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iOS/Android版「Epic Gamesストア」では無料配布を行う?日本での展開は?CEOティム・スウィーニーらに気になることを訊いてみた【インタビュー】

Game*Spark / 2024年8月17日 15時30分


Epic Gamesは8月16日、Android向け「Epic Gamesストア」のサービスを全世界で、iOS向けのサービスを欧州地域で開始しました。あわせて、同社が権利を有する3タイトルを同ストアおよびAltStore・Aptoideで開始しています。


本記事では本件にまつわる発表会のレポートに加え、メディア向けに行われたEpic Games CEO、ティム・スウィーニー氏らへのインタビューもお届けします。


『フォートナイト』がiOSに帰ってくる!


今回の発表と同時に、AndroidストアにてEpic Gamesストアのサービスが開始しました。iOS版も存在しますが、現状はEU地域のみとなっています。


モバイル版EGSは、まず『フォートナイト』『Fall Guys』『Rocket League Side Swipe』の3大タイトルが配信となります。加えて、同じくサードパーティストアであるAltStore、Aptoide向けにもこの3作が配信されます。


iOSがEUのみとなっているのは同地域のデジタル市場法に基づいていることが理由ですが、今後全世界での配信を予定しています。日本では、うまく事が進めば来年にもリリースを予定しているといいます。


AltStore・Aptoideとは何か?


AltStoreおよびAptoideは、App StoreやGoogle Playとは異なるサードパーティのストアとして作られたアプリケーション配信プラットフォームです。


AltStoreはDeltaというエミュレーターが配信できないことがきっかけで、PCを経由してインストールするストアとして始まりましたが、今年4月からデジタル市場法によってEU圏のApp Storeにて配信が実現しました。


このストアではAppleにリジェクトされてしまったアプリが配信できる手段として用意されており、手数料もかかりません。規模の小さいデベロッパーを支援する目的を持っているといいます。


Aptoideも同様の志でiOSおよびAndroidに展開しているオンラインストアで、これまで1,000以上のデベロッパー、そして10億以上に上る購入やダウンロードを支えてきたといいます。


Aptoideのユーザーの中で、日本はトップ10に入る国であるといいます。DeNAやmixiなど日本のゲーム会社からも注目されており、Epic Gamesと連携することで成長を目指すとのことです。


業界に風穴を開けることを目指すEpic Games


今回の発表会は、Epic Gamesをはじめとした登壇者がモバイル市場の独占状態を開放しようという思いが印象的でした。


そもそも2018年にローンチされたEpic Gamesは、業界のスタンダードである30%の手数料は高いのではないかという考えから始まっており、標準の半分以下である12%という手数料は読者の皆様も印象的だったと思います。


現在のEpic Gamesの目標は、年末までにAndroidにて1億人の新規ユーザーを増やすというもの。しかし、これにはとある障害があるといいます。


現在のところ、AndroidにおいてはEpic Gamesストアのインストールに12のステップが必要です。中には合理的で必要なものもあることを認めていますが、一方で「インストールしようとしているものはデバイスを破壊するかもしれない」など不必要にユーザーを怖がらせる警告が出るようになっているといいます。


ただ、このプロセスを乗り越えればその後は他のストアとそれほど変わらないほどシンプルであるそう。まずは先述したファーストパーティの3タイトルでプラットフォームとの下地を固め、追ってサードパーティタイトルも受け入れていくといいます。


ティム・スウィーニー氏に色々なことを聞いてみた


ここからは、Epic GamesのCEO・創設者であるティム・スウィーニー氏およびVPおよびゼネラルマネージャーのスティーブ・アリソン氏、そしてAltStore・Aptoideのメンバーに行われた合同インタビューの様子をお届けします。


――サードパーティのストア同士が連携することによって、どんな価値があり、どのようにユーザーを増やせると考えていますか。


ティム・スウィーニー(以下、スウィーニー) Epic Gamesはゲームデベロッパー、Unreal Engineのデベロッパー、Epic Gamesストアの運営会社などさまざまな面を持っています。


そのうちゲームデベロッパーの側面としては、できるだけ多くのユーザーに自分たちのコンテンツを良い条件で提供したいと考えています。


連携とは言いましたが、ある意味これはストア同士の競合でもあります。例えば、街を歩くといろんな個性を持ったお店があって、それぞれ競い合っていますよね?競争することは良いことなんです。


