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Googleの新スマホ「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」レビュー 基本性能がアップした無印と大画面上位モデルをじっくり比較

ガジェット通信 / 2024年8月23日 17時0分

Googleが8月22日に発売したPixelスマートフォン新製品「Pixel 9」と「Pixel 9 Pro XL」のレビューをお届けします。2製品はPixel 8シリーズ同様、コンパクトな無印モデルと大画面の上位モデルという位置づけ。Pixel 9シリーズはさらに、コンパクトな上位モデル「Pixel 9 Pro」と折りたたみスマートフォン「Pixel 9 Pro Fold」をラインアップし、9月4日に発売を予定しています。

フラットデザインでカメラバーをリニューアル

まず、2製品のデザイン上のアップデートを確認していきましょう。Pixel 8シリーズは背面のエッジや側面のフレームがラウンド形状で全体に丸みを帯びたデザインだったのに対して、Pixel 9シリーズはフラットな板状デザインにリニューアル。

カメラバーのデザインは大幅にリニューアルしています。従来の帯状のデザインから、楕円形の板状デザインに変更。Pixel 9はフレームがマット仕上げで背面ガラスは光沢仕上げ、Pixel 9 Pro XLはフレームが光沢仕上げで背面ガラスはサラっとしたマット仕上げになっています。四隅はいずれも角を丸めた優しい印象のデザインで、Pixel 9はフレームと背面のエッジが丸く、Pixel 9 Pro XLは少しエッジが立った仕上げに。

フラットな板状になったことでフレームに指がかかりやすくなり、ホールド感が向上した印象です。

Google純正のケースはカメラバーをしっかり守りながら側面と背面をすっぽり覆うデザイン。素材はいずれもマットなシリコン素材なので、どの機種もサイズ以外の見た目は同じになります。

広角・超広角カメラはPro同等 満足度高めなPixel 9

Pixel 9の本体サイズはH152.8×W72.0×D8.5mm、重量は198g。本体カラーはObsidian、Porcelain、Wintergreen、Peonyの4色です。6.3インチ 2424×1080 OLEDのActuaディスプレイは前モデルと比べて35%明るくなり、狭ベゼルの大画面を実現。ガラスにはCorning Gorilla Glass Victus 2を採用しています。

Tensor G4チップを搭載し、OSはAndroid 14。7年間のOS、セキュリティー、Pixelアップデートを保証します。RAMは前モデルの8GBから12GBに強化し、ストレージ容量は128GBと256GB。バッテリー容量は4700mAhで、前モデルと比べて約20%、バッテリーを長寿命化。エクストリームバッテリーセーバーを使うことで100時間のバッテリー寿命を実現します。最大27Wの急速充電により、約30分で最大55%の充電に対応します。ワイヤレス充電は最大15Wに対応。IP68に準拠した防水防塵に対応します。

カメラの強化に注目。f/1.68で視野角82°の5000万画素広角とf/1.7で視野角123°、マクロフォーカス対応の4800万画素超広角の2眼カメラを搭載し、これらはPixel 9 Proと同等のスペックとなっています。超広角カメラはPixel 8の1200万画素から大幅に強化されました。0.5倍、1倍、2倍レンズ相当の光学品質での撮影、超解像ズームで最大8倍の撮影に対応。インカメラはf/2.2で視野角95°の1050万画素カメラで、新たにオートフォーカス機能を搭載します。

Pixel 9と9 Pro、9 Pro XL共通の機能強化は、指紋認証センサーのアップデート。従来の光学式センサーから超音波センサーに変更され、指紋の認識が速く、正確になりました。インカメラによる顔認証にも対応します。

Pixel 8シリーズではシステムアップデートで対応した、USB Type-CポートからのDP Alt(Display Port Alternate mode)出力に最初から対応。スマホ画面に表示した映画、テレビ番組、スライドなどを外部ディスプレイの大画面にミラーリングできます。外部ディスプレイに接続すると「外部ディスプレイにミラーリングしますか?」と聞かれるので、「ディスプレイをミラーリングする」をタップして画面の出力が可能に。もちろん、ARグラスにも画面を出力できます。

後述するAIを活用した写真の撮影・編集機能やGeminiと連携するAI機能の多くが利用でき、カメラを含む基本性能が強化されたPixel 9。無印でも十分、魅力を感じるという人もいるのではないでしょうか。Googleストアでの販売価格は、128GBモデルが12万8900円(税込)、256GBモデルが14万3900円(税込)です。

大画面ハイエンドならPixel 9 Pro XL

Pixel 9 Pro XLの本体サイズはH162.8×W76.6×D8.5mm、重量は221g。本体カラーはObsidian、Porcelain、Hazel、Rose Quartzの4色。6.8インチ 2992×1344 OLEDのSuper Actuaディスプレイは前モデルと比べて15%明るくなり、狭ベゼルの大画面を実現。ガラスにはCorning Gorilla Glass Victus 2を採用しています。

