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“夏の怪談欲”を満たせ!100を超える「怪異」を収録した『奇天烈相談ダイヤル』はホラゲ好きのみならず“怪談好き”にもぶっ刺さる!?【特集】

Game*Spark / 2024年8月18日 10時0分

夏と言えば怖い話の季節。ゲーマーにとっては年がら年中ホラーゲームが出ているので実感薄めですが、背筋がぞくっとする体験を求める人も多いはず。ホラーゲームは数多く、(1年以上かかりそうですが)その気になればゲームで百物語ができるほど……。そんな中で、今回は一風変わったホラーADV『奇天烈相談ダイヤル』をご紹介。


しかし初めに書いておくと、本作にはゾッとするホラー要素はもちろんあるものの、一部を除き「怖さで遊べなくなる」というほどではありません。怖さの質で言うなら、基本的には“『奇天烈相談ダイヤル』という世界そのものに不気味さを感じる”タイプのゲームでしょう。


しかし、これを推したい一番の理由は、収録された“怖い話の豊富さ”です! もはや一種の辞典じみたレベルで怪談が収録されているのです。本作を遊んでいると、「猿夢」などの“最近語られるようになった都市伝説”から「懐かしい!そういう話あった!」と思わせる子供時代に聞いた怖い話、さらには自分の育った地域ではなかったであろう怪談の変異種までが飛び出します。


もはや「ホラー好き」というより「怖い話をとにかく知りたい人」に向けているのではないかという『奇天烈相談ダイヤル』。Steam版が2024年4月26日にリリースされとあって時間が経っていますが、なんと“プレイ無料”かつ“夏”ということで、どんなゲームかをお伝えしていきます!


◆もはや怖い話の辞書レベル! “懐かしの怖い話”を判定してみない?


『奇天烈相談ダイヤル』はレトロで一風変わった世界を舞台に、「奇天烈お悩み相談室」へ“怪異にまつわる相談をしてくる”ホラーADVゲーム。「『Papers, Please』から着想を得た」とSteamページに書かれているように、怪異に悩まされている人間が電話相談をしてくるのに対し「これは〇〇という怪異です」「あなたに起きている現象は〇〇という怪異に似ていますが、ちょっと違います。なのでご安心ください(?)」と判定していくゲームです。


絶賛なにか奇妙な現象が起こっていても、資料に書いてある怪異と一致しなければ「怪異でないのでご安心ください」というのはいかにも奇妙ですが、不安を誘います。同時に、本当の怪異の場合は対策チームが出動するとのことですが、何をどう対策するのかも謎のまま。


古来より呪術的な事柄には「名前」が大きく作用します。“不思議な現象に名前をつける”という行為そのものが呪術的だと考えれば、コールセンターで「名前を確定させる」あるいは「その名前だと思い込んでいる存在に、そうではないと告げる」などはそれだけで大いに意味のあることかもしれませんが、『奇天烈相談ダイヤル』においてそれは深掘りされないまま。プレイヤーに不安感を募らせていくタイプの恐怖が素敵です。


さて、『奇天烈相談ダイヤル』で取り扱われる怪異はメジャーどころからマイナーどころまで様々ですが、有名な所では「トイレの花子さん」や「猿夢」などでしょうか。


記事執筆のためのプレイでは、「猿夢に襲われている」と伝えてきた相談者に“本当に猿夢かどうか”を詳しくヒアリングしていくことになりました。猿夢とは2chのオカルト板「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?(洒落怖)」発祥の、比較的新しい怖い話です。話を聞いていくと、オリジナルの「猿夢」では夢の中で猿が「活けづくり」「抉り出し」「挽肉」の順番で発言するのに対し、相談者の見た夢では「活けづくり」「挽肉」「挽肉」と違っていました。


「よし!「猿夢」ではないな!」ということで“怪異ではない”と判定し、無事成功。(なぜか)相談者も満足し、無事に解決することが出来ました。先ほども言ったように「名づけ」という行為が呪術的要素を孕むにせよ、安心感まで与えるというのはいささか奇妙で、不気味です。




マイナーどころでは「イルカノアシイル」といった怪異なども登場。これは13歳の誕生日を迎えた人間にかかってくる電話の怪異で「イルカの足いる?」と聞いてくるのに対して……肯定したら足切断、否定したら事故で死ぬ、無言で電話を切ったら誰かに殺されるという、もうどう転んでもダメな怪異です。ちなみに、相談者は13歳近くの甥をもつ老人なので、ストーリー的な齟齬は無し。


「イルカノアシイル」は“電話で質問してくる怪異”あるいは「赤い紙、青い紙」といった“どっちを選ぶかによって加害方法が異なる怪異”の派生形でしょう。『奇天烈相談ダイヤル』の魅力は、日本全国地域を問わず“怖い話”を収集していることにあります。ゲームとしては怪異検索にあたっていちいちキーボードで手打ちしなければならない、類似怪異が紹介されているものの、クリックで移動できないといった不親切な部分や「そこはニュアンスの違いだろう!」と感じるもやもやもありますが、それを超えて120もの「怖い話」が収録されているというのが驚嘆に値します。


子供のころ、友達同士で噂された怖い話というのは“地域に根付いたもの”が多く、自分のコミュニティを抜けると似た話でもまったく別の呼び名がされていることもありました。さらに言うと「あそこのマンションのごみ捨て場、なんかしらんけどおばけ出るって!」という“子供数人くらいしか共有してない怖い話”にもワクワクしたものです。『奇天烈相談ダイヤル』は“インディー的に尖ったゲーム”ですので、ハマらない人もいるのも確かでしょう。しかし「オカルトや怖い話を知りたい!」という方にはぜひ遊んでみてほしい良作です。


この夏、せっかくだからホラーゲームからはずれた“怖い話”を知ってみようという方は、ぜひ遊んでみてはいかがでしょう。ローカル怪談まで網羅しているせいか、子供が大好きな「聞いたら次はあなたのもとにくる」「○○歳に死ぬ」系の話が非常に多いのが面白いところ。ちなみに、ホラー要素は薄いと言ったものの、怖がらせるところはしっかり怖がらせてくれますのでご留意ください。




『奇天烈相談ダイヤル』はPC向けに無料で配信中です。


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