『もしドラ』編集者が語る 朝日新聞を10倍売る方法
ガジェット通信 / 2012年11月20日 21時0分
不景気がすっかり恒常化している現代。特に出版業界のそれは顕著で、雑誌、書籍、新聞を問わず苦しい状況にあるようだ。紙のメディアが難しい状況にある中、ウェブメディアに進出し始めたところも多い。しかし、そこで成功を収めるには、多くの人がもつ「ネットの情報は無料」という考え方が大きな壁になっているように思える。
かつて、ダイヤモンド社で『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』『スタバではグランデを買え!』などを担当した編集者の加藤貞顕氏は、朝日新聞のインタビューで次のように話している。
「『ネットの情報には金を払わない』という心理は強固に見えますが、消費者が欲しいと思う一流コンテンツがネット上にないことの方が、実は問題ではないか。村上春樹さんや井坂幸太郎さんの新作がネットに出れば、多くの人はお金を払うはず」
実際に加藤氏の手掛けた『もしドラ』を電子書籍化したところ、17万部売れたという。では、具体的にネットで売れるコンテンツにはどういったものが考えられるのか。
「ネット上では、人間の集中力は続かないものです。飽きたらすぐに別のサイトに移動できるからでしょう。だから、コンテンツは短くて、軽いものが中心です。当然、単価は安くなります。数十円のコンテンツをいちいち買うのは煩雑すぎるので、定額制の方が合理的です。ネット上のソフトウェアの価格は、高くても千円以内が相場。朝日新聞はデジタル版のみ購読だと月額3800円ですね。千円にすれば、今の10倍ぐらい売れるのではないでしょうか」
ネットで文字を売るためには、軽いものを、千円以内で定額制に。確かにネットを使う側からすると購入しやすいモデルのように思える。Amazonやkoboなどの電子書籍が出現し始めた出版業界では、今後こうしたビジネスモデルから出版を考えていかなければならないのかもしれない。
加藤氏は、これから変動する出版業界に対応すべく、学びの場も設けている。「トップ編集者の仕事術を学ぶ 4days ~cakes 加藤貞顕ゼミ~」と題したセミナーでは、加藤氏がナビゲーターとなり、第一線の編集者を講師に招いて講義を行う。内容は「マンガ編集と才能を見極める方法と技術」「ターゲットを捉える雑誌作りの技術」など現実に即したものになっており、出版に関係のない一般の人でも参加可能だという。これから出版業界を目指す人にはもちろん、今後誰もが編集者になりえるかもしれないデジタルブックの時代に向けて、聞いておくのもいいかもしれない。日程は11月23日、30日、12月14日、21日の毎週金曜日。時間は20時から22時となっている。
【関連リンク】
トップ編集者の仕事術を学ぶ 4days ~cakes 加藤貞顕ゼミ~
http://bookandbeer.com/blog/seminar/top_editors/
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