Tensor G4チップを搭載し、OSはAndroid 14。7年間のOS、セキュリティー、Pixelアップデートを保証します。RAMは前モデルの12GBから16GBに強化し、ストレージ容量は128GB、256GB、512GB。バッテリー容量は5060mAh。最大37Wの急速充電により、約30分で最大70%の充電に対応します。ワイヤレス充電は最大23Wに対応。IP68に準拠した防水防塵に対応します。

f/1.68で視野角82°の5000万画素広角とf/1.7で視野角123°、f/1.7でマクロフォーカス対応の4800万画素超広角、4800万画素で視野角22°、f/2.8で光学5倍ズーム、超解像ズームで最大30倍の撮影に対応する望遠の3眼カメラを搭載。これにより、0.5倍、1倍、2倍、5倍、10倍レンズ相当の光学品質での撮影を実現します。インカメラはf/2.2で視野角103°の4200万画素カメラで、オートフォーカス機能を搭載。

超音波指紋センサーを搭載し、顔認証にも対応。USB-CポートはDP Altに対応します。

Pixel 8 Proから搭載された温度計も搭載しています。カメラ横の温度センサーを対象に向けて、測定時に「食べ物」「液体」「調理器具」の中からカテゴリーを選択することで高精度に温度の測定が可能。

後述するAIを活用した撮影・編集機能のうち、「ズーム画質向上」と「動画ブースト」はProシリーズのみの機能となっています。大画面とカメラ機能全部入りのモデルに魅力を感じるなら、Pixel 9 Pro XLを選ぶべきでしょう。Googleストアでの販売価格は、128GBモデルが17万7900円(税込)、256GBモデルが19万2900円(税込)、512GBモデルが21万2900円(税込)です。

カメラの基本性能をチェック

カメラの作例は例によって、浅草の街の風景を撮影してみました。Pixel 8シリーズの作例と見比べてみたい方は、昨年の記事をご覧ください。

昨年の記事はこちら:

「Google Pixel 8/8 Pro」レビュー カメラの強化とAIによる写真・動画編集機能に驚くAndroidスマホの新スタンダード

https://getnews.jp/archives/3450625

■Pixel 9 Pro XLの望遠&ズーム作例

望遠と超解像ズームの性能を、浅草寺の五重塔で検証。Pixel 9 Pro XLは、広角カメラで1倍、カメラアプリのシャッターボタン近くにある「2」の倍率をタップして広角の2倍ズーム、「5」をタップして光学5倍の望遠カメラでの撮影に切り替わります。広角、望遠のいずれも、屋根の造形のディテールや頂上の「相輪」と呼ばれる構造がシャープに写る安定の画質。塗装の赤と白のコントラスト、空の青、相輪の金の発色が鮮やかに残されています。

望遠カメラの撮影では、ピンチ操作で最大30倍の超解像ズームに。AIが複数枚の写真を合成して、より高い解像感をもたらします。先端の宝珠の形状、その下の炎を模した「水煙」と呼ばれる装飾がくっきりと収められています。広角と望遠に関しては、Pixel 8 Proのカメラ性能と同等と言ってよいでしょう。

■Pixel 9 の望遠&ズーム作例

Pixel 9では、広角カメラで1倍から「2」の倍率をタップして2倍ズームに切り替わり、超解像ズームで最大8倍の撮影に対応。こちらもシャープな画質で美しい発色が確認できました。8倍では輪郭の鈍りや色潰れが多少あるものの、相輪や水煙の構造がしっかり確認できる仕上がりです。

■Pixel 9 Pro XLの超広角作例

■Pixel 9の超広角作例

浅草寺の宝蔵門を超広角で撮影した、Pixel 9 Pro XLとPixel 9の作例を比較してみましょう。Pixel 9シリーズでは広角だけでなく、超広角カメラも同じものを搭載したことにより、超広角の撮影で性能差はなくなりました。いずれも色鮮やかで建物のディテールは高い解像感を保ったまま、周辺部に歪みの少ない開放感のある構図で収められています。

■夜景の作例比較

同じ場所で夜景モードにより撮影。広角・超広角ともに2機種の差はなく、高い解像感で暗い場所は暗く、明るい場所は明るいコントラストのある絵づくりを実現しています。

インカメラの作例比較

インカメラはPixel 9 Pro XLが4200万画素、Pixel 9が1050万画素と違いはあるのですが、画質にあまり大きな差は感じません。オートフォーカスにより、人物にしっかりピントが合った写真が撮りやすくなりました。Pixel 9 Pro XLは視野角103°、Pixel 9は視野角95°と、同じ構図で収まる画角が異なります。

