも上がりました。

仲間キャラは固有スキルを使用して戦う事ができます。各キャラごとに個別のスキルを複数所持し、MPを消費しての全体攻撃や単体に強力なダメージを与えるという非常に頼りがいのある技がそろっています。同じスキルでも複数のボイスバリエーションが楽しめるのもうれしいポイントです! そのうえ仲間キャラは、Lvが上がると絶大な威力を誇る必殺技を使用する事も可能になります! 必殺技でトドメの一撃を放った際にのみ見られるモーションは必見ですよ!

そして主人公アーニャは、自ら生成したアイテムを使う事ができます。こちらは、自作の爆弾回復アイテムなどで攻守補助に渡り大いに活躍します。そのアイテムは調合次第で同じアイテムであっても効果が違うので、錬金術士としての腕の見せどころです!

それでは次に調合についてご説明いたしましょう。

●調合

まずは作るアイテムを選択し、その次にアイテムを形成する上で必要なカテゴリに添う素材を選びます。この時点で素材がそろっていればアイテムは完成です。失敗はありません。ただ、出来上がるアイテムには色々な素材の組み合わせが存在し、条件をクリアすると発現する効果というものがあります。良いアイテムを作る上で、この条件のクリアは必須です。

条件というのは、品質、火、水、風、土のそれぞれの属性値のパラメータが一定値に達するというもの。パラメータの必要値はアイテムによって異なります。調合の際、パラメータ表示画面が仕切られている部分があるのでその仕切りに達することを目標にしましょう。

そのパラメータを満たしてくれるのが良い素材素材の持つ力、それから錬金スキルです。素材については土の力を多く満たす素材、まんべんなく属性値を満たしてくれる素材といろいろあるので、上げたい属性値の力を多く満たしてくれる素材を選びましょう。

更に属性値の上がり幅にボーナスをもたらすのが素材の持つ力です。こちらは“次に投入される素材が土の属性カテゴリを持っていた際、土の属性値を+10%”という風に相性の良い素材を相性の良い順番で組み合わせていく事で、本来なら届かないはずの属性値であっても必要値を満たし、効果を得る事が可能になるのです!

任意の順番で素材を投入するというのは錬金スキルに当たります。錬金スキルは複数あり、作れば作るほど上がるのでどんどん作りましょう。少し説明が難しかったかもしれませんが、案ずることなかれ! 適当に素材を組み合わせてもそれなりの物はできます!

やっている内に何となくできるようになりますし、パズル感覚で操作にも苦はありません。初心者から、アイテムスキル構成に情熱をかけるベテラン錬金術士まで楽しめる良いバランスだと感じました。

●やり込み

しばらくストーリーを進めていると、一度訪れていた採取場に“変異”した魔物が出現するようになります。その影響でその採取場で採れる素材も変化しているのです! この変異した魔物は並みの強さではなく、ゲーム後半になるにつれ錬金術で強化した装備品強力な補助アイテムがないと歯が立たなくなっていきます。

この世界の力の象徴“ドラゴン”もまたしかりです。これら2つはメインストーリーにはあまり関係がありませんが、特定マルチエンディングを見る際にボス撃破は必須条件。そして迫るゲーム終了期日……ッ!

著者はザールブルグ(アトリエシリーズ初期作品)ぶりにアトリエシリーズをプレイしたのですが、ゆっくり世界観を堪能して、システムを楽しむ事ができました。1周目はそこそこパーティーを強化しつつ妹を助けてクリアしたまでにすぎませんが、スリリングなボス戦も楽しめました。この1周目プレイして覚えた錬金術のノウハウを活かして、2周目をプレイし強敵に立ち向かっていきたいと思います!

ここまでお読みいただきありがとうございました。た~る!

アーシャのアトリエ 〜黄昏の大地の錬金術士〜

発売日:2012年6月28日

対応機種:PlayStation 3

ジャンル:旧約錬金術RPG

価格:通常版 7140円(税込)

プレミアムボックス 10290円(税込)

発売:株式会社ガスト

公式サイト:アーシャのアトリエ 〜黄昏の大地の錬金術士〜

レビュー:ヒラノ課長

(C)GUST CO.,LTD. 2012

(ゲームレビュアー:katyo)



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