「いい条件の会社で働けること」はマストじゃない!? エンジニアとしての「幸福度」を高めるために重要視すべき事とは
ガジェット通信 / 2022年11月2日 18時45分
デジタル・ハリウッドが運営するエンジニア・起業家養成スクール『G’s ACADEMY(ジーズアカデミー)』は、プログラミングスクールを卒業したエンジニア職を対象にしたアンケート調査『エンジニア・インサイト白書』を2022年11月2日に発表。エンジニアとしての「幸福」にフォーカスを当てた内容になっており、特に仕事としての「クリエイティビティ」を重要視している人が多いという結果になっています。
この調査は、『G’s ACADEMY』在籍・卒業生101名を対象にしたウェブアンケートと、社会人になってからプログラミングスクールで学んだことがある100名を対象に2022年10月に実施したインターネットアンケートで構成されており、後者はSierでSEやプログラマー業務に従事している人(38.0%)や会社所属で受託開発・ディレクションをしている人(43.0%)、起業している人(23.0%)、フリーランスエンジニア(18.0%)などが回答しています。
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「エンジニア幸福度」を100点満点を付けた質問に対しては、81〜100点が15%、61〜80点が31%となっており、全体の46%。平均では56.05点。「プログラミングスクールで学んで役立っていることは?」という問いには「効率的なスキル習得」(34%)、「教材や学習システム」(26%)、「仲間や支援者(投資家・メンター)との出会い」(26%)が上位となっています。ただ、エンジニアになってから投資家やメンターとの出会いがスクールに通っている間に「あればよかった」という回答が41%にのぼり、人脈構築が十分だと感じられていない人が多いことも見て取れます。
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『エンジニア・インサイト白書』では、幸福度が「0〜61点」のエンジニアと「81〜100点」のエンジニアの違いに着目。「エンジニアとしてのやりがいや楽しさ」を聞いた質問では、「クリエイティブな仕事ができているとき」が前者が34%で1位、後者が65%で2位となっていますが、「自分の思い描いたプロダクトやサービスを作っているとき」が、幸福度の高い人で68%と1位になっている一方で、幸福度が低めの人では20%の4位と差があります。
また、幸福度の高い人は「フラットでGive&Giveなエンジニアカルチャーを感じた時」が47%の5位にランクインしており、テック業界のコミュニティに参加する意義を感じている人が多いことが示唆されています。
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さらに、「エンジニアとして最も大事にしていること」という質問には、幸福度が「0〜61点」のエンジニアでは「いい条件の会社で働けること」が14%に対して、「81〜100点」のエンジニアでは6%。「自分の作りたいもの、やりたいことを実現すること」が前者は11%、後者だと34%となっており、主体的にサービスへ携われているかどうかによって充実感が変わっているようです。
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オープンソースコードの公開や勉強会などのコミュニティ活動に参加する動機に関しての質問では、幸福度が高い人の場合、「楽しいから」(52%)「人脈を作りたいから」(52%)「スキルアップをしたい」(44%)「自分が持っていないスキルやビジネス経験を持っているエンジニアに会える」(35%)「最新の技術に触れたい」(32%)などが挙げられています。
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船井総合研究所とGMOメディアの調査によると、2022年の社会人向け情報教育市場規模は103億円にのぼり、就職や転職目的でプログラミングスクールに通う人が増えている現状の中、『G’s ACADEMY』ファウンダーの児玉浩康氏は「日本国内でエンジニア不足が叫ばれだして既に10年以上経過していて、中高生のプログラミングが必修化している。そんな中で高い年収や自由な働き方はエンジニア職の魅力の一部に過ぎず、正確に表わしているとは思えないように感じていた」と今回の調査を発表した意義について語りつつ、「プログラミングスクールはキャリアエンゲージメントが低い」と問題意識を明かします。
Twitterをフィーチャーフォンで使えるアプリ『モバツイ』開発者でネットショップ作成サービスBASEでCTOを務める「えふしん」こと藤川真一氏は、「プロダクトは一人でやるには限界があるので、起業したい人は仲間を集めないといけないし、エンジニア志望の人は仲間(の輪)に入り込まないといけない。実際に(BASE)で採用をしていても友達からの紹介が多い」といい、「会社員属性でも、誰かの思い描いたプロダクトが自分事になっていることが大事」と話します。
また、プロジェクト管理ツール『Backlog』などを提供しているヌーラボの橋本正徳代表は、「幸福度が高い人は、自分で幸福度を作れて自分のやりたい事が実現できている」と指摘。自身がエンジニア向けイベントの運営に携わった経験を踏まえて「新しすぎて、良い意味で無価値なものに触れることができる」機会の重要性を強調します。
必ずしも年収や待遇が働く上での「幸福度」に繋がるとは限らないことが示唆された今回の調査。2022年11月15日には『エンジニア・インサイト白書』を題材にしたオンラインイベントを無料で開催予定となっており、特に異業種からエンジニア職への転職を検討している人は要注目です。
『エンジニア・インサイト白書』(ジーズアカデミー)
https://gsacademy.jp/column/engineer-insight-whitepaper/ [リンク]
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