【コンデジレビュー】初代をしのぐ高性能『PowerShot G1 X Mark II』
ガジェット通信 / 2014年5月9日 20時0分
●この機種、要するに?
・APS-Cサイズに迫る大型センサーと「DiGiC6」エンジンで同社コンデジ最高レベル・大口径F2.0-F3.0レンズと光学5倍ズーム(24-120mm相当)、マクロ撮影はワイド端5cmまで寄れるように
・デュアルコントロールリングなど操作系統が充実
・オートフォーカスの高速化や取り込みスピードUPでレスポンス良し
●チェックポイント
・レンズ明るさはどう?
F2.0-F3.9という明るさは申し分なし。ボディーサイズを維持したまま広角化を実現できたのは本機専用に開発されたUAレンズのたまものでもある。前機種『PowerShot G1 X』の28㎜-112mm相当から、『PowerShot G1 X mkII』では24-120mm相当と幅を広げている。
・画質はどう?
キヤノン最新の画像エンジン『DIGIC6』を採用し、画像の解像力やノイズリダクション性能をさらに向上させている。仕上がった画は、確かにキヤノンらしい自然な色の再現性はもちろんのこと、暗部での高感度状態での撮影でも細部のディティールをつぶすことなく自然な階調を保っている。とはいえ、『PowerShot Gシリーズ』がコンデジのレベルではアタマひとつ抜けた印象なのは今に始まったことではないので「良い意味で変わらず」となる。
・重さはどう?
Gシリーズの中で『G1 X mkII』は一回り大きいし少し重い。
『Powershot G16』 108.8×75.9×40.3mm、約356g『PowerShot G1 X mkII』116.3×74.0×66.2mm、約553g
持ち運んでいても、その存在を“主張”してくる感じがある。
厳密には『G1 X』が従来『G』とは別のコンセプトであろうことを考えると、一回り大きいのは特性と言えるだろう。ただ、個人的には(重さの分も考慮すると)もう少しグリップ感があるといいのにな、と思ったのは確かだ(別売りの『カスタムグリップ』の装着で解消できるようだが……)。
・起動時間やレスポンス・操作性はどう?
こちらも問題ない機敏さ。レスポンスも申し分ない。この機種に限らないが、高レスポンスの機種においてはそのポテンシャルを生かすべく、相応のメモリーカードを用意したいところだ。
操作性に関していえば、今では当たり前となったタッチパネル液晶に加え、『デュアルコントロールリング』の実装で操作感は大きく変わっている。通常のズームリング部分にコントロール可能なリングスイッチを設け、Tv、Av、ISO感度、露出補正、MF時のフォーカスに対応しているのは素晴らしいと素直に思った。
●さわってみて
『PowerShot Gシリーズ』といえば、一眼レフカメラのサブカメラとしても活躍するキヤノンのハイエンド・コンパクトデジタルカメラのシリーズだ。いわばシリーズ最高峰のモデルであり、その機能には今盛り込めるものをすべて詰め込んだ、という贅沢な機種である。
まずセンサーは面積比ではマイクロフォーサーズを上回り、サイズとしてAPS-Cに迫る1.5型大型センサーを採用している。従来の1/1.7型に比べると4.5倍の大きさである。広いセルピッチは広いダイナミックレンジを獲得し、画質的に余裕のある画作りへとつながっている。
そのセンサーと、F2.0-F3.9というF値を実現した専用のレンズ構成、9枚羽絞りで美しいボケ味が楽しめるようになっている。
またマクロ撮影においても進歩している。『G1 X』ではマクロ撮影は最短20㎝からとなっていたが、『G1 X mkII』ではマクロ最短5cmから可能となっている。「もっと早くこの距離仕様がほしかった!」という声も聞こえてきそうなグレードアップだ。いずれにしても、このモデルをもって要望にこたえた形となっている。
Wi-Fi機能ももちろん実装。アプリを介してパソコンやスマホとデータのやり取りができるようになっているが、『ワンタッチスマホボタン』も備えてハードウェアからさらなる簡易化に努めているのは好印象だ。
動画においては、「5軸手ブレ補正」や、ISO1600での撮影でもDIGIC5搭載機のISO400相当のノイズ量で済むようなノイズ除去性能の獲得に成功している。『DIGIC6』のおかげでひときわ大きな効果をもたらしているといえるだろう。
がっしりとしたボディと重さだが、高機能ゆえの結果であるといえる。「とにかく最高の機能を欲張りたい」と言わんばかりの、ストレートな機種ではないかと感じた。
キヤノン:PowerShot G1 X Mark Ⅱhttp://cweb.canon.jp/camera/dcam/lineup/powershot/g1xmk2/index.html
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