2強3弱のテレビ界 日テレとテレ朝しか見られていないその理由
ガジェット通信 / 2020年9月2日 8時30分
日本テレビの夏の風物詩『24時間テレビ』が今年も終わった。コロナの影響により国技館からの放送は無観客で行われ、募金もキャッシュレスが推奨されるなど様式も大きく変わったが、終わってみれば平均15.5%を記録(ビデオリサーチ、関東地区)。つまりはきっと、『サライ』を聴かないと夏が終わった気がしない人もいるのだろう。それだけ視聴習慣がついているということだ。もちろん通常の番組も『有吉ゼミ』『踊る!さんま御殿!!』『秘密のケンミンSHOW極』『世界の果てまでイッテQ!』などなど、安定の2ケタ番組が並ぶ。
そんな王者・日テレを追いかけるのはテレビ朝日。同じく『ナニコレ珍百景』『ポツンと一軒家』『林修の今でしょ!講座』など、派手ではないが安心して見られる路線が受け入れられている。
だが、その他の局で人気のバラエティ番組と言ったら何を思い浮かべるだろうか。TBSの場合、ドラマだと今クールは『半沢直樹』『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』と絶好調だが、よく見ているバラエティは……? そしてフジテレビは……? テレ東は……?。もちろんテレ東は『YOUは何しに日本へ?』など、熱狂的なファンを持つ番組があるが、それも数えるほどしかない。
事実、民放5局の首位争いは今、日テレとテレ朝が競っているだけで、ほか3局は実際のところ、そこまで大差はない(順位としてはTBS・フジ・テレ東という順番になることが多い)。もちろんテレ東は朝の時間帯が致命的に弱かったり、視聴率表で誰も見ていない番組につけられる記号から「*(コメ)」と呼ばれる、誰も見ていない深夜番組もいまだにあったりするのだが、ことゴールデンに関して言うと、TBSに勝ってたりする曜日もある。
また、TBSは表向き『水曜日のダウンタウン』が人気番組と思われるが、個人視聴率では意外といってなかったりするし、月曜のゴールデンを大幅にいじってみたり、深夜をごそっと入れ替えたりと、打ち切りグセが顕著だ。
フジテレビも『今夜はナゾトレ』『潜在能力テスト』『世界の何だコレ!?ミステリー』といった番組が育ちつつあり有望だが、いかんせん『ホンマでっか!?TV』など老舗の衰退が目立つ。『さんま御殿』でもおなじみのローカルバトルと組み合わせたり、ミステリーSPをやったり、霊視をやるなど、とにかく延命しようという魂胆が透けて見える。
では日テレ・テレ朝と、他局は何が違うのか? それが、冒頭挙げた視聴習慣だ。日テレは極力、レギュラー番組の編成を崩さない。それだけソフトが強いからということもあるのだが。
テレ朝もしかり。さらにこの局がすごいところは、過去人気のあった『ナニコレ珍百景』や『しくじり先生』を、まだ見込みがあると判断するや復活させたりする。ただ深夜の番組をゴールデンに持ってきたりして潰してしまうという、弱かったころの「焦りグセ」は捨てきれていない。
いずれにしても他局は一度打ち切ると、バラエティに関してはまず復活しない。最近TBSで、ダウンタウン浜田雅功が司会をする、ウソを見抜くバラエティ『オオカミ少年』が15年ぶりに復活したといったケースは稀である。
またテレ朝は、ずっと同じドラマを見させられているイメージがある。つまりどういうことかというと『相棒』『科捜研の女』『警視庁・捜査一課長』が順繰りになって動いているというものだ。これを延々とループさせることで、テレ朝の沼にハマらせて抜け出せなくさせているのだ。沢口靖子と内藤剛志は、もはやテレ朝の専属俳優かというくらいである。
だが他局は、例えばTBSが『半沢直樹』のように単体でヒットするドラマがあっても、全体が活性化しない。それはなぜかというと、1人良いクリエイターがいても、局全体のタイムテーブルをまとめる良い編成局員がいないからだ。日テレとテレ朝の2強時代はまだまだ続きそうである。
(執筆者: genkanaketara)
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