ただ、App StoreやGoogle Playなどが不利な条件を出すのであれば、あまり自分たちのコンテンツを置きたくないと考えています。


ライリー・テスタット(AltStore共同創設者) App StoreやGoogle Playストアはデフォルトのスキームであり、他のものを使ってもらうことは非常に難しいことです。ただこれは必要なことであり、我々サードパーティストアは同じ側で戦っている、AppleやGoogleは必ずしも我々の味方ではないというような意思表示も込めています。


――発表と同時にiOSでEpic Gamesストアがリリースされるそうですが、どのようにインストールするのでしょうか。


スティーブ・アリソン(以下、アリソン) Appleの場合は、Androidよりももっと面倒な15のステップを踏まなければなりません。


皆さんご存知の通り、AppleはUIデザインにおいて多数の実績を残してきたことで知られていますが、そのAppleがこのような多数のステップを踏ませる仕組みにしているのは明らかに意図的で意地悪なんです。


――では、今後もっとステップが少なくなる予定はあるのでしょうか。


スウィーニーそれに関してはまだ法的な問題がいくつか残っています。これは、Epic対Googleの訴訟や欧州委員会がAppleに行っている調査の結果に左右されると思います。


我々としてはAppleの行いは明らかにデジタル市場法に違反していると考えていて、それが調査で認められればApp Storeと同様の使い勝手になると考えています。我々が求めているのはAppleからの特別扱いではなく、同じ土俵で公平に戦おうよ、というだけなんです。


――日本ではスマートフォンにおける「スマホ特定ソフトウェア競争促進法」が6月に制定されましたが、これによって展開しやすくなるのでしょうか。


スウィーニーAppleとGoogleは、少なくともEU圏内においては規制や法律などを遵守してきませんでした。我々としては、彼らが悪意を持って守ってこなかったと考えています。


日本が法律を作るうえで、このケースから学べるところがあると思います。同じように不誠実で消費者を傷つけるような対応をしたら、AppleとGoogleは大きな罰則を受けることになることをわかってもらわなければなりません。そうでなければ、真の競争は生まれませんから。


パウロ・トレゼントス(Aptoide創設者) 我々のようなストア同士が連携をしているように、各国の規制当局もお互い情報交換をしあっているように見受けられます。日本の法律は、EUがカバーしきれていないところもカバーできている印象を私は受けています。


――PCゲーマー目線としては、Epic Gamesストアというのは毎週の無料配布やEpic報酬(リワード)など“お得にゲームを買う場所”としての認識が強いです。こうしたユーザーへの施策はモバイルでも行っていくのでしょうか。


アリソンこれまでPCで行ってきた施策は、モバイルでも行っていきたいと考えています。ゲームの購入はもちろんですし、F2Pゲームはパートナーシップを組んで提供していきます。また、PCで集めたリワードはサードパーティでも使えますし、その逆も同様です。


――モバイルにおいてもサードパーティタイトルの独占戦略は行っていくのでしょうか。


アリソン2018年のPC版ストアローンチ時ほどのスケールではないかもしれませんが、最初の6ヶ月間Epic Gamesストア独占にすることで手数料が0%になるファーストランプログラムは実施したいと思います。我々が取り組もうとしていることはモバイルの開発者からも良い印象を受けているので、協力して進めていきたいと思います。


――『フォートナイト』は子供のユーザーも多いかもしれませんが、たくさんのステップが必要となると保護者の心理としてあまり使わせたくないと感じるかもしれません。子供に安全に使わせるための仕組みは考えていますか。


スウィーニー AppleやGoogleがこのステップを複雑化させていることは非常に残念ですし、関係者にとっては失望でしかないと思います。大事なのは、規制当局がこのような意地悪なやり方を許すことがないようにしていただくことだと考えています。


我々としては与えられた環境の中でできるだけベストを尽くして、ユーザーに対して我々のコンテンツは安全であることを説明するようにしています。現状では、今の形がベストだと考えています。


ペアレンタルコントロールについては、『フォートナイト』はAppleやGoogleよりも優れていると思います。例えばニンテンドースイッチで設定した制限はAndroidやPCでも適用できますから、保護者の皆様にとっては安心できる設計ができていると思います。


――ありがとうございました。




今回の発表会を通じ、モバイルゲームの市場においてもかなりインパクトのある出来事であると感じました。今まで多くのユーザーにとって、AppStoreやGoogle Playストアといったプラットフォーマーのストアを使うことは当たり前でしたが、今後は変化が生まれるのかもしれません。


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