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『ファイナルファンタジーX』ザナルカンドで何をしたい?反語の仮定に感じる悲愴の決意【ゲームで英語漬け#142】

Game*Spark / 2024年8月11日 19時0分

ベベルでの大騒動から辛くも脱出し、人気のない泉へと身を寄せたユウナ一行。巡礼の旅の真実が明かされてから初めて、ティーダとユウナが向き合う機会がようやく訪れました。まだ何も知らなかったミヘン街道のシーンを踏まえて、仮定と反語の助動詞に注目して『ファイナルファンタジーX』屈指の名場面を読んでいきましょう。


Dialogue/The Spring


Yuna:I always thought that this would be easirer somehow.
  I thought that everyone would help me...
  with all my friends together beside me.
  I’ve been trying so hard.
Tidus:Maybe you’re trying too hard.
  They told me...everything.
  I'm sorry.
  It's just, you know...all those thing I said.
  Like "Let's go get Sin!" Or about Zanarkand...
  I didn't know what would happen to you, Yuna.
  I guess...I hope it didn't make you sad.
  Forgive me.
Yuna:I wasn't sad. I was happy.


ユウナ:もっと楽なことじゃないかって思ってた
  大事な人達がそばにいて、みんなが手伝ってくれると思ってた
  わたし、ずっと頑張ってきたんだよ
ティーダ:きっと頑張りすぎだったんだ
  話してもらった…全部。…ごめん
  ほら、その…今まで言ったこと
  シンを倒そうとか、ザナルカンドのこととか…
  何が起こるか知らなかったんだ
  悲しい思いさせちゃったかなって…
  許してくれ
ユウナ:悲しくなんかなかったよ うれしかったんだ


Tidus:Yuna. Just don't do it.
  Forget all about Sin, about being a summoner. Forget all that.
  You know, live a normal life. Come on now, Yuna, what do you say?
Yuna:Maybe I will. Wouldn’t everyone be surprised?
Tidus:Yeah. Except Rikku. She'd be with you.
  Lulu and Wakka wouldn't hold out long.
Yuna:Kimahri would say yes, too, I know. But Sir Auron...
Tidus:I'll make him understand, Yuna. It's the least I can do for you.
Yuna:No, I should tell him. He deserves it.



  • Except:~を除いて


  • Hold out:交渉を粘る


  • Deserve:~に値する



ティーダ:なあ、いっそのことやめちゃえよ
  シンのことも召喚士も 何もかも忘れてさ
  普通に暮らせば良いんだよ 悪くないだろ?
ユウナ:そう…かもね みんなは驚くかな?

ティーダ:リュック以外は リュックはユウナの味方だからさ
  ルールーもワッカもそのうち折れるだろ
ユウナ:キマリもきっと賛成してくれる でもアーロンさんは……
ティーダ:俺が説得する せめてそのくらいはさせてくれ
ユウナ:ううん、私から言う ちゃんと話さないと


Yuna:What'll I do if I give up my pilgrimage?
Tidus:Hey! Zanarkand! Let’s go to Zanarkand!
  Not the one in Spira, the one I’m from.
  Yeah, we can all fly there. Everyone can go!
  Then we’ll a big party at my place!
Yuna:And then we could see blitzball!
  Your Zanrkand Abes would play!
  We could all watch you play, in the stadium all lit up at night.
  I'd cheer and cheer till I couldn't anymore!


ユウナ:巡礼をやめたら何しようかな?
ティーダ:そうだザナルカンド!ザナルカンドに行こう!
  もちろんスピラのじゃなくて、俺が来た方の
  今なら飛んでいけるしさ みんなで一緒に行けるって
  そしたらうちで派手にパーティしよう!
ユウナ:それからブリッツボールも観に行こうよ!
  キミのザナルカンドエイブス!
  明るい真夜中のスタジアムで試合を全部観るの!
  声が出なくなるまで応援するんだ!


Tidus:Let’s go to the sea, before the sunrise.
  The city lights go out one by one. The stars fade...
  Then the horizon glows, almost like it’s on fire.
  It’s kinda rose-colored, right? First in the sea,
  then it spreads to the sky, then to the whole city.
  It gets brighter and brighter,till everything glows.
  It’s really...pretty. I know you’d like it.
Yuna:I’d like to see it, someday.
Tidus:Well you can, Yuna. We can both go!
Yuna:I can’t. I just can’t! I can’t go!


ティーダ:夜明け前には海に行こう
  街の光が一つずつ消えて 星も見えなくなって…
  そしたら水平線が輝き出すんだ まるで炎みたいに
  バラ色って言うのかな? 最初は海、次に空、そして街全体に広がってく
  本当に…素敵なんだ ユウナも絶対気に入るよ
ユウナ:いつか、見に行けたら良いね
ティーダ:行けるって、ふたりで一緒にさ!
ユウナ:無理だよ…無理なんだよ!わたしは行けないの!


もしも旅をここで終えたらどうする、という話で「Could」と「Would」が多用されていますね。『FFX』の英語表現は割と難しい表現は抑えられていて、全体的に教科書的な分かりやすい文に英訳されています。仮定法の例文としてもちょうど良いのですが、やりとりに込められた辛さで忘れられなくなりそうです。その思いは最後の“I can't”で爆発しました。


Yuna:I'll continue. I must.
  If I give up now...I could do anything I wanted to, and yet...
  Even if I was with you, I could never forget.
Tidus:I'll go with you. I'm your guardian. Unless I'm...fired?
Yuna:Stay with me until the end. Please.
Tidus:Not until the end...Always.
Yuna:Always, then.


ユウナ:旅、続けるね 続けなきゃ
  今やめれば…やりたいことなんでもできるよ だけど…
  この先キミと一緒にいられても きっとずっと忘れられないよ
ティーダ:一緒に行くよ 俺はユウナのガードだからな …クビになってなかったら
ユウナ:最後までそばにいてね お願いします
ティーダ:最後じゃない…ずっとだ
ユウナ:ずっと、だね


助動詞で過去時制になると確度が下がるの法則は、普通の動詞にも適応されます。そのため、“If I was with you ~”のところを過去の話として「~忘れられなかったと思う」にすると間違いです。ここは反語として選択しなかった未来の話として訳しましょう。


この場面では「~まで」を表す前置詞が「Till」と「Until」の2つ登場します。ザナルカンドのもしもの所では「Till」を、『最後』の話をするところでは「Until」を使っています。翻訳の意味上では同じなのですが、その違いは何なのでしょうか。


答えは至って単純で、「Till」は「Until」の短縮形で、カジュアルな口語表現か畏まった文語表現かが違いのポイントです。そのため、ここぞというところで「Till」を使うと印象が軽くなってしまうのに注意しましょう。逆に日本語訳をするときにはその硬軟を意識してニュアンスをコントロールすると上手くいくと思います。


ザナルカンドへ向かう旅はいよいよ終盤に突入します。『FF』らしい大仰な台詞もますます増えてくるでしょう。クライマックスの英語は果たしてどんな表現になっているのでしょうか。


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