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オープンワールドACT『Flintlock: The Siege of Dawn』は近接格闘×銃撃×魔法のダイナミックな戦闘が手軽に楽しめる「ライト」なソウルライク作品【プレイレポ】

Game*Spark / 2024年7月29日 18時0分

今回は、A44 Gamesが手掛け2024年7月18日に発売した『Flintlock: The Siege of Dawn』PC(Steam)版のプレイレポートをお届けします。


『Flintlock: The Siege of Dawn』とは


本作は、広大なオープンワールドを駆け回るアクションRPG。アンデッドの軍勢が跋扈する崩壊した世界「キアン」を舞台に、プレイヤーは主人公ノル・ヴァネックとして、不思議な相棒エンキと共に神々を倒し、世界を取り戻す復讐の旅に繰り出します。


最大の特徴は、近接武器による攻撃やパリィからの反撃、経験値のロストなど、部分的に従来のソウルライク要素がある点。そしてスタミナゲージの制限なくジャンプや空中ダッシュといった回避行動や移動など軽快なアクション要素で、これらが違和感なく融合した高機動かつダイナミックな戦闘が行えるので、ソウルライク作品に触れたことのないプレイヤーでも手軽に爽快感のあるバトルを楽しめるソウルライト”な作品となっています。


それだけでなく、近接攻撃に加えて銃器による遠距離攻撃や、相棒エンキの力を使ったド派手な魔法攻撃など、独自の戦闘システムも備えており戦略性のある奥深いバトルが展開。戦闘スキルや武器のアップデートといった成長要素もあるので、敵を倒し経験値を獲得するバトルの報酬と達成感がしっかりとある印象でした。


また美麗で精細なグラフィックも没入感を高めていて良かったところです。さらに、メインクエストからレア武器を入手できるサブクエスト、ミニゲームまで充実したコンテンツがあるのも魅力的でした。


とはいえ、敵の攻撃パターンが単調でパリィのタイミングを掴むのは比較的簡単だったり、マップの構造が『ELDEN RING』のように重層的ではなくシンプルで、悪く言えば探索するワクワク感がなかったり、敵の配置も少なく緊張感に欠けていたりと、高難度なソウルライク作品をプレイ済みのコアゲーマーにはあまり歯ごたえを感じられない仕上がりになっているかもしれません。


操作、言語、グラフィック、難易度設定


操作方法は、キーボード&マウスおよびコントローラーに対応しており、今回筆者はXboxコントローラーを使用しました。設定は、カメラ感度やボタン配置のカスタマイズといったオーソドックスなものです。ジャンプやダッシュなどアクション動作が多めの本作ですが、操作レスポンスは非常に良いもので縦横無尽に世界を駆け回ることができます。


グラフィックス設定は、解像度からフレームレートまで詳細に決定することができます。筆者の環境において、最高画質でプレイしてもクラッシュやカクつきなどは一切発生せず快適に遊べたので、ゲーム側の最適化もバッチリ施されているようです。


言語は日本語字幕に対応しています。テキスト、キャラクターの会話、アイテム名などの日本語表現に関して特に違和感はありませんでしたが、細かく見ていくとエリアやボスの名前が直訳気味でおかしいと感じることもありました。


本作は「ストーリー」「ノーマル」「鬼」から難易度を設定できる親切設計で、カジュアルプレイヤーでも安心して遊べます。筆者は今回ノーマルでプレイしました。


本編開始


オープニングムービーが流れ、本編が開始。この世界では過去に冥界への扉が突破され、神々とアンデッドの軍勢が解き放たれてしまったことで、キアンの土地が包囲され街は崩壊の危機に瀕していることが明かされます。そして、主人公ノルたち連合部隊が反撃のため、野営地を拠点に激しい攻防を繰り返す様子が描かれます。


先発隊のハーリーンとバズの様子を見に行くため、ノルは塹壕を辿って古い塔へ向かうことに。ここで基本的なチュートリアルを学ぶことが出来ます。まず移動などのアクションは、ジャンプ、ダッシュ、スライド、ドッジ、壁つかみなど多様で『ELDEN RING』など従来のソウルライクと比べても高機動な立ち回りが可能です。


