隙間時間にスマホで街づくり! マジゲーマーもハマれる『SimCity BuildIt』
ガジェット通信 / 2015年1月19日 9時0分
12月にリリースされた『SimCity BuildIt』にハマる人が世界中で続出しているらしい。言わずと知れた都市経営シミュレーションゲーム『SimCity』シリーズの最新作。配信元のEAによると、12月中旬の配信開始以来、3週間で1550万ダウンロードを記録し、プレイヤーがこのゲームを遊ぶのに費やした時間をすべて合わせると8300年分にもなるという人気ぶりだ。なんという壮大な時間の無駄遣い!
普段、家庭用ゲーム機をメインに遊んでいて、「スマホの課金ゲームなんて」と鼻で笑っていたマジゲーマーの筆者だが、もともと好きなシリーズではあるし、これほど話題になっているならやってみるしかない! というわけで試しに遊んでみたら、ハマっちゃったんだな~、これが!
●スマホゲームもここまできた! 驚異的な3Dグラフィック
無料のスマホゲームだからといってナメてはいけない。都市はすべて3Dグラフィックで描かれ、それが指先でグリグリと滑らかに動かせる。普段は据置型ゲーム機で遊んでいる筆者だが、この映像には正直驚いた。「スマホゲームもついにここまできたか」という感じだ。以前、「iPhone6のゲーム機としての性能はPS3級(※1)」なんて記事もあったけれど、あながち誇張でもないかもしれない。EAのヘルシンキスタジオがガチでスマホゲーに取り組んだら、すごいものができてしまった。
発展度合いに応じて近代~現代~近未来っぽいデザインのビルが建ち、昼と夜で違う顔を見せる都市。建設中のビルでクレーンが忙しく働いている様子や交差点で渋滞が発生している様子、シムたちが歩いている様子も見てとれる。街角の雰囲気はまさしく『SimCity』だ。あと、ブロッコリーはないけど、ラマはいるみたいだよ。
ただし、これだけの映像を存分に引き出すためには、スマホは最新の機種であることが望ましい。推奨はiPhone6/Plus。Android系端末では最新機種でも都市の読み込みが遅くて描画がガタつくことがあるとのこと。スマホのバッテリー消費もかつてないほど激しい。起動し続けているとiPhone6のバッテリーが3時間ともたないし、発熱もすごい。外出先で遊ぶつもりなら大容量のモバイルバッテリーが必須だ。
●オフラインでも、1日10分でも遊べるゲームデザイン
なるべく解像度の高い大型モニターの前で腰を据えてジックリ遊ぶゲームだった『SimCity』をスマホで遊べるようにするにあたり、EAは大胆なゲームデザインの変更をしてきた。本作は都市“経営”シミュレーションゲームではないのだ。一度設置した建物には維持費がかからないし、耐用年数も設定されていない(無限に使える)のが一番の大きな理由。住・商・工の土地設定区分もなくなった。そしてなんと設置した建物をドラッグ&ドロップして再配置が可能に! また、人口動態をシミュレートしている気配は薄いし、公害要素(交通渋滞・大気汚染・水質汚濁等)はかなり簡略化されていて、さほど悩まされることもない。ゲームとしての難易度はヌルすぎると言っていい。
では本作のジャンルは一体何なのか? 意外に思われるかもしれないが、プレイ感覚は数年前に大流行した『サンシャイン牧場』にそっくりだったりする。
工場で鉄・木・植物の種・鉱物といった素材を作り(完成するまでには待ち時間が発生)、それをもとに住宅施設を建てる。人口が増えて“レベルアップ”するとインフラ施設と商業施設がアンロックされ、作れる素材と建物の種類が増えていく。素材は売ってゲーム中のお金に変換し、施設を充実させていくのにも使える。この「生産→待機→収穫→レベルアップ」のサイクルが『サンシャイン牧場』にそっくり。あくまでも隙間時間に遊ぶゲームとしてデザインされているのだ。逆に、素材生産中の待機時間までゲームに張り付いて遊ぼうとすると、主に資金不足による手詰まり感でイライラを募らせることになってしまうだろう。
素材の中には完成までに数時間を要するものも。こうなると朝・昼・晩の3回ログインするだけでも十分だ。
ソーシャル要素として、他のプレイヤーの都市を見にいけたり、プレイヤー同士で素材の売買をしたりすることができる。ただし、人気の品はタッチの差で買えないこともしばしば。ランキング要素のない本作で唯一、他のプレイヤーとの競争を感じられる場面だ。
●無課金でも十分遊べる! タダゲーとしては究極の完成度の高さ!
「基本無料・ゲーム内課金あり」と聞いて、「実際はお金を払わないと楽しめないんでしょ?」と思った人もいるかもしれない。でも、まったくお金を払わずとも十分すぎるほど遊べてしまうのがこのゲームのいいところ。
本作の課金アイテム“シムキャッシュ”は、素材が完成するまでの待ち時間をなくして即時完成させる、いわゆる“時間を金で買う”用途がほとんど。もともと他のプレイヤーとの戦闘や競争要素のない自己満足ゲームなので、“廃課金様”に狩られてイヤな思いをすることもない。人口200万人以上のメガロポリスを作ろうとすると、人口増加効果の高い公園を設置するのにシムキャッシュが必要になるかもしれないが、そのように効率を追求した碁盤の目状の面白味のない街を作ろうとでもしない限り、シムキャッシュを購入する必要はなさそうだ。
鉄道がなかったり道路が斜めに引けなかったりと、これまでのシリーズと比べると自由度の低さを感じるところもあるかもしれない。でも、一度完成した建物は維持費がかからず、いくらでも移動ができるし、道路と建物の再配置がこれほど容易な『SimCity』もない。毎日の隙間時間にちょっとずつ遊びながら色々なビルをコレクションして眺めることのできる、究極の自己満足ゲームに仕上がっている。
現金を使えば割りとなんでもすぐにできてしまうけれど、“建てたら終わり”のこのゲームでは過程を楽しみたいところ。
動画:SimCity BuildIt – Your Kind of City – Official Trailer(YouTube)
※1:性能はPS3級 iPhone6、ゲーム機としての破壊力(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77167720X10C14A9000000/[リンク]
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