Netflix映画『彼女』水原希子&さとうほなみインタビュー「そばにいないと自分が保てない、そんな存在でした」
ガジェット通信 / 2021年4月30日 12時0分
Netflix映画『彼女』が、4月15日より全世界独占配信中。女性二人の逃避行を描いた中村珍先生の「羣青」を原作に、廣木隆一監督がメガホンをとり、恵まれた人生を送るかに見えて、実は家族に同性愛者であることを隠していることに悩むレイを水原希子さん、人生に絶望しながらもレイに救いを求めてしまう七恵をさとうほなみさんが演じています。
水原さんとさとうさんの2ショットインタビューをお届け。美しく凛々しいお2人による撮影秘話、撮りおろし写真にもご注目ください。
――本作拝見させていただき、お2人にとっても挑戦の多かった役柄だと思います。まず脚本を読んだ時の感想を教えてください。
水原:脚本を読んだとき「相当チャレンジングなものになるだろうな」と思いました。終始、感情がむき出しですし、人を殺すシーンもありますし……。最終的に主人公であるレイと七恵に2人しか分からない愛が描かれていて、色々な意味で大変な役だとは思いましたが、今、絶対にやりたい、やるべきだと思いました。
さとう:私は元々原作の「羣青」がすごく好きで、昔原作者の・中村珍先生とお会いする機会があって、この作品が大好きだと伝えさせていただいたことがあります。原作における彼女たちには、本当に色んな感情が渦巻いていますが、憎たらしいけれど可愛らしくて。もし映像化されたら、自分が演じられたら、演じたいと思っていました。そして、今回のお話をいただいたときも、苦しい壮絶な過去を持つ七恵という女性の人生を私が生きたいと思いました。
――さとうさんは原作ファンならではのプレッシャーを感じることはありませんでしたか?
さとう:プレッシャーとはまた違うのですが、「珍さんはこれをどう思うかな?」と思ってしまう事もあったり、どうしても原作の画が浮かんでしまうチラついてしまう部分はありました。自分の中にも、「原作に近い表現にすべきなのでは?」という思いもあって。でも、監督が役者ファーストの方で、考える時間をたくさんくれたので。その時は考えすぎて辛い時もありましたけど、やりたくやっているし、自分のためになると思ったので、「やって良かった」という感情が一番に残っています。
――水原さんは脚本をご覧になって、まずどの様な印象を受けましたか?
水原:衝撃的な内容で、強烈なインパクトを受けましたが、すごくいい物語だな、と思いました。そうしたら、「原作は読まない方がいいかもしれないよ」と言われたんです。でも、読まずにはいられなくて読んだら、なるほど、「原作を読んだら引っ張られるかもしれないよ」というアドバイスだったのか、と思いました。今まで読んだことの無い作品で、本から放たれるエネルギーや熱量が、すごく強烈で。だから私も、原作の彼女たちの表情や言葉一つ一つを大事にしたいと思いました。全く同じように表現は出来ないけれど、漫画に漂うムードや雰囲気がすごく大事だと思ったので、(原作を)読んで良かったなって。
――原作の持つパワーや雰囲気を大切にしながらも、自分たちの作品作りに集中出来たということですね。撮影も色々と大変なシーンが多そうだと想像しました。
水原:実は、ほぼ順撮り(シナリオの冒頭から順を追って撮影すること)で撮っていただけたんです。そのお陰で、自分たちの『彼女』を作ることができたと思っていますし、原作にあるエネルギーをずっと持ち続けることが出来たと思います。日を重ねるにつれて、どんどん私とほなみちゃんの中で積み上がっていくものがあったので、リハーサルでやったものとは全く違うものになっていくんです。それも貴重な経験でした。
さとう:長回しのワンカット、一発で撮っていくスタイルが多かったんです。だからシーンごと、実際にその長さで生きているみたいな感覚になりました。順撮りと、その手法によって、2人の感情がよりリアルになったし、気持ちが繋がったし、すごくやりやすかったです。
――すごく感情的なシーンも多いですし、気持ちを持っていくことが難しそうですよね。「順撮り」と聞いて、またすぐに見返したくなりました。
水原:レイは家族や周りに女性が好きだということを言えていなくて、それによってのトラウマがあって苦しい想いもしたと思います。でも、両親からの愛も受けていて、理解してくれる恋人もいて。愛を知っている人だと思ったので、そこは大切にしたいと思いました。人を殺すという、経験の無い事も演技で表現しなくてはいけませんし、感情むき出しのシーンが多かったですし、自分との戦いで苦しかった部分があります。監督は、私たちの気持ちが「うわーっ」ってなっちゃっても、大丈夫だよっていつも寄り添って待ってくれていたというか。監督の顔を見るとほっとして。あとは本当、ほなみさんに支えられて。
