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Sukeban Games最新作『.45 パラベラム ブラッドハウンド』プレイレポ&開発者インタビュー。懐かしさを演出するグラフィックで描かれたサイバーパンク世界を生き抜く! 【BitSummit Drift】

Game*Spark / 2024年7月21日 11時15分

2024年7月19日から7月21日にかけて京都市勧業館「みやこめっせ」で開催されている日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit Drift」。会場内には世界各国からインディーゲームが集結し、発表されたばかりの作品や初のプレイアブル出店など注目のタイトルがズラリと並びました。


本稿では『VA-11 Hall-A』などの作品で知られるSukeban Gamesより発表されたばかりで、本イベントが初のプレイアブルデモ出展となった最新タイトル『.45 パラベラム ブラッドハウンド』のプレイレポートと開発者インタビューをお届けします。


遊びやすいが簡単ではない「アクティブタイムアクション」


『.45 パラベラム ブラッドハウンド』の主人公は元殺し屋の「レイラ・ミカヅチ」。彼女は過去を捨てて人生をやり直そうと決意するものの、近未来ディストピアの世界で生きていくためには銃を手に戦う他なく……というストーリーが予告されており、今回のデモ版ではその導入にあたる部分が体験できました。


レイラを操作しながらシナリオを読み進めてマップへ出ると敵とのエンカウントが発生し、バトルシーンへ。本作のバトルは「アクティブタイムアクション」と呼ばれるシステムが特徴で、攻撃アクション時には時間が止まってじっくりと行動を選択できるというものです。


アクションに入るための攻撃ゲージが回復するまでは回避に、攻撃時は対象選択などの判断にそれぞれ専念できるシステムになっており、これは『パラサイト・イヴ』をリスペクトしたものと明言されています。


時間が止まると聞けば簡単なように感じるかもしれませんが、使用する武器によって変化するものの攻撃可能なエリアは限定的。移動できるエリアもそこまで広い訳ではないので、時には壁際に追い込まれて逃げ場を失うこともあり、考えながらの行動が求められる印象でした。


ただし戦闘で倒されてもレイラは復活が可能で、装備の強化などを行いながらバトルを乗り越え、探索の先にあるボス戦を目指していく構図になっています。筆者はデモ中盤のバトルで繰り返しやられてしまい、プレイ時間中にはボスにたどりつけませんでしたが、中にはボス到達・撃破を達成している来場者の姿も見られました。


プレイした印象として残るのは、やはり「Sukeban Gamesらしさ」のひとつであるサイバーパンクの世界。本拠地でアクセスできるPCではストーリーのためのメッセージのやり取り以外にアングラな雰囲気の掲示板も閲覧できるなど、細部にまでこだわって作りこまれていることを感じさせます。


PS初期をイメージしたグラフィックも非常に印象的で、マップを移動している際に細かくカメラワークが切り替わりトップビューなども交えながらのプレイになるのもどこか懐かしく、ゲームシステムこそ変われどSukeban Gamesならではのゲーム体験を期待させるプレイアブルデモとなっていました。


サイバーパンクな世界に何故か馴染むことで知られている関西弁で個性を感じさせるキャラクターも登場

7年ぶりイベントに疲労困憊も「ゲーム作りのモチベーションに回帰」


会場内のブースは常に待機列ができるほどの盛況ぶりで、Sukeban Gamesの皆さんも国内外からの来場者と積極的にコミュニケーションされている姿が印象的でした。今回は通訳でもご協力いただき、開発メンバーのChristopher Ortiz氏にショートインタビューを実施したので、その模様をお届けします。


ブースに飾られていたイラスト

――遂に最新作『.45 パラベラム ブラッドハウンド』を発表されました。今どのようなお気持ちですか。


Ortiz氏一言で言えば「安心した」です。このゲームは最近作り始めたものではなく、ずっと前から少人数で作っていて、それを秘密にしていたんです。ようやく皆に見てもらえて遊んでもらえて、それによってエネルギーを受け取れますけど、ちょっとプレッシャーでお腹がいたいような気持ちですね(笑)。


――このゲームを通じてユーザーにどんな体験を届けたいと考えていますか?


Ortiz氏本作ではグラフィックを敢えて低解像度にしていて、それは懐かしさの演出やコスト的な背景だけではなく、このサイバーパンクな世界のおどろおどろしい雰囲気を想像してほしいからなんです。伝えたいことは伝えつつ、すべてを説明するのではなく想像の余地を残すことで皆さんの想像力を刺激して、ゲームの世界のことを感じてもらいたいと思っています。


――ブースにはチームのファンの皆さんがたくさん来ていますね。


Ortiz氏このような大きなゲームショウに来るのは7年ぶりです。そもそもあまりイベントに参加することも少なくて、2017年の東京ゲームショウ以来で2回目の体験なんです。本当に懐かしい気持ちがあると同時に、ファンの皆さんの声を聞いていると「なぜ自分がゲームを作っているのか」を思い出せたように感じています。


ゲーム制作は孤独ですし、自分のために作っているのですが、誰かに遊んでもらわないとゲームは完成しません。しかも、多くの方が今回の作品を見て「良いね」と反応して、理解してくれています。「批判されたらダメ」というわけではありませんが、受け入れられたことが嬉しいですね。


それにコミュニティの方もたくさん来てくれて、今日だけでも結構な回数サインを書きました(笑)。サントラやゲームのパッケージを持ってきてくれる人も多くて、ファンの皆さんが待ちわびていたのを体で感じて、しっかりしたものを作らないといけないというプレッシャーもあります。


――ありがとうございます。では、最後に久しぶりのイベント参加となったBitSummitの感想をお願いします。


Ortiz氏本当に、本当に疲れ果てました。あまりミーティングは入れない予定だったんですが、実際には何度もインタビューのために移動したり立ちっぱなしで対応したり、嬉しいですけれども、かなり疲れます。ずっと引きこもっていたので、リタイアしたプロレスラーがカムバックしたような気持ちです。このゲームのレイラも一度は殺し屋を辞めてから戻ってきたので、なんだか似たような状況ですね(笑)。




懐かしさを感じさせる要素やSukeban Gamesらしいと感じられるテイストを存分に盛り込みながら開発されている『.45 パラベラム ブラッドハウンド』。『VA-11 Hall-A』など過去のSukeban Games作品のファンの方から本作で初めて知った方まで楽しめる作品になっており、これからの続報を楽しみに待ちたいところです。


「BitSummit Drift」は本日2024年7月19日から21日まで開催予定。Game*Sparkでは多数の現地取材記事を掲載していくので、今後もお楽しみに!

インディーゲームの祭典「BitSummit Drift」特集記事はこちら!

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