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【特集】Game*Spark学校へようこそ!『―どこでもいっしょ―レッツ学校』ゲーム用語だらけで遊んでみた

Game*Spark / 2024年8月14日 12時0分

8月、既に小中高の学校では夏休みの真っ最中ですが、Game*Spark読者の方には“もう夏休みという言葉とは縁遠くなってしまった”なんて人もいるかもしれません。


筆者もまさしくその一人ですが、今回はPSPの『―どこでもいっしょ―レッツ学校』でGame*Spark学校を開校!ゲーム用語満載な本校で夏休みを含め、学校行事を再体験して頂ければと思います。


『―どこでもいっしょ―レッツ学校』って?


筆者の当時のセーブデータ。今回は使わず、別のメモリースティックで初期からプレイします。

そもそも『―どこでもいっしょ―レッツ学校(以下、レッツ学校)』とは、PlayStation Portable向けに発売された『どこでもいっしょ』シリーズの一作です。2024年に25周年を迎えた同シリーズでは可愛らしい「ポケットピープル」、略して「ポケピ」が登場。


ポケピには初代からのメンバーとして、“人間になることが夢の「トロ」”、“世界最強の格闘家を目指す「リッキー」”、“外国の文化に興味津々な「ピエール」”、“アイドル志望な愛の旅人「ジュン」”、“ノーベル賞のため日夜研究している超高性能ロボ「スズキ」”がおり、他にはモブ的な立ち位置から昇華した「クロ」や、最新作『トロとパズル~どこでもいっしょ~』のメインキャラクター「ソラ」もいます。


初代『どこでもいっしょ』は、そんな「ポケピ」のうち1人を選択し、コトバを教えながら一定期間の交流を楽しむ、お話しゲームです。シリーズの多くはこの“コトバを教える”部分で共通しつつも何かしらのオリジナルの要素が加わっており、『レッツ学校』ではポケピたち5人が学校に通い、様々な行事を体験していく内容となっています。


本企画で教えるコトバについて


なお、本特集では「ハードコアゲーマーのためのWebメディア」を謳う弊誌、「Game*Spark」らしさを求めて“ゲーム関連の用語”を基本としながらも、以下の条件で用語を教えていきます。


・独自企画などで「Game*Spark」または姉妹サイト「インサイド」と縁の強い単語


または


・Game*Sparkに掲載された記事にある単語、または記事を包括した単語


ようこそGame*Spark学校へ!ドキドキ&ワクワクの学校生活が開始


本作を開始すると飛び込んでくるのは諸々の選択・設定画面。今回のプレイではシリーズの顔的キャラクターの「トロ」をメインに据え、学校名は文字数制限の都合から「ゲムスパ学校」として開校!筆者こと「ケシノ」は本校初めての人間の先生として赴任します。


ゲームの流れは大まかに1日3時限分の授業+部活動を4日間行うことで1カ月進行し、月によって季節に応じたイベントも挟まり、例として本作スタートの4月では入学式が行われるほか、細かい部分だと自己紹介や学校案内など新入生特有の初々しい授業も行われます。


筆者もホームルーム(HR)の一環として、生徒に自己紹介代わりに質問攻めに遭いますが、ここはゲムスパ学校、生徒のコトバ学習に繋がるあらゆる要素にはゲーム用語で回答。


校長にだって暴力をふるいます。私が正義。

教育者としてそれでいいのか、この子たちは卒業後に生きていけるのか、一抹の罪悪感が心をよぎりますが、教育委員会の無いこの世界では私がルールです。我が道を進みます。


最初に切り出したのは「トロ」、「好きな食べものって なぁに?」と可愛らしい質問です。プレイベートであれば楽々な質問ですが、ゲーム関連に絞るならば「スイートロール」でしょうか。「スイートロール」とは『The Elder Scrolls V: Skyrim』でお馴染みのデザート。どういうわけか道行く衛兵たちに「当ててやろうか?誰かにスイートロールを盗まれたかな?」と尋ねられるため、「膝に矢を受けてしまって…」と並ぶ有名ゼリフとなっています。