さとう:私も本当に希子ちゃん、レイの存在が大きくて。七恵は、家族に愛されず、友人もいない、夫には暴力を振るわれる、自分の気持ちを話せる人が周りに全くいないんです。そういう境遇のなかで、自分の事をずっと好きでいてくれ、気にもかけてくれるレイには、自分のみっともないところを見られていて嫌な思い出もあって、憎い部分もあるのに、彼女にしか自分を知ってもらえれない、知ってもらいたいという部分もあって。そういう感情は意識して演じたいなと思いました。
――こうしてお話を聞いていると、本当にお互いがお互いを大切にしているのが伝わってきます。かけがない存在になられたのではないかと。
水原:戦友だよね。戦ったよね? ほなみちゃん、七恵がいないと無理で、ずっとくっついていたんです。アクションって声がかかるまでずっと抱き合っているくらいの精神状態だったので、(さとうさんが)それに付き合ってくれて本当に有り難かったです。受け入れてくれて、一緒にいてくれたことが。
さとう:なんか告白されているみたい(笑)。私自身もそうで、希子ちゃん、レイがそばにいないと自分が保てないというか。本当にずーっと一緒にいたよね。
――クランクアップした瞬間は、「やりきった!」って感じでしたか?それとも寂しさもあったり。
水原:……やりきった!(笑)
さとう:私は最後のシーンの余韻がすごすぎて…。
水原:「ずっと撮ってやっていたい」みたいに言っていたよね。嘘でしょ?!って思って(笑)。それはちょっと、私はつらいな〜って思っていました(笑)。
さとう:スタッフさんも、みんな「えっ!」って言っていました(笑)。
――お2人は女優であり、水原さんはモデルやブランドのプロデューサー、さとうさんはアーティストとしても活躍しています。
さとう:写真を撮っている希子ちゃんを見ると、新作のバッグが見えてくるというか。カッコいい〜って!!
水原:やめてよ!!(笑)
さとう:でも撮影している時は、そういう感じじゃなかったよね。
水原:良い意味で、ドラムを叩いている所を想像出来ない。いつかライブに誘ってね!
――最後に、お2人の好きなNetflix作品、おすすめしたいNetflix作品を教えていただけますでしょうか。
水原:タコとおじさんのドキュメンタリー、『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』は最近観てすごく良かったです。タコがおじさんに心を許していて、海に逃げずにずっと一緒にいて。
さとう:本物のタコ?
水原:本物のタコ!すごく賢いの。ぜひ観ていただきたいです。後はNetflixオリジナル作品では無いのですが、『ル・ポールのドラァグレース』はずっと前からファンで、Netflixには全シーズンが入っていて、日本語字幕もついていて、本当にありがたいです。
さとう:Netflixには素晴らしい韓国ドラマがたくさん入っていますけど、『悪霊狩猟団:カウンターズ』もすごく面白かったです。全員激強で、敵も強くて、「アベンジャーズ」みたいなバトルが観られます。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』も秀逸なドラマで、12話で3日しか進まないけれど、人生が丁寧に描かれているので、どこにでも感情移入出来ると思います。
――ぜひ皆さんに『彼女』をご覧になった後はこの4作品もチェックしていただきたいと思います。今日は大変貴重なお話をどうもありがとうございました!
▼『彼女』
高校時代から同級生の七恵に恋をしている永澤レイと、夫から壮絶なDVを受けている篠田七恵。レイは七恵を救うために夫を殺害する。自分のために殺人まで犯したレイに疎ましさと恐ろしさを抱きつつ助けを求める七恵と、そんな彼女を救うためすべてを受け入れるレイ。互いに愛を欲しながら、絡み合わない想いをぶつけあうレイと七恵。正しいことも悪いこともも超えた彼女たちの逃避行を描く。
▼予告編
https://www.youtube.com/watch?v=-IbhYXntH34
▼水原希子さんおすすめのNetflix作品
『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』
https://www.netflix.com/title/81045007
『ル・ポールのドラァグレース』
https://www.netflix.com/title/70187741
▼さとうほなみさんおすすめのNetflix作品
『悪霊狩猟団:カウンターズ』
https://www.netflix.com/title/81323551
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』
https://www.netflix.com/title/70242311
水原希子さん ヘアメイク:白石りえ / SHIRAISHI RIE
スタイリスト:小蔵昌子 / OGURA MASAKO
さとうほなみさん ヘアメイク:野中真紀子/ NONAKA MAKIKO
スタイリスト:市野沢祐大(TEN10)/ ICHINOSAWA YUDAI(TEN10)
撮影:周二郎
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