アカデミー賞を席巻したあの映画も! 多くのイギリス人が観た映画とは!?ロンドンの映画館の過去15年売上ランキングTOP100!
ガジェット通信 / 2023年3月14日 7時0分
現在ロンドン在住の私は、ロンドンの東側にあるインディペンデント系映画館「Genesis Cinema」で働いています。
![](https://rensai.jp/wp-content/uploads/2023/03/A23C9998-F054-4965-BAB3-A6EC7A5D5CDC.jpg)
Genesis Cinemaはインディペンデント系映画館ながら、約40人〜500人以上収容できる大小さまざまなサイズのスクリーンが合計5つあり、大作からインディペンデント系のアート映画まで幅広く上映する映画館です。そのため客層も、コアな映画ファンからライトな層まで幅広くバランスが良い印象です。
そんな、カルチャーやファッションが栄え、多様な人種の人々が住むエリアである東ロンドンを代表するGenesis Cinemaでの、過去約15年間のチケットセールスランキング100を紹介します。
ただし、あくまで数ある映画館の中のいちインディペンデント系映画館のチケットセールスであり、ロンドンもしくはイギリス全体の興行収入を反映できているわけではないということは言及しておきたいです。
【関連記事】「コミュニティの場としての映画館」ロンドンの老舗インディペンデント系映画館のあり方
https://getnews.jp/archives/3381430 [リンク]
100位〜70位
100 ボス・ベイビー (2017)
99 バイス (2018)
98 マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー (2018)
97 アクアマン (2018)
96 ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル (2017)
95 英国王のスピーチ (2010)
94 怪盗グルーのミニオン大脱走 (2017)
93 キングスマン:ゴールデン・サークル (2017)
92 メッセージ (2016)
91 アイリッシュマン (2019)
90 グリーンブック (2018)
89 ジュラシック・ワールド/炎の王国 (2018)
88 ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 (2019)
87 ガール・オン・ザ・トレイン (2016)
86 スラムドッグ$ミリオネア (2008)
85 ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス (2014)
84 グランド・ブダペスト・ホテル (2014)
83 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 (2010)
82 オリエント急行殺人事件 (2017)
81 ドクター・ストレンジ (2016)
80 NOPE/ノープ (2022)
『キングスマン』や『ハリー・ポッター』など、イギリスが誇る映画シリーズがここでランクイン。個人的には『死の秘宝』が80位以下というのは意外でしたが、『英国王のスピーチ』など、アクション映画だけでなくイギリスのドラマ映画が入っているというところにロンドンらしさが表れているのではないでしょうか。
79位〜60位
79 ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)
78 インターステラー (2014)
77 ウルフ・オブ・ウォールストリート (2013)
76 オデッセイ (2015)
75 ファインディング・ドリー (2016)
74 シェイプ・オブ・ウォーター (2017)
73 スーサイド・スクワッド (2016)
72 ムーンライト (2016)
71 インセプション (2010)
70 ゴーン・ガール (2014)
69 LOGAN/ローガン (2017)
68 ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス (2022)
67 ジョジョ・ラビット (2019)
66 ダークナイト ライジング (2012)
65 スパイダーマン:ホームカミング (2017)
64 ベイビー・ドライバー (2017)
63 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス (2022)
62 バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 (2016)
61 アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン (2015)
60 ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション (2015)
映画ファンもたくさん来る客層の映画館ならではと思いますが、アカデミー賞などの賞レースに絡む作品もたくさん入っています。本日行われた今年のアカデミー賞をはじめ、世界で最も注目を集めたとも言える映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』も63位にランクイン。実は、アジア系で通常上映の作品でランクインしているのは後に出てくる『パラサイト 半地下の家族』とこの2つだけ。韓国映画や日本映画も人気な印象ではありますが、やはり欧米の作品ほど多くの人に観られるには、映画ファン層意外にも届くほどの話題が必要そうです。
59位〜40位
59 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 (2017)
58 ゲット・アウト (2017)
57 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ (2016)
56 T2 トレインスポッティング (2017)
55 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター (2022)