筆者は現実で食べたことは無いものの、ゲームでは「エール」と一緒に食すロールプレイを楽しんでいたのもあり、“いつか食べてみたい…”そんな憧れを抱いてきました。それは“好きな食べものなのか?”という疑問もあるかもしれませんが、きっと現実で食べられれば好きになる。“好きという気持ちの先行投資”として容赦して頂ければ…。


そんな感じで授業は進んでいきますが、困った質問が二つ、「好きなゆうめい人って だれ」、「好きな人ってどんな人」。順当に答えるなら“有名キャラクター”の名を挙げれば済みますが、最初に教える名前だけあってここはこだわりたいところです。


PSPの『煉獄』シリーズが好きというゲーミング歌人、実は筆者も好きでした。

できるだけニュートラルな存在で…有名で…ゲームに関連して…ゲーミング…ゲーミング歌人!そう、弊誌には毎週ゲーム界のホットなトピックを短歌として詠むニュースター「ゲーミング歌人」がいます。有名かと言われると…シンガポールにも行ったし、きっとこれからワールドワイドになるので大丈夫です。


実はスパくんを主人公にした漫画が弊誌で掲載中です。意外とグロテスク。

もう片方の質問は弊誌マスコット「スパくん」でいいでしょう。筆者はネーム選択があるタイトルではとりあえず「スパくん」と命名し、勝手にゲーム内で殴り合うこともあるくらい、好きといっても差し支えありません。


先に謝っておきます。ゲーミング歌人、ごめんなさい。

授業ではこのように何かと関連付けてコトバを教えることになりますが、本作の魅力はこれらのコトバをポケピたちが勝手に解釈し、物語を作っていくところです。


イイ人、悪い人、そんな言葉で二分できるほどシンプルではありませんが、ゲームシステムの都合上、ご了承ください。

例えば「感動できるおすすめの物語」を教える授業。これからリメイク版もリリースされる不朽の名作『メタルギアソリッド3』とそのキャラクター達を紹介すると、ポケピたちがストーリーを予想します。


トロ「オニよめに変身したネイキッド・スネークが…」


スズキ「ゼロ少佐とスシ職人と三角関係になり」


ほうほう。


ジュン「ヴォルギンにPS5をぬすまれて…」


ピエール「うばぐるまに乗ってソ連を出発し…」


ハハハ。


「すなばでマボロシのシャゴホッドを手に入れて…」


トロ「潜入中にホクロをケガしながらも…」


それで…?


ジュン「真のボス、スパイをついにやっつける!」


ちょっと合ってるのやめて。


むしろこうだった方がシアワセだったのかも…?

というように、1から組み立てられた物語とは違った、偶然の産物によるカオスが楽しめるゲームです。


スパくんとゲーミング歌人は記事でほぼ毎回共演、間違っては無い…多分。

授業には他にも早押しや暗記が絡むミニゲーム、干支などの日常に関係する豆知識を学べるタイプも用意されており、ポケピたちの可愛さも相まって飽きずに教鞭を取れます。


なお、教えたコトバを使った要素は日常会話だけでなく、しりとりでの対戦も。毎月の最後には他校から刺客が現れ、しりとりで決闘しなければいけません。


しりとりでは、ポケピたちが今まで教えたコトバを使い戦っていきますが、互いの体力が無くなるまでミスが許されるルールとなっているほか、自分のターン内に3回まで仲間内でコトバを連続して繋げてコンボを成立させたり、ポケピをコスプレさせて“特定ジャンルのコトバを跳ね返す”などの特殊能力を付与させたりできます。


ちなみに4月ラストに登場する刺客は「クロ校しりとり部」。我がゲムスパ学校はボキャブラリーが貧弱なあまり、文字通り返すコトバもなく惨敗しました。次こそは…!


