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『LEGO ホライゾン アドベンチャー』レビュー:”陽キャ”のアーロイはもちろん、兵士ヴァールや長老ティルサもプレイアブル

ガジェット通信 / 2024年12月19日 10時0分

PlayStation5・Nintendo Switch・Steamにて現在発売中のアクションアドベンチャーゲーム『LEGO ホライゾン アドベンチャー』は2017年にPlayStation4向けに発売した『Horizon Zero Dawn』をベースに、アクションや世界観・物語をLEGO(レゴブロック)で作り変えたタイトルだ。

今回SIEよりPlayStation5版の商品コードの提供を受け、本作の魅力をレポートしていく。

物語の導入部分からLEGO人形のノラ族が、LEGOで作られたビビッドカラーな自然の中で狩りをしたり、巨大な機械に襲われたりといった映像が流れるが、何やらわちゃわちゃと楽しげだ。機械たちもLEGOで組まれた姿で可愛らしく、原作の恐ろしさや、幻想的でどこか物悲しい雰囲気を良い意味で考えさせないようにしている。

そして本作の主人公となるアーロイも、原作の『Horizon』とはまるで違う。見た目が人形というだけではない。赤ん坊のころから”的当て”が得意で、大人になると感情豊かに喋りまくって歌まで歌ってしまう、いわゆる”陽キャ”になっている。育ての親のロストもただサンドイッチが大好きな気のいいおじさんと化し、厳しさのようなものは一切感じさせない。

▲ロスト(左)とアーロイ(右)。めちゃめちゃアットホームな雰囲気を感じる

ゲームがスタートすると、最初はチュートリアルとしてノラ族の暮らす村である「母の源」までの道を進んでいく。それもロストと二人、ピクニックにでも向かうような感覚だ。おいおい、お前たちは”異端者”として村から遠ざけられてたんじゃなかったのかと思うが、その辺の細かい事情もサクッと流されているのはある意味平和で安心する。

村に着くと、いきなり謎のカルトがノラ族を檻に入れて連れ去っていく現場に出くわす。長老であるティルサまでも捕まっているが、檻の中から杖でカルトの連中をポコポコ殴るなど奔放さが垣間見える。ここでも原作の殺伐とした空気は一切ない。

やがて、荒らされた「母の源」を拠点とし、さらわれたノラ族を救って村を復興していく冒険が始まる。つまりはオープンワールドではなく、「モンスターハンター」シリーズに近いクエストのような形式で冒険が進行していくことになる。

▲捕らえられたノラ族を救え!……って、他所のLEGOシリーズのキャラも混じってない?

冒険では、いたるところに「スタッド」と呼ばれるのパーツが転がり、拾い集めればゲーム内の通貨として使用できる。スタッドは道の途中にある障害物を壊しても手に入るし、また脇道に置かれている宝箱からも大量に入手できる。ついついスタッドを求めてステージの隅々まで探索したくなるワクワク感は、LEGOシリーズならではだ。

▲宝箱発見!……誰が置いたんだろう?

また、高い崖には登れるようなステップが丁寧に設置されているが、高所から誤って落下してもダメージはない。それどころか崖から奈落の底へと落ちても、アーロイは「今のはなし」「誰も見てない」と言いながらノーダメージで元の場所へ復帰してくるので、安心して探索に集中できる。そしてお得なことに、矢は何回撃ってもなくならないので、タルなど壊せるものならなんでも壊し放題だ。

さらに、ステージ中ではレア武器やガジェットが手に入ることも。矢を扇状範囲で一度に5本飛ばせる「スプレッドボウ」や、火矢を放てる「フレイムボウ」などのレア武器がある一方、ガジェットには炎を噴き出して2段ジャンプできるようになる「ブラストブーツ」や、正面方向に大打撃を与えられる「ブロック外し」など個性豊か。ホットドッグマンとカートが現れて爆弾ホットドッグを周囲にばらまく「ホットドッグカート」なるガジェットも出てくるのも面白い。

▲ホットドッグカートでホットドッグマンを呼び出せ!……ところで「ホットドッグマン」って誰?

こうした原作とは違うパロディを押し出す面も随所に見られて楽しめる一方で、肝心な部分ではしっかり原作をリスペクトし、再現している。襲ってくる機械たちは原作の動きをちゃんと踏襲しており、真正面へタックルしてくるブロードヘッド、2本の角で攻撃してくるグレイザーなど、原作を知っていれば彼らがどんな攻撃を仕掛けてくるかもある程度予想がつく。

そして原作と同様に「フォーカス」という装置を使えば、敵の弱点を光らせることができる。うまく当てると一撃でガッと敵のHPを削れるので爽快だ。

▲フォーカスを使うと、敵の弱点がわかりやすくなる

また、ゲームを進めれば義勇団の兵士であるヴァールやノラ族の長老ティルサなどが仲間となって一緒に冒険することも。しかもプレイアブルキャラクターとなっており、ヴァールは槍で戦える一方、ティルサは卵や鶏などを投げるとそれがなぜか爆弾となって周囲に衝撃を与える。なかなか危険なおばあちゃんだ。

▲手に持ったカゴから、ニンジンやら卵やらを投げるティルサ。実はぜんぶ爆弾だ

LEGOと『Horizon』の意外過ぎる組み合わせとなった『LEGO ホライゾン アドベンチャー』。ストーリーもサクサク進むのでゲームとしてもとっつき易く、ライトゲーマーでも楽しめる一方、ちゃんと『Horizon』の原作プレイヤーが笑ってしまう要素や、原作を思い出しながらプレイできる要素もたっぷりだ。

先に本作をクリアしてから原作の『Horizon』に触れてみるという楽しみ方もできるし、元々の『Horizon』ファンなら、この『LEGO ホライゾン アドベンチャー』をプレイすることで、再び原作に触れてみる良い機会にもなるはず。まずは本作で、LEGO人形姿のアーロイ達と共に新たな冒険へ繰り出してみては。

(文/平原学)

(C)2024 Sony Interactive Entertainment Europe. Horizon Adventures is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC. LEGO, the LEGO logo and the Minifigure are trademarks and/or copyrights of the LEGO Group. (C)2024 The LEGO Group.

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