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『ファイナルファンタジーX』現在過去未来?時間を超えて親子の絆を想う「Would」と仮定法過去完了【ゲームで英語漬け#139】

Game*Spark / 2024年7月21日 16時0分

7月19日はオリジナルのPS2版『ファイナルファンタジーX』が発売された日です。2001年から今年で23年、まもなく四半世紀が経とうとしている、なんて言ったら驚きますか?それはさておき、「Should」「Can」と助動詞が続いてますが、今回はマカラーニャの森でジェクトが残したスフィアから「Would」に注目します。


Dialogue/Macalania Woods


Hey. If you’re sitting there, watching this...
it means you’re stuck in Spira, like me.
You might not know when you’ll get back home, but you better not be crying!
Although, I guess I’d understand. But you know what?
There’s a time when you have to stop crying and move on.
You’ll be fine. Remember, you’re my son!
And... Well, uh... Nevermind, I’m no good at these things.
Anyways... I believe in you. Be good.
Goodbye.


おい、そこに座ってこれを見てるってんなら…
お前も俺みたいにスピラに来ちまったってことだ
いつ帰れるかわかんねえんだろうが、泣いてんじゃねえぞ?
そんでも気持ちは分かるつもりだ だけどよお
いつかは泣くのをこらえて前に進まなきゃなんねえんだ
お前なら大丈夫 なんてったって俺の息子なんだからよ!
そんで…あれだ…やめだやめ、こういうのは柄じゃねえんだよ
とにかくだ…お前を信じてるぜ、気張れよ
そんじゃあな


He was serious. Jecht had already accepted his fate.
He was always talking about going home, to Zanarkand.
That’s why he took all those pictures―
to show them to you when he returned.
But as he journeyed with us and came to understand Spira,
and Braska’s resolve...
It happened gradually, but Jecht changed.
He decided he would join Braska in his fight against Sin.


あいつは本気だった ジェクトは己の運命を受け入れていた
ずっと帰りたいと話していた、ザナルカンドへな
だからこそこの映像を撮っておいた―戻れたときにお前に見せるために
だが俺たちと旅をして理解していった スピラと、ブラスカの決意を…
徐々にではあったが ジェクトは変わった
あいつはシンを倒す戦いへブラストと共に行くと決めた


He knew there was no way back home, back to Zanarkand.
He wanted to go home, but he knew he couldn’t.
He couldn’t go on until he accepted it.
Even if he had found a way back...
I don’t think he would’ve left his friends behind before their jouney was complete.
Maybe I had to start accepting my own fate.


オヤジは家に、ザナルカンドに帰れないって分かってた
帰りたかったけど、できないって分かってたんだ
それを受け入れるまでは前に進めなかった
戻る方法が見つかったとしても…
旅を終えずにオヤジが仲間を見捨てるなんて思えなかった
俺の運命を受け入れることから始めるしかなかったんだと思う


ということでついに出ました、英語の授業でも混乱する人が続出する“Would have been”の「仮定法過去完了」。この場面では、ジェクトのスフィアを見た後のモノローグで、「旅を終えずに仲間を置いていくことはしなかっただろう」の部分で使っています。


Would」は未来を表す助動詞「Will」の過去形です。未来なのに過去形とは、と言いたくもなりますが、「未来」「過去」の言葉に引きずられず、時系列の前か先か、という形で考えると多少は理解しやすいです。


「Will」は文字通り自分の意思で実行することを表し、本来であれば自分の意思と関わりなく起こる「Shall」との使い分けがありました。しかも人称「I」「You」で使い方が逆転するというこれまた面倒な文法が存在します。そのため現在は未来の「Shall」を使うのは限られており、意味を下げた「Should」だけが常用に残りました。


まず「Would」のベースとなる「未来」の「過去形」について。これは初回でも時制の一致でやりましたね。アーロンの"He decided he would join Braska~" が該当します。話の視点が過去に移動した場合、そこで話されていた「Will」も同時に過去形にする必要があります。振り返っている「現在」の時点では時系列で「先」に完了しているけれど、回想の「過去」の時点よりは「後」になるので、過去と現在の間にあるのが「Would」ということですね。


『FFX』に例えると、グアドサラム時点でユウナが「未来の」結婚を決めたと書くと“Yuna decided she will marry Seymour.”です。これを回想に移して、終着の「現在」ザナルカンドから、「過去」グアドサラムで「過去未来」の「ユウナが結婚する」と決めたと言及すると、“Yuna decided she would marry Seymour.”になるのです。


こうした時制を正確に読むには、英文法以前に長文読解において視点の見分けができるかにかかっています。誰がどこからどの立場で、いつに言及するのか、ここを間違えていては訳以前の問題です。


次に仮定法で使う「Would」ですが、こちらは「現在」から「先」かつ確度が低い想定に対して使います。過去形になると確度が下がる法則もこれで3回目なので大体分かっているとは思いますが、仮定法で「Would」は明確な意思がある「Will」に比べて、確証がない、消極的なニュアンスが入ります。「しかしそうはならかった」の反語的用法もあります。これを使っている文は“Although, I guess I’d understand. But you know what?”で、「I'd」の省略形の次に動詞の原形が来ていることに注意しましょう。最近の言い方だと「俺には分かるよ」でしょうか。


そのため、仮定法過去完了における過去形の助動詞は「過去」を表すのではなく、事実に反している反語的役割を持っています。時制を下げるのは“Had been”なので、「反語の助動詞過去形」+「過去完了の“Had been”」と分けて覚えましょう。


では仮定法過去完了を使っている“I don’t think he would’ve left ~”の文を、現在形に戻してみます。


"Even if he find a way back... I don’t think he would leave his friends ~"


時制を変えても、「~するとは思えない」の反語を表す「would」はそのままです。これによってジェクトは絶対そうしないという意味合いを強く出します。これを過去の出来事に戻すには、If節と“He would ~”の両方に過去完了の“Had+過去分詞”を入れましょう。


最後のモノローグの部分では、前回と同じく「物語」の行き着く先を示す「Could」が登場します。ジェクトの決意を見て、ティーダはここで何を思ったのでしょうか……。


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