センサーやバッテリーを集約して普通のメガネと変わらないかけ心地に 心と身体をセルフケアするメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」レビュー
ガジェット通信 / 2021年10月13日 20時0分
ジンズが2021年10月14日に発売するメガネ型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」新モデルのレビューをお届けします。
JINS MEMEは、心と身体の状態を可視化することを目的に開発されたメガネ型のウェアラブルデバイス。3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーから構成され、ユーザーの移動や頭の動き、姿勢を検出する6軸モーションセンサー、まばたきと眼球の動きを検出する3点式眼電位センサーを搭載します。心と身体の状態を可視化する機能はそのままに、新モデルでは心身の状態を把握してセルフケアに役立てる“ココロとカラダのセルフケアメガネ”という特色を打ち出しています。
2015年11月に発売された初代モデルはセンサーやバッテリー、通信モジュールをノーズパッド周りとテンプルに分散して搭載していたのに対して、新モデルはノーズパッド周りに“JINS MEME CORE”(以下コア)として集約。軽量化とかけ心地の向上、通常のメガネとそん色ないデザイン性を実現しています。
見た目は普通のメガネとほとんど変わらないデザイン。ノーズパッドのコアはフレームからわずかに突起している程度で、デザイン上の違和感はありません。
通常の使用でコアを外す必要はありませんが、ネジを外すとコアの取り外しが可能。コア自体の重量は約6gで、ウェアラブルデバイスの機能を非常にコンパクトに集約していることが分かります。
コアの充電には、付属の充電クリップを利用します。コアの電極に触れるように装着してUSBケーブルを接続すると、約3時間でフル充電が可能。連続使用で最大約24時間、ジャイロセンサー使用時は約11時間使用できます。
装着感は普通のメガネと変わりなく良好。余計な重さを感じることもなく、長時間連続使用していても疲れは感じません。
現在はiOS版が配布されているスマートフォンアプリ「JINS MEME App」を起動して、アプリの案内どおりにBluetoothでペアリングすることにより使用可能に。Android版は11月にリリースを予定しています。
アプリを起動すると、猫背になったり首が左右に傾くことがなければ「Good」の判定、首が前後や左右に傾いていると「Bad」の判定がリアルタイムに表示され、姿勢がセンシングされていることを実感します。
アプリでは「Body」「Mind」「Brain」の各項目で心身の状態を可視化します。Bodyの項目では、ユーザーの姿勢を4段階で評価。全体の時間で良い評価だった時間の割合を「Total Good Time」として表示する他、時間別の姿勢スコア、座った時間と立った時間の評価を表示します。実際にかけて半日仕事をしてみた結果、Total Good Timeは6割程度という結果に。もっと姿勢に気を付けよう……。
Mindの項目では、角膜側に正の電位を帯びた眼球の動きを検出して、視線の移動やまばたきの回数、強さ、長さから「没入度」「安定度」「バイタリティ」を評価。3項目の数値を球状のグラフィックで可視化します。心の状態がよい場合は球が大きく広がるそうなのですが、あまり大きくなりませんでした……。こちらもTotal Good Timeが表示され、今回は36%という結果に。
Brainの項目では、集中している度合いと時間を可視化。時間別の集中度、集中の程度を「ZONE」「軽集中」「集中外」に分けてそれぞれの時間を表示します。結果を確認したところ、仕事中はほとんどの時間で集中ができているようです。逆に、「この時間は集中したい」という時には、時間を決めて集中の度合いを見る「FOCUS」の機能も提供を予定しています。
「ココロとカラダのセルフケアメガネ」とある通り、心身の状態を可視化するだけでなく、ユーザー自身で心身をケアする「メンテナンス」のメニューを用意しているのが新モデルの大きな特徴。起床時や就寝時にベッドで、仕事の合間は椅子に座ったままで、リモートワーク時にリビングでと、短時間にできるストレッチや体操などのセルフケアを動画で案内してくれます。心の健康のためには、映像や音声でガイドする簡単な瞑想やリラックスする動画などを用意しています。これらのメンテナンスメニューは、1日の時間帯で何を実行するかあらかじめ設定しておく「マイルーティン」を作成することも可能。デフォルトでは「在宅ワークの1日」「PC作業が多い日」といったマイルーティンが用意されています。
姿勢が悪い状態が続いたり、座りっぱなしの状態が続くと通知で警告。時間帯に合わせたメンテナンスメニューも提案してくれるので、生活のリズムの中で自然にJINS MEMEを取り入れることができるのではないでしょうか。
筆者のスマホはAndroidなのでiPadにアプリをインストールして、PCの横で起動して使ってみました。自分の状態を横目でチェックしながら仕事すると、姿勢や緊張感を維持できて、なかなかよさそうです。
用途に応じた各種アプリケーションも用意されています。「RUN」は、ランニング時の体の歪みを測定するアプリ。「DRIVE」は運転中の眠気を測定します。「LIFELOG」は、JINS MEMEで測定した全情報を一覧で確認することができます。JINS MEMEを活用したサービスを開発するプロジェクト「JINS MEME LAB」では、ユーザーの動きをダイナミックに反映してアバターをコントロールするリアルタイムAR合成アプリ「VTUNER」、ユーザーの頭の動きやまばたきを使ってPCやスマートフォンを操作する「JINS MEME CONTROLLER」といったプロジェクトが活動を開始しています。
これらアプリには使用料がかかり、JINS MEMEの本体価格に1年間のアプリ使用料5000円分が含まれています。本体価格は1万9800円(税込)。2年目からは、月額500円もしくは年間5000円の使用料がかかり、アプリ利用開始時にプランを選択します。
フレームのバリエーションは4タイプ8色、サングラスタイプが2型4色をラインアップします。サングラスはJINSオンラインショップ限定で、ウエリントンのMatte Black、スクエアのMatte Black、オーバルのBrown Demi、ボストンのBlackはAmazonでブルーライトカットの度なしレンズ付きで販売します。Amazonでの販売価格は2万3100円(税込)。JINS店舗とオンラインショップで販売するモデルについては、メガネは度付きレンズ代込み、サングラスは度付きレンズ代別となっています。
3万9000円(税別)だった初代モデル「JINS MEME ES」と比べると手に取りやすい価格になり、メガネとしても自然に使える使い心地になったJINS MEME新モデル。より幅広い層に利用が広がることで、様々なアプリケーションの展開にも今後期待が持てそうです。気になった人はJINSの取扱店をチェックして、店頭で手に取ってみてはいかがでしょうか。
JINS MEME
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