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「Google Pixel Fold」レビュー “開いたらタブレット”の操作感を実現した折りたたみスマートフォン

ガジェット通信 / 2023年6月29日 20時0分

6月20日から予約受付を開始し、7月下旬に発売を予定しているGoogleの折りたたみスマートフォン「Pixel Fold」のレビューをお届けします。大画面向けに最適化されたAndroid 13をOSに搭載し、閉じた状態では通常のスマートフォン、開いた状態では6月に発売されたタブレット「Pixel Tablet」と同様の操作感で使えるのが大きな特徴です。

閉じたらスマホ、開いたらタブレット

閉じた状態で利用するカバーディスプレイは5.8インチ(2092×1080)のOLEDで、リフレッシュレートは最大120Hz。背面のカメラバーは4800万画素広角、1080万画素超広角、光学5倍ズームの1080万画素望遠の3眼構成で、カバーディスプレイには950万画素のインカメラを搭載します。閉じた状態ではH139.7×W79.5×D12.1mmで、幅は若干広めですが片手で問題なく操作できるサイズ感。マットな背面はサラサラな質感で、指紋がつきにくく高級感のある仕上がりです。

閉じた状態では厚みを感じますが、開くとH139.7×W158.7×D5.8mmのサイズになり、一転してかなり薄い印象に。厚さ8.1mmのPixel Tabletより薄型のタブレットになります。開いた側の画面、インナーディスプレイのサイズは7.6インチ(2208×1840)のOLEDで、リフレッシュレートは最大120Hz。流体摩擦ヒンジは180°までの任意の角度でホールドでき、角度をつけて机の上に置いてもグラつくことはありません。このヒンジにより、後述する“テントモード”や“テーブルトップモード”といったユニークな使い方が実現します。

インナーディスプレイ右側上部ベゼルにも、800万画素のインカメラを搭載。閉じた状態でも開いた状態でも、インカメラによる顔認証に対応します。右側インナーディスプレイ側面には、指紋認証センサー付きの電源ボタンと音量キーを搭載。右側インナーディスプレイ底面にUSB Type-C 3.2 Gen 2ポート、左側インナーディスプレイ底面にSIMスロットを搭載します。USB-Cポートは他のPixelスマートフォン同様、DP Altの映像出力には対応していません。

スマートフォン「Pixel 7」シリーズと同じ独自開発のシステムオンチップ(SoC)「Google Tensor G2」とセキュリティチップ「Titan M2」を搭載。RAMは12GBでストレージ容量は256GB。4821mAhのバッテリーを搭載し、ワイヤレス充電に対応します。ワイヤレス充電器「Pixel Stand」では7.5Wの充電が可能。

大画面でタブレットと同様の操作感

開いた状態のユーザーインタフェースは、ほぼPixel Tabletと同様のもの。分割画面でのマルチタスクに対応します。アプリアイコンを長押しすると「分割画面」のサブメニューが表示されるので、アプリの実行中に別のアプリを起動して分割画面に並べたり、順番に分割画面で起動して並べることができます。

閉じた状態では現れないタスクバーが利用可能。画面の下から引き出すようにスワイプして表示でき、アプリ一覧をオーバーレイで表示したり、タスクバー上に表示されるアプリをドラッグ&ドロップすることで簡単に分割画面で表示できます。画面間のドラッグ&ドロップにも対応。

ChromeブラウザはPCのようにタブが利用でき、「新しいウィンドウ」メニューをタップすると、画面分割で新しいウィンドウを開きます。

Googleによると、Google製アプリだけでなくサードパーティー製アプリを含む80以上のアプリが折りたたみスマホ向けに最適化されています。閉じた状態でアプリを起動し、そのまま開くと大画面に最適化された表示に自動で切り替わるのが特徴。Chromeや「YouTube」「Googleマップ」「天気」といったGoogle製アプリや、「TikTok」「Word」「Excel」「キャンディークラッシュソーダ」といったサードパーティー製アプリが対応していることが確認できました。

タブレットと同様に使えるということでオススメしたいのがゲーム。大画面に最適化されたゲームアプリの「Asphalt 9: Legends」では、タブレットと同様に本体を傾けるステアリング操作でプレイできる他、同じく最適化された「Xbox Game Pass」アプリから利用できるクラウドゲーミング「Xbox Cloud Gaming」では、タッチ操作に対応した「Vampire Survivors」が、両手持ちにちょうどいいサイズと操作感で遊べます。

形態変化で様々な使い方を実現

続いて、任意の角度でホールドできる流体摩擦ヒンジが実現するユニークな使い方を見ていきましょう。

カバーディスプレイを横向きにして立てる“テントモード”は、動画の視聴に最適。机の上に置いて、見やすい角度に調整して全画面で動画が楽しめます。

カバーディスプレイを下にして、ノートPCのように開いた形態が“テーブルトップモード”。

この状態でカメラを起動すると、開いた状態では全画面でプレビューを表示して画面上のボタンで撮影するのに対して、上側にプレビュー画面、下側に操作画面と分かれたユーザーインタフェースに変化します。

例えばセルフタイマーで集合写真を撮る際、三脚がなくてもベンチなどに置いて撮影できるのが便利。レンズを空に向けて固定することもできるので、夜景モードで天体写真を撮影するモードにも活用できます。

ちなみに、メインカメラは広角も超広角も解像感が良く、望遠カメラを用いた最大20倍の撮影も強力。超解像ズームにも用いられているAIを活用したPixel独自の撮影機能、「消しゴムマジック」やボケ補正ももちろん利用できます。

「Meet」のビデオ会議をテーブルトップモードで実施すると、操作ボタンや絵文字のリアクションが下画面に集約され、テーブルトップモードに最適化されていることが分かります。8月にはYouTubeでもテーブルトップモードへの最適化が予定されているとのこと。

自撮り撮影でも、Pixel Foldならではの撮影スタイルを実現しています。開いた状態でカメラを起動し、インナーディスプレイに表示されるシャッターボタンの下にある画面切り替えボタンをタップすると、メインカメラによる高画質な自撮りが可能に。隣り合ったカバーディスプレイでプレビューを見ながら撮影することができます。

2023年後半に予定しているAndroid 14のリリースのタイミングでは、インナーディスプレイとカバーディスプレイの両方を使うデュアルスクリーンのアプリが登場予定。例えば「通訳モード」として、インナーディスプレイとカバーディスプレイで異なる言語を表示しながら、対面で会話を可能にします。

発売前に試用していることから、今後アップデートされたり追加される機能もありますが、現時点で十分魅力的、かつ今後の進化にも期待が持てそうなPixel Fold。Googleストアでの販売価格は25万3000円となかなか高価ですが、ソフトバンク、au、ドコモと3キャリアで取り扱い、分割払いや各種割引を利用できるのは魅力。事前に調査して購入を検討してみるのはいかがでしょうか。

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