AIを活用した撮影・編集機能がさらに充実

AIを活用した撮影機能、「編集マジック」「消しゴムマジック」に代表されるAI編集機能はさらに充実。カメラのハードウェア性能向上を上回る進化を遂げています。

Pixel 9で目玉となる撮影機能が「一緒に写る」。先に撮影した写真に後から撮影した写真を合成する機能で、三脚がなくても交代で撮影することにより一緒に写った写真として合成ができます。2枚目の撮影の際、1枚目に写った人物をリアルタイムに合成しながら同じ構図になるように撮影するのですが、構図が少しでもずれると画面内のフレームが赤くなり、シャッターが切れません。フレームの判定がなかなかシビアなので、使いこなすのは少し慣れが必要そう。インカメラは使えなかったり、3枚以上で合成ができないなど制約はありますが、Pixel 9シリーズを代表するユニークな機能と言えるでしょう。

AIによる写真編集機能の編集マジックでは、撮影後に人物を中心に自動でフレーミングしなおす「オートフレーム」の機能が追加されました。自撮りで撮影して、「もう少し引きで撮って背景も入れたかったな」と思うときなどに便利。人物を中心にして、AIが背景を“描き足して”くれるのです。実際には存在しないビルを描き足してくれるなど、最新の生成AIの実力を感じさせる機能です。

さらに編集マジックで追加された「イマジネーション」は、撮影後の写真に簡単な英語プロンプトを入力して背景などを変更してくれる機能。日中の風景写真も、空を選んで「starry night」とプロンプトを入力すれば一面の星空に早変わり。今のところ日本語入力に対応していないのが残念ですが、効果的なプロンプトを探して使いこなす楽しさはありそうです。

パノラマ撮影の機能がアップデート。画面上に表示されるマーカーをとらえるようにカメラを動かして360°のパノラマ撮影ができるユーザーインタフェースを採用し、低照度でも明るく撮影できるようになりました。

Pixel 9 Proシリーズで利用できる「ズーム画質向上」は、Googleフォトから「編集」→「ツール」を選んで実行可能。ピンチズームした画像を補正して高精細に仕上げてくれます。補正後の画像をピンチズームすると、粗かった画像が滑らかに補正されていることが分かります。

「動画ブースト」もPixel 9 Proシリーズで利用できる機能。動画を高精細かつ色鮮やかに補正して、最大8Kにアップスケーリングできる他、夜景の動画を美しく仕上げてくれます。

さらに、Pixel 9 Proシリーズのみのカメラ機能として、シャドウ、ホワイトバランス、フォーカス、シャッタースピード、ISOをマニュアルで設定できる「プロ設定」で撮影が可能。ホワイトバランスで色温度を変えたり、シャッタースピードを遅くしたり、フォーカス部分をクローズアップで確認したりといったクリエイティブな撮影が楽しめます。

動画の編集機能としては、「音声消しゴムマジック」がパワーアップ。動画の中の音声を解析して「音楽」「声」「ノイズ」など種類別に音を消せるだけでなく、声だけど大きくする音量アップにも新たに対応しました。

進化したGeminiの日本語対応に期待

Pixel 9シリーズが搭載するTensor G4は最先端のAIモデル実行に最適化されていて、スマートフォン上でテキスト、画像、音声を理解するマルチモダリティを備えたGemini Nanoを実行する初のプロセッサー。電源ボタン長押しによりGeminiを起動して、マルチモーダルなAIアシスタントとして利用できます。音声やテキストチャットでGeminiと対話できる機能「Gemini ライブチャット」は、今のところ英語のみ対応。Gemini Advancedが利用できる「Google One AIプレミアム」のサブスクリプションに加入して、言語を英語に設定する必要があります。

カメラで撮影した画像を入力に利用する実験として、レゴのミニフィギュアで持っていた「新たなる希望」版と「ジェダイの帰還」版のルーク・スカイウォーカーを一緒に撮影して「左と右の違いは何?」と聞いてみました。すると、このフィギュアがレゴのミニフィギュアで、「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカーであることを認識。さらに、衣装とライトセーバーの色の違いから異なる時代のものであることを示し、「若い頃のルーク」「経験を積んだルーク」と分類、独自の分析をした結果を返してくれました。こりゃスゲえ……。明らかに画像検索とは異なり、集めた情報から分析・推論できることを示しています。Gemini ライブチャットが日本語に対応したら、おしゃべりするのが楽しそうですよね。今後の日本語化を期待して待ちたいところです。

ガジェット通信LIVEで実機を紹介

本日、8月23日20時から配信する「ガジェット通信LIVE」では、Pixel 9とPixel 9 Pro XL、そして発売前にサンプルが到着したばかりのPixel 9実機を触りながら、注目機能を紹介していきます。アーカイブもご覧いただけるので是非!

Google「Pixel 9」シリーズ実機レビュー / ガジェット通信LIVE #167(YouTube)

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