本作は近接武器とともに、銃器による攻撃も可能で“火薬チャージ”を消費して使用します。遠距離からの射撃は戦闘において非常に強力ですが、後に獲得できるスキルによっては「銃撃パリィ」で反撃できたり、敵が繰り出す防御不能の“破壊攻撃”を妨害できたりと欠かせないものです。ちなみに、火薬チャージは制限があり近接攻撃がヒットすると回復するシステムなので、使い所を見極める必要があります。


体力の回復には「フラスコ瓶」を使います。フラスコ瓶はセーブポイントでのみ使用回数が復活する、従来のソウルライクを踏襲しています。


また、経験値に相当する「名声」は敵の撃破やクエストクリアの報酬として獲得できます。ここで面白いのは、「名声倍率」という独自の要素。パーフェクト回避や連続攻撃などさまざまなアクションが成功すると獲得できる名声量が変わってくるシステムで、戦闘における楽しさがグッと上がります。もちろん、ゲームオーバーになれば全ロストしてしまうソウルライク仕様なので注意です。


さて今度は戦闘のキモである「ブロック」と「受け流し」です。防御とパリィに相当する一連の動作は、他のソウルライク作品でもお馴染みで欠かせない要素でしょう。本作において、ブロックはボタンを押せば防御態勢に入り、構えが崩されるまでダメージは喰らいません。


受け流しは、敵の攻撃がインパクトする直前で発動させ成功すると、敵を無防備状態にでき、カウンター攻撃につなげるチャンスが生まれます。ただ、『ELDEN RING』や『Lies of P』など他作品と比べると、敵の攻撃パターンが少ない上にタイミングも甘めなので、苦手な方や初心者でも簡単にパリィを決められると思います。


チュートリアルの最後は手強いボスが登場。長い槍を持ち、防御不能の「破壊攻撃」を仕掛けてきます。破壊攻撃は直前に敵が赤く光り警告されるので、ドッジで回避するか、銃撃で阻止するか、よく見極めてやり過ごしましょう。あとは、通常攻撃でチクチク削りながら攻撃パターンを観察し、パリィで大ダメージを与えて倒します。


砦で仲間たちと合流し「ドーンの門」へと進んでいくと、どうみても勝てそうにない巨大なエリアボス「扉の守護者」が登場し戦闘になります。そして、仲間のルカが守護者に捕まってしまい、彼は最後の抵抗で敷き詰めてあった火薬を撃ち、禁断の扉を破壊することに成功します。ですが、その爆風によってノルは海に投げ出されはぐれてしまうことに……。


不思議な相棒「エンキ」との出会い


しばらく気を失っていたノルは、見知らぬ洞窟で目を覚まします。謎の声に導かれていくと、そこにはキツネのような姿をした小さな神「エンキ」がいました。エンキによると、ノルたちは誤ってドーンの門で邪悪な神「ウル」を解き放ってしまったようで、ふたたび彼を封印し復讐を果たすための力をノルに貸してくれると言います。


半信半疑ながらエンキと行動することを決めたノルは洞窟を抜け出します。ここでは主に、エンキの魔法攻撃に関するチュートリアルを学べます。「猛烈魔法」は強烈な全体魔法攻撃で、敵を撃破してゲージを溜めると使用可能になります。複数の敵に囲まれたときや、ボス戦などで特に有効です。


「下準備ゲージ」は要は『SEKIRO』の体幹ゲージに近いシステムで、エンキを使って攻撃していくとゲージが満たされクリティカル攻撃で大きなダメージを与えることができます。こうしたエンキの魔法能力は、プレイヤーをサポートしてくれる重要なもので、従来のソウルライク作品とは違った本作独自の戦闘における奥深さを生んでいます


「ロードストーン」は篝火や祝福などと同じく、体力の回復や装備の変更、新たなスキルのアンロックができるチェックポイント。他作品でもそうですが、こういう休息場所を見つけたときの安堵感がすごいですね。もちろんソウル系の仕様なので、一度休憩すると倒した敵はリセットされ復活してしまいます。


エンキに導かれ洞窟からの脱出に成功します。ここまでのプレイで感じたのは、とにかくチュートリアル説明が丁寧でユーザーフレンドリーなこと。各要素について分かりやすく解説していたり、実践として体験きるような導線になっているので、アクションや戦闘のやり方で迷うことはないと思いました。


