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ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレットの全貌を紹介する日本初の展覧会 世界遺産の街ヴェネツィアを旅するように巡る「カナレットとヴェネツィアの輝き」

ガジェット通信 / 2024年12月28日 11時15分

ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会「カナレットとヴェネツィアの輝き」。スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点で構成しています。

■カナレット(本名 ジョヴァンニ・アントニオ・カナル / 1697-1768)

Canaletto (Giovanni Antonio Canal / 1697-1768)

1697年、ヴェネツィア生まれ。生地ヴェネツィアの陽光きらめく都市景観を鮮やかに描き出した景観画「ヴェドゥータ」で名を馳せ、英国のパトロンに恵まれて英国人グランド・ツアー客に競って求められた。1746年からは英国に長期滞在し、現地の景観も描く。1768年、ヴェネツィアで没。

■ヴェドゥータ(景観画)とは

透視図法を用い、主として都市の景観を精密に描いた絵画。名所旧跡を正確に描き出したヴェドゥータは、旅の記念品として、グランド・ツアーでやってきた英国人貴族をはじめとする外国人旅行者に人気を博し、ヴェネツィアやローマで18世紀に発展した。

■グランド・ツアーとは

貴族の子弟が教育の仕上げとして数か月から数年をかけ、文化の中心地を巡った周遊旅行のこと。

18世紀のイタリアでカナレットが確立した「ヴェドゥータ(景観画)」。本展はカナレットの画業を日本で初めて紹介するとともに、ヴェドゥータ成立の歴史とカナレット以後の展開を本格的に取り上げる日本初の展覧会に。下記サン・マルコ広場、一度は見たという方も多いはず。

カナレット 《サン・マルコ広場》

制作年:1732-1733年頃

所蔵元:東京富士美術館

©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

カナレットによるヴェドゥータは、上記の「グランド・ツアー」でイタリアを訪れた英国の上流階級が、旅の記念としてこぞって求めたいわば「名所絵」。精密な透視図法を用いて緻密に描かれた街並み、晴朗な空や輝く水面、そして共和国時代の栄華をしのばせる祝祭の光景など、カナレットが残した数々のヴェドゥータを通じて、現在も変わらぬ姿をとどめる世界遺産の街・ヴェネツィアを、あたかも体感するように鑑賞できます。

こちらはカナレットも使用したという「カメラ・オブスキュラ」の原理を再現した模型。実際に鑑賞できます。このほか、スコットランド国立美術館をはじめとする英国内のコレクションに日本国内作品を加えた、総数約60点が集結する本展を通じて、絵画に描かれるヴェネツィアの姿の変遷を、20世紀初頭のクロード・モネに至るまでたどります。

図録のほか、音声ガイドは声優、ナレーター、俳優の浪川大輔さんが担当。浪川さんが、ときにグランド・ツアーでヴェネツィアを訪れた当時の人物に扮して、カナレットの作品の見どころ、ヴェネツィアの街の魅力を、いきいきとご案内。18世紀イタリアの音楽とともに楽しめます。

カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じて、18世紀の景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承し、ヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品もあわせて紹介する本展。12月28日(土)まで。

■公式サイト:https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2023/canaletto/

(執筆者: ときたたかし)

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