54 フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ (2021)
53 マッドマックス 怒りのデス・ロード (2015)
52 ブラック・クランズマン (2018)
51 犬ヶ島 (2018)
50 ヘイトフル・エイト (2015)
49 マイティ・ソー バトルロイヤル (2017)
48 アナと雪の女王2 (2019)
47 デッドプール2 (2018)
46 アス (2019)
45 ジュラシック・ワールド (2015)
44 スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け (2019)
43 ワンダーウーマン (2017)
42 スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (2019)
41 アリー/ スター誕生 (2018)
40 アラジン (2019)
ランキングが上位になるにつれて、ディズニー作品やマーベルなどのアメコミ映画の割合が多くなってきますが、それと同時に『T2 トレインスポッティング』などイギリスへの愛も感じる作品も見当たります。また、個人的に興味深かったのが、ウェス・アンダーソン作品の多さ。『グランド・ブダペスト・ホテル』『犬ヶ島』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ』の3作品が大作と並んでランクインしており、イギリス人のウェス・アンダーソンに対する人気が伺えます。
39位〜20位
39 インサイド・ヘッド (2015)
38 ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー (2022)
37 時代革命 (2021)
36 ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 (2016)
35 1917 命をかけた伝令 (2019)
34 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス (2017)
33 DUNE/デューン 砂の惑星 (2021)
32 パラサイト 半地下の家族 (2019)
31 レジェンド 狂気の美学 (2015)
30 デッドプール (2016)
29 レヴェナント: 蘇えりし者 (2015)
28 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 (2018)
27 007 スカイフォール (2012)
26 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (2016)
25 TENET テネット (2020)
24 スリー・ビルボード (2017)
23 女王陛下のお気に入り (2018)
22 トイ・ストーリー4 (2019)
21 ジャングル・ブック (2016)
20 キャプテン・マーベル (2019)
ここでもう一つのアジア系映画である『パラサイト 半地下の家族』がランクイン。37位の『時代革命』は香港映画。通常上映ではなく、毎年イギリスで開催される香港フィルムフェスティバルをきっかけに上映されたドキュメンタリー映画です。この映画祭自体がとても人気のため、イギリス人の歴史や政治に対する意識がカルチャーに反映されているのかと思います。
19位〜1位
19 美女と野獣 (2017)
18 ボヘミアン・ラプソディ (2018)
17 ダンケルク (2017)
16 ブレードランナー 2049 (2017)
15 THE BATMAN-ザ・バットマン- (2022)
14 ラ・ラ・ランド (2016)
13 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 (2016)
12 ライオン・キング (2019)
11 スター・ウォーズ/最後のジェダイ (2017)
10 スター・ウォーズ/フォースの覚醒 (2015)
9 007 スペクター (2015)
8 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (2019)
7 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム (2021)
6 インクレディブル・ファミリー (2018)
5 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ (2021)
4 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー (2018)
3 アベンジャーズ/エンドゲーム (2019)
2 ブラック・パンサー (2018)
1 ジョーカー (2019)
『007』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズはさすがの上位にランクイン。もちろん『アベンジャーズ』などマーベル作品はイギリスといえど不動の人気を誇りますが、個人的に驚いたのはそのマーベル作品を凌いで『ジョーカー』が1位なこと。世界的に話題になった作品ではありますが、R15作品にもかかわらず1位ということに驚きました。冒頭で挙げた通り、映画ファンとライト層のバランスの良い客層が生み出した結果かもしれません。
また、全体を通して2017年以降マーベルなどアメコミ作品が急増しています。現在進行形で働いている体感としてもアメコミ作品が上映されるとかなり忙しくなるため、イギリスでもやはり人気ということが分かります。しかしアメコミ以外となると、日本であまり話題になっていない作品もランクインしていたり、イギリス発のシリーズ作品が人気だったりと、ロンドンのいち映画館ではありますがイギリス人の好みが見えてくるような気がします。日本の映画館だと恐らくもっとアニメ作品がランクインしてくるかと思いますので、そんな日本の傾向と比較してみてみるのも面白いかと思います。
(執筆者: waiwai)
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