藤竜也インタビュー「仕事は人生の光だよね」シニアの青春スポ根人情コメディ映画『それいけ!ゲートボールさくら組』
ガジェット通信 / 2023年5月12日 18時30分
“青春“が若者だけの特権だったのは一昔前の話。今や人生 100 年時代。打ち込むことがあれば、叶えたいことがあれば、いつだって青春を生きることができる! 令和の時代に誕生する、シニアが奮闘するスポ根人情コメディ『それいけ!ゲートボールさくら組』が絶賛公開中です。
主演を務めるのはスクリーンデビューから 60 年、『愛のコリーダ』(1976)や『龍三と七人の子分たち』(2015)、そして今年は本作に続き8月 18 日(金) 公開の『高野豆腐店の春』と 2 本の主演作が公開するなど昭和から令和の現在まで活躍し続け、様々な主演作や代表作を排出してきた日本を代表 する名優・藤竜也さん。80歳に入っての初の主演映画となります。
藤さんご自身に映画の魅力や、ご自身のライフスタイルについてなど、お話を伺いました!
――本作、大変楽しく拝見させていただきました。ゲートボールをとおして生まれる青春が描かれていますが、何歳になっても青春って素敵だなあと感じました。ゲートボールって熱いスポーツなんですね。
結構難しいんですよ。やったことがないから、ゲートに球を通すのもなかなか出来なくて。最初にお話をいただいた時は監督が「CGを使うから」と言ってたんで、てっきり誤魔化してくれるのかと思っていたら、現場でちゃんとやってくれてって言われて(笑)。それもだんだん高度になっていって、「10mくらい先にあるゲートにちゃんと入れてくれ」という話になるんです。CGでうまくやるっていう話はどこに行ったんだと思いました(笑)。
――10m先に通すというのは、かなり大変そうですね(笑)。でも皆さん本当に見事な球さばきをされていました。撮影の雰囲気はいかがでしたか?
やっぱり楽しかったですね。撮影場所が遠い場所で、皆自分の車で来るから「今日も遠いね〜」なんて文句を言いながらも(笑)。コロナ禍でお話をいただいて。僕自身もコロナに罹患しないよう気をつけて生活していて、「飯食いに行きましょう」なんて話もなくなったりして、寂しい思いをしていたので。そんなときに、勢いのある楽しそうな本(本作の脚本)が来たんで、これはやらせてもらいたいなと思いました。
――クスッと笑えるシーンも多かったです。
そう言ってもらえて良かった。自分が出ていると、「これが面白いのかな?」と分からなくなることもあるけれど、監督が本当に面白い人なんで、コメディのシーンも全力でやらせてもらいました。
――何歳になっても仲間と共に何かを成し遂げるということは、本当に尊いことだなあと。
主人公たちには色々なことが起こるけれど、ずっと希望を持っていますよね。希望を持つというのは人間の美徳でさ。アリンコやタヌキはたぶん希望という言葉は知らないんじゃないかな。そこはやっぱり人間に生まれた良さだから。どんなときも希望を持ちたいなと思うよね。
――藤さんは日本映画界、ドラマ界においてレジェンドともいえる存在です。本当に色々な作品に出演されていますが、出演作品選びの決め手や軸などはおありなのでしょうか?
仕事というのは、お腹を空かせるから良いんだな、と思います。あんまりにも仕事をしていないとさ、最終的に自分が何者なんだかわかんなくなってくるでしょ。何もしていないと周りも「次のお仕事は……?」と聞けなくなってくる (笑)。それが、お腹が空いた状態。「早く仕事がしたい、演じたい」という欲でいっぱいになる。その頃、仕事の話が来ると、「行くぞ!」という感じになる。そのくらいがいいんです。
――その渇望感がより良い演技を生み出すといいましょうか。
演技なんてしょっちゅうやっていたら飽きちゃう(笑)。たまにやるから面白いんです。とは言え、映画会社に所属していた頃は仕事を断るなんてできません。ありがたく頂戴して何でもやらせていただいて。それが僕のエチュードとしてものすごく良かったんですよ。でも日活を辞めたときに、「俺はもうフリーになったんだから、これからは自分のやり方でやろう」思いましてね。そしたら結局は、1年の半分ぐらいは働いて、もう半分は好きなことをやるという働き方になりました。
――素晴らしいお考えですね。
とはいえ、人生なんていうのは長いようで本当に短いですからね。僕もね、仕事がないときは1日があっという間に暮れちゃうんですよ。だけど、たとえば1ヶ月映画の撮影に入ると「この30日間がいつ終わるんだろう?」と思うくらいに時間を長く感じる。それが、楽しくもあり冒険だよね。 ゲーテは最期に「もっと光を!」と言ったそうだけれど、人生は、何もしてないとあっという間に暮れになっちゃう。「光」というのは良いもんだなと思いますよ。
――先ほど、一年の半分は好きなことをしているとおっしゃっていましたが、今はどんなことをしているのですか?
昔は旅に行ったり、サーフィンをしたり、トレーニングしたりしていたけれど、今は体を動かすのはウォーキングと公園で鉄棒にぶら下がって懸垂をやってみたり、ベンチを使ってちょっと腕立てをするくらい。料理は趣味と言っていいくらい好きだね。煮物とか、普通の家庭料理くらいしか作らないけど。最近はベーコンをつくるのにハマっていて、燻製器を買いました。今日この取材が終わったら、初めて燻製器を使ってみようと思っているところです(笑)。あとは低温調理にも興味があるなあ。
――とても本格的なお料理をされていて、とても素敵です…!今日は楽しいお話をどうもありがとうございました。
『それいけ!ゲートボールさくら組』https://gateball-movie.jp/
絶賛公開中
出演:藤⻯也
石倉三郎 大門正明 森次晃嗣 小倉一郎
田中美里 本田望結 木村理恵 / 赤木悠真 川俣しのぶ 中村綾 直江喜一
特別出演:毒蝮三太夫 友情出演:三遊亭円楽 / 山口果林
監督・脚本・編集:野田孝則
配給:東京テアトル
©2023「それいけ!ゲートボールさくら組」製作委員会
<ストーリー>
かつて高校ラグビーで青春を謳歌したジーサンたちが、60年ぶりに集結!マネージャーだったサクラが運営するデイサービス“桜ハウス”が倒産危機と知り一念発起!
衰えなんてなんのその、友情復活!青春復活!体力復活?今の自分達ができることで手助けしようと、試行錯誤の末にたどりついたのは・・・ゲートボール大会に出場して優勝を目指すことだった!けれど、ジーサンたちの前に悪徳ゼネコン企業の陰謀が渦巻き、あっちもこっちもピンチの大連続!固いチームワークで困難を乗り越え、桜ハウスを救うことはできるのか?笑いあり、希望あり、感動ありのスポコン人情コメディが、きっと日本の未来を明るく照らす!
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