楽天『kobo Touch』のつまずきと電子書籍リーダーの可能性

ガジェット通信 / 2012年8月10日 13時30分

楽天『kobo Touch』のつまずきと電子書籍リーダーの可能性

楽天が鳴り物入りで市場に送り出した電子書籍リーダーの『kobo Touch』。その大きな特徴はふたつある。ひとつめは、値段が安いこと。実勢価格で言うと、7980円という『kobo Touch』の値段は、ソニーや東芝が発売するリーダーの端末の半額以下となっている。

ふたつめは、デフォルトでソーシャルリーディングに向けた機能を備えていること。ソーシャルリーディングとは、読書体験を他者と共有することである。本の感想や電子書籍にはさんだ「しおり」などを、SNSなどを通して簡単に発信・受信できるような機能が、『kobo Touch』には付いている。

8月7日にTBSラジオ『荒川強啓 デイ・キャッチ!』の「メキキの聞き耳」コーナーに出演した書評家の永江朗氏は、『kobo Touch』を発売前に予約して買ったのだと言う。ところが、7月19日の発売日に届いた『kobo Touch』を、永江さんはスタジオに持ってこなかった。それはなぜか。届いてから3日目に返品したからなのであった。

返品した理由は、「使い物にならない」から。コンテンツを開くと、章の扉しか読めなかったり、「いきなり奥付にいっちゃう」ような状態だった。さらに、kobo用のコンテンツを販売するサイトについても、「本好きの人が作っているとは思えない」ようなものだと永江氏は言う。

永江氏は番組でソーシャルリーディングについて紹介し、電子書籍にはその可能性を広げる要素があることを述べた。その事例として『kobo Touch』を取り上げたのだが、端末が届いてみると「使い物にならない」段階のものだった、という話である。

ひとり出版社を経営している筆者が言うのはどうかと思うが、電子書籍にはいまのところまったく興味がない。端末を買う気はないし、コンテンツを読む気もない。ましてや、自社で電子書籍を販売しようとも思わない。その理由は、日本語で書かれた本を落ち着いて読む端末として、電子系の端末には強烈な違和感があるからだ。

他方、実際に活用したことはないが、論文などを書く際に、文献の読み込みなどで電子系の端末が重宝すると思われる。大量の情報をまとめて読んだり、必要な部分だけを切り取って活用する場合に、電子系の端末は活きる。

筆者は電子書籍を否定しているわけではない。じっくり読む系の本は実際に手に取り、調べ物系の本は電子系の端末で済ます。使い分けを勧めているのだ。そして、電子系の端末としてはパソコンとiPhoneで用が足りてるので、電子書籍リーダーはいまのところ必要ないのであった。

(谷川 茂)



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