Steam版『なつもん！ 20世紀の夏休み』で一首！思い出が刺激されてやまない“夏休み”【短歌レポート】

6月27日に『なつもん！ 20世紀の夏休み』 およびダウンロードコンテンツ『なつもん！ 20世紀の夏休み　ゆうやけの島とラジオ局』がSteamにて配信開始されました。本記事では筆者もといゲーミング歌人が短歌レポートとしてゲームプレイを紹介します！

◆思い出す ことも能わぬ かげろうを 薄手の毛布 かぶり夢みて

ゲーミング歌人にも子どもの頃がありました。歌人曰く、幼少期は山を走り野を走り、浜辺を走り田んぼのあぜ道を走り、皇居の周囲を走り東海道を走り、その勢いで御堂筋もよく走っていたとのこと。そういう怪異いそうですね。

さっそくゲームを起動すると、もうこの時点でちょっと泣きそう。主人公はサーカス団の息子として村にやってきた少年「サトル」です。ゲーミング歌人はGame*Spark短歌本家の跡取りとして生まれ育ったので、サーカス団には縁がないのですがなぜだか感情移入してしまいます。

ここで一首。

思い出す ことも能わぬ かげろうを 薄手の毛布 かぶり夢みて

子ども時代の思い出って、なんだかうすぼんやりと煙にかかったような記憶になっています。しかし『なつもん！』をプレイするうちに、子どものころの記憶が想起されたようです。「子どものころはゲーミング歌人になるなんて思わなかったな……」とは歌人の言。

本作は夏休みの宿題（絵日記）を埋めていく形で進むのですが、さらにここで一首。

わずらわし　夏の宿題　うめたくて　二度目の夏は　昔の影追う

歌人は今回が『なつもん！』初プレイ。風の噂で「『なつもん！』は凄いぞ」とは聞いていたものの、遊んでみると本当に凄い。思い出のかさぶたがバリバリ剥がされて、昔味わった子ども時代が思い出されていきます。歌人がぶつくさと「子どもの頃からゲームばっかりやってたけど、今は潰れた地元のスーパーや、冒険気分で駆けたあの公園。町のすべてが大きく見えたんだ……」と喋り出します。

ラジオ体操のシーンでは「みなさんもいっしょに体操しましょう」とのことでしたので、歌人も一緒に体操にチャレンジ。やはり身体を動かすとテレワークの体がほぐれていきますね。個性豊かで、でもどこかで会ったことがあるような住人たちとのエピソードが歌人の心を動かします。

そんな中で、ゲーミング歌人は吟遊詩人とエンカウント。

歌人曰く「なんだぁ……？てめぇ……」とのこと。同じ歌を詠む存在に相対し、バッチバチにライバル意識が芽生えてる様子です。「吟遊て なんだその服 ふーてんか 拳でこいよ やってやんよ」と画面の向こうで果たし状を突きつけるものの、この男性は子どもである歌人に優しく接してくれました。

子ども時代というのは、多くの人に見守られながら毎日大冒険していたものです。大人になって社会を知ると、しみじみそう感じます。そして『なつもん！』は、多くの人に見守られ自由を謳歌していたあの時代へ帰してくれるのです！ そしてDLCである「ゆうやけの島」にも行ってみました。するとそこは、まさに“子どもの理想郷”！

一見、広大で手つかずの島ですが、探検すれば探検するほどに“子どもをワクワクさせる要素”が詰まっています。不法投棄のゴミとかもあって、そこそこにリアルでいい感じ。勝手に調べたら「お前あれに触ってしまったんか！」と老人に怒られそうな謎の祠もあり、歌人わっくわく。

『なつもん！』の楽しさは“世界を広げていくこと”にあります。Steamで初プレイをするゲーマーは最初からDLCを体験できるので、ある意味お得ですね。

背丈には　あわぬ大きな　世界でも　すべてのものが　掴めるのかと

虫を捕まえたり、釣りを楽しんだり……本作には「ゆるめの主な目標」はありますが、一切縛られず自由気ままに“夏休み”を満喫する歌人。最後にプレイの感想を聞いてみると、「かなりイイ感じ！！！」と幼児返りしていました。

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20世紀に子ども時代を過ごした人間はもちろん、既に大人になって「子ども時代を振り返ってないゲーマー」にこそ遊んでほしい『なつもん！ 20世紀の夏休み』。忘れていた子ども時代の思い出が思い出させられるはずです。

『なつもん！ 20世紀の夏休み』はPC(Steam)/ニンテンドースイッチ向けに、6月27日より販売を開始しています。