集落を解放し世界を救え


美麗なオープンワールド世界を自由に駆け回りたいものですが、まずはアンデッド軍に占領された集落や地域を解放しなければなりません。本作はクエスト制で、物語を進めるメインクエストとレアな武器やアイテムなどが見つかるサブクエストが点在しています。


エリアマップはオーソドックスなものですが、『ELDEN RING』などと比べると敵の配置が少ない上にアイテムもあまり落ちておらず、構造自体も単純なので探索する喜びやワクワク感があまりなかったのが残念なポイント。入れる建物もほぼないので単調さを感じました。


マップを最後まで進んでいくとエリアボス「鉄の王冠」が登場。銃と剣の2刀流で襲い掛かってきます。武装した敵は大幅にダメージを軽減する鎧を身につけているのでやっかいですが、攻撃を与えていけば破壊できます。


鎧がなくなれば丸腰も同然。猛烈魔法を発動し、通常攻撃とパリィで一気に畳み掛けます。相手の攻撃をドッジで避けながら下準備ゲージを満タンにして行動不能にしてフィニッシュブローを決めて倒しました。


エリアボスを撃破すれば集落が解放され「カフェ」として新たな拠点となります。ここでは体力の回復や報酬の獲得、アップグレードなどが可能です。中でも「ホスト」と呼ばれる奇妙な人物からは、サイドクエストの受注やショップで買い物もできます。ただ、話せるNPCが少なかったり、ショップで購入できるものがノルの服装だけだったりと、あまりコンテンツとして充実していないと思いました。


カフェでかつての仲間バズと再開し事情を説明すると、次は「三ツ峰」という場所へ向かえと教えてくれます。その前に、武器のアップグレードと新たなスキルを解放してノルの戦闘能力を高めておきましょう。


バズに素材と経験値を持っていけば、近接武器とメイン銃器をアップグレードしてくれます。また、スキルには「火薬」「魔法」「鋼」と3つのノードに分かれており、それぞれ銃器と近接武器ダメージの強化や魔法攻撃力の増加、身体能力の向上など戦闘を有利にしてくれます。このように本作の成長要素はシンプルなもので、初心者にも分かりやすい優れたデザインだと思います。


他にもエンキの力で「裂け目」を高速移動できたり、マップから発見済みのロードストーン間をファストトラベルできたり、広大なフィールドを自由にストレスなく探索することができます。世界を縦横無尽に移動できるダイナミックな感覚は本作の魅力のひとつでしょう。


手に汗握る白熱のボス戦


メインクエストとは別に、サイドクエスト中に遭遇する強大なボスとの戦闘も用意されています。なんなら通常のエリアボスより強いんじゃないか?というくらい今回遭遇した「石の使者」は手強い敵です。


当然のように鎧で武装しているため、通常攻撃があまり効きません。パリィを狙いたいところですが、一撃が重くミスってしまうと即死亡してしまうので中々近づくことも難しい。距離を取り攻撃パターンをしっかりと覚えて、再度パリィしますが、今度は破壊攻撃を繰り出してきてタイミングをズラされてしまいます。


攻撃によってはモーションが大きくそこを狙ってパリィを決めていきます。逃げ回りながら下準備にもダメージを積み上げていきたいところですが、ゲージが溜まるのが遅く追い詰められてしまいボコボコにされます。しかしエリアボスと違いやりごたえは十分で、コアゲーマーも満足できる緊張感のある戦闘が体験できると思います。





本作の魅力的なところは、近接攻撃やパリィからの反撃、経験値のロストなどソウルライクのエッセンスが感じられる戦闘を手軽に楽しめる点です。加えて銃撃やエンキの魔法攻撃といった独自の要素は、戦略の幅をグッと広げており「ソウルライト」として初心者にはオススメできる作品だと感じます。


一方で、マップの作り込みが単調で探索が楽しくなかったり、遭遇する敵の数が少なく緊張感に欠けていたり、攻撃バリエーションが少なく戦闘に飽きやすいところは気になる点でした。





パリィやカウンター攻撃などソウルライクを感じる部分と、銃撃と魔法攻撃とアクションが融合したダイナミックな戦闘が楽しかったスパ!





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