開けてしまったパンドラの箱!さっそく学級崩壊か


学校に慣れ始めた5月、いつも通り授業を行おうとしたある日、事件は起きます。この日の授業は「保健体育」、“人間の体の仕組みを知りたい”というポケピたちのために質問に答えていくことになりますが、問題は本プレイがゲーム用語縛りであるという点。


さっそく「人間の体で最も大切な部分」を聞かれるものの、もし人類にゲーミング筋やゲーミング臓器があれば話は早いのですが、筆者が知る範囲ではそんなものはありません。


諦めかけていたその時、ゲーム界の「恐怖のツッコミ男」もとい弁護士の名言が頭をよぎる、“発想を逆転させるんだ!”ゲームに関係のある体の部位を探すのではなく、“体の部位と関係のあるゲームを探せばいい”のです。


体の部位、それも大切な部分に関するゲームを探すと候補が二つ、女子高生の会話から偶発的下ネタを探し出す『ウーマンコミュニケーション』、下ネタチンチロリン『NKODICE』。この二作に登場したコトバであれば“ゲーム用語”と言えるかもしれませんが、これは迷う。


両者の中から代表的な、人間の大切な部分を表すコトバを抜き出すなら"アレ”と"アレ”だろう…と読者の方々は思いつくかもしれませんが、ポケピに覚えさせるとなるとメディアのコンプライアンスとかモラル的な壁が立ちはだかります。


しかし、Game*Sparkではライターが「おちんちん」を連呼する特集記事“「煩NOおちんちん」縛りプレイ”が掲載中。


先人が拓いた道をゆけ、一回だけだし大丈夫、そもそも人体の一部なのに何故ここまでタブー視されているのか、そう自分に言い聞かせながら「おちんちん」を覚えさせました。人体について学び、トロも「これで明日にでも人間になれるかニャー」と思いを馳せつつ授業は終わりに向かっていきます。


そうして科目は「社会」に移り、“日本の未来の人口について”学ぶことになります。本授業では日本の人口データとして、「人口:1億2775万人、出生率:1.29」と表記。ここで違和感を覚える人がいるかもしれませんが、本作が2006年に発売されたゲームであることから、2005年のデータが提示されているのです。


総務省によると、2024年の日本の総人口は1億2396万人(2023年時は1億2435万2000人)、厚生労働省の資料では2023年の合計特殊出生率は1.20となっています。


2006年当時から、“このままでは人口が少なくなっていってしまう”と危惧されていた問題であり、その深刻さのあまりトロも思わず一言、


「プロゲーマーみたいに おちんちんが セクシーな ヒトが いなく なっちゃうニャ~」。


どうしましょう。こんな教育現場は野放しにしてはいけない、教育委員会は必要だった。その後も“おちんちんセクシー問答”が続き、人口の話はうやむやになったまま、ある意味では既に終わっていると言えなくもない授業は終わりです。


なお、この後の他校とのしりとり決闘も惨敗、6月を迎えることになります。


ついに来たぞ体育祭! オリンピックの裏でポケピも競技


5月は学校行事もなく、平和?に終わりましたが、本ゲムスパ学校では6月末に体育会を開催!パリオリンピックは先日終了しましたが、ポケピも選手たちに負けないぐらい頑張ります。


体育祭で実施されるプログラムは、「サッカー」、「おうえん合戦」、「障害物競走」の3つです。いずれもミニゲームとなっており、可愛らしいポケピたちのアニメーションを楽しめるほか、「おうえん合戦」では生徒たちがタワーになってショーを披露しようとするも、最後は崩壊してしまいます。


その光景は、“天まで届く塔を作ろうとしたがために神の怒りを買い、人々のコトバがバラバラになってしまった”という「バベルの塔」の伝説に例えられ、コトバについて考える、どこか深いワンシーンも挟まります。


体育祭の後は皆で力を合わせる尊さをかみ締め、「ほんとうはコトバなんていらないのかもしれません…」と良い話で終わらないのが『レッツ学校』です。


毎月の例に漏れず、こちらのムードはおかまいなし、しりとりによる決闘のため他校からの刺客がやってきます。


そして勝負の行方も毎月の例に漏れず大苦戦。わが校も何とかつめ跡を残そうとしりとりコンボを仕掛けます。


トロ「プロゲーマー」


ジュン「マリオ」


行けリッキー!


