JRA安藤勝己氏「ダイワスカーレットの方が上」天皇賞・秋(G1)VSウオッカ「どちらが強いか問題」に断! 名牝が繰り広げた「2㎝差」歴史的名勝負
ギャンブルジャーナル / 2020年11月1日 8時0分

11月1日、東京競馬場で行われる天皇賞・秋(G1)。
今年は、JRA芝G1最多勝利が懸かるアーモンドアイが、金曜時点の前売りオッズで単勝1.3倍と圧倒的人気を集めている。
そのアーモンドアイに対し、逆転候補として注目を集めるのがクロノジェネシスだ。前走の宝塚記念(G1)で、2着キセキに6馬身差をつけて圧勝。2頭の牝馬に大きな注目が注がれている。
天皇賞・秋で2頭の牝馬が注目を集めたといえば2008年。ウオッカとダイワスカーレットが歴史的名勝負を繰り広げた天皇賞だろう。
武豊騎手、角居調教師のコンビで挑んだウオッカに対し、安藤勝己騎手、松田国英調教師で挑んだ同世代のライバル・ダイワスカーレット。
牝馬でありながら前年の日本ダービー(G1)を制し、この年の安田記念(G1)も勝利したウオッカが2.7倍に推され、ダイワスカーレットはウオッカに4勝1敗と勝ち越しながらも3.6倍の2番人気であった。
当時、ダイワスカーレットを管理する松田国厩舎では、調教で坂路を2本。1本目は、前に馬をおいて軽くやるのが基本となっていた。
しかし、天皇賞・秋が休養明けとなるダイワスカーレット。1本目の坂路で「馬が我慢しきれずに、前の馬に乗っかっちゃいそうな感じでいっちゃって、まともに乗れなかった」と、元JRAジョッキーの安藤氏は自身のYouTubeチャンネル『アンカッちゃんねる』で当時を振り返る。
安藤氏は当時、「先生、これ山(坂路)2本ムリですよ」と松田国調教師に話した記憶を辿る。あまりのテンションの高さに本番への自信が持てず、レース当日もテンションが高く「ゲート入る前から、ずーっと不安でしょうがなかった」と、この時の心境を語っている。
その不安は的中し、レースでもかかり気味に逃げたダイワスカーレット。前半1000mは58.7秒とハイペースを刻んだ。
「すごいペースで自分から行っちゃうから。外で馬がちょっと顔見えたらガーンガーンって行って、正直すごい流れだなって。自分で行ってるんだからしょうがないんだけど、それでみんな突っついてくるから……もう3コーナー回る時には、正直『馬群に沈むな』と思いましたね」と惨敗の覚悟もしていたようだ。
しかし、そこからがダイワスカーレットの真骨頂。残り200mの勢いでは完全に外のウオッカかと思われたが、内からダイワスカーレットが盛り返す。最後はウオッカとダイワスカーレットが鼻面を合わせてゴール。写真判定へと持ち込まれた。
13分もの判定の結果、このレースをハナ差で制したのはウオッカ。2着ダイワスカーレットとの差は、わずか「2㎝」であった。
惨敗覚悟からの盛り返しに、安藤氏は「(決して万全でない中でのハナ差2着)だから、かなり能力のある馬ですね」と、ダイワスカーレットのポテンシャルを改めて強調。「いや、もう全然ね、(ウオッカより)スカーレットの方が能力は上だなって思ってますね、今でも」と当時、主戦を務めた相棒を称賛した。
対ウオッカ戦では、4勝2敗。タイムトライアルではない競馬において、どちらが上かという判断は難しいが、対戦成績ではダイワスカーレットの方が上だったことに間違いはない。
ただ、その後にウオッカはG1を3勝。お互いが「名牝」であった事に異論がある人は少ないだろう。
今年はアーモンドアイとクロノジェネシス、2頭の牝馬が激突。どちらが勝つにしても、互いが「名牝」である事に違いはなさそうだ。
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