リッキー「おちんちん!」


そして敗北。わが校はもう駄目です。別の競技に鞍替えしたい。


取れ高はどこだ!課題だらけの終業式


本格的に夏が始まる7月、現実では猛暑が続いており、全体的に設備が古く、クーラーも無さそうなゲムスパ学校ではポケピが心配です。


しかし1日の平均最高気温を見ると、記事執筆時点の2024年は33.3度なのに対して、本作発売の2006年当時はまだ28.6度と、現代の感覚では“わりと涼しい”くらい。気温の変化にすら時代を感じてしまいます。


そんな相対的冷夏の中、夏休みに向けてポケピたちは筆者こと先生にインタビュー。回答を元にしたスズキ考案のスケジュール表を一部紹介します。


「朝おきたらサマーセールに行きましょう」


残念ながら記事執筆時点でPCゲーマーには欠かせない大型イベント「Steamサマーセール」は終了済みですが、Steamでは11月や12月にも季節の大型セールを予定しています。


「お昼前の午前中に積みゲーをすませておきましょう」


無料だから貰ったけど、安いから買ったけど、やる気が無い、時間が無い、様々な理由から重なる未プレイ・クリアなゲームの山、それが積みゲーです。ゲーム版七つの大罪があれば候補に入るであろう、現代ゲーマーあるある。前述のサマーセールは多くの罪が生まれたことは想像に難くありません。


弊誌ではゴールデンウィークにライター陣がゲームを積んでしまった罪を懺悔していますが、筆者も賽の河原のようにゲームを積んでは消化、山が消える前に買い足してしまい…を繰り返しています。


その後は、コンパニオンキューブを被ったり、外ではゲーマーに注意したり、おフロでリングフィットアドベンチャーをしたり、そしてゲイブ・ニューウェル(ValveのCEO)にプレイレポをされる…と支離滅裂ながらも一日の計画が決定します。


“でも結局こういう計画は立てただけで満足してしまう”、手に入れただけで満足してしまう積みゲーにも通ずる悩みを語るポケピたちなのでした。


なお、7月の最後はいつものしりとりによる決闘が待っています、がいつも通り敗北。終業式では“つうしんぼ”と称した本校の凄惨なしりとり連敗記録が報告され、課題を残したまま夏休みが始まります。




『―どこでもいっしょ―レッツ学校』におけるゲムスパ学校1学期の記録は以上、記事はここで終わりですが、これからもポケピたちの学校生活は続きます。


ソフトをいつの間にか無くしてしまいました…。高騰化する前に買わなくては。

記事執筆時点で本作や、同じくPSP向けにリリースされた初代リメイク版『どこでもいっしょ』は残念ながら物理媒体でしか遊べないほか、他作品についても現行機種に移植されていないため、作品を手に取りづらい状況となっています(初代ゲームアーカイブス版など、一部ダウンロード作品はPlayStation Vita等でプレイ可能)。


『まいにちいっしょ』『週間・トロステーション』と、ニュース配信ソフトも用意されていました。

2024年は初代リリースから25周年を迎える記念すべき年でもありますが、新作の発表はありません。「PlayStation Stars」や『アーマード・コア6』向けイメージ、そしてリアルイベントなど、IPを利用したコンテンツは続き提供されているため、せめてシリーズファンや興味を持った新規ユーザー向けに、初代リメイク版だけでもコンソールやスマートフォンに移植されないかと願ってやみません。


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