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開発者インタビュー『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』、シリーズ未履修の方々にも「入り口」となれるよう意識して開発が進められた【gamescom 2024】

Game*Spark / 2024年8月27日 20時0分

ドイツで8月21日から24日かけて開催された大型ゲームイベント「gamescom 2024」。今年も多くのゲーマーが待ち焦がれる季節がやってまいりました。

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今回はMachine Gamesが手掛ける新作アクションADV『インディ・ジョーンズ/大いなる円環(Indiana Jones and the Great Circle)』について、開発チームのJen Anderson氏とAxel Torvenius氏にインタビューする機会を頂いたのでさっそくご紹介してまいります。


またGame*Sparkではメディア向けハンズオンプレイレポの記事も掲載中。興味のある方はこちらも是非ご覧ください。




写真左からJen Anderson氏、Axel Torvenius氏

――ONLイベントでタイトルが発表された時、僕は会場にいたのですがなかなかの盛り上がりだったと思います。開発チームの皆さんも、予想以上の反応に驚かれたのではないでしょうか?


Axel Torvenius氏ええ、皆さんに喜んでもらえたことが何よりの嬉しさですし、私たち開発チームも同じくらい興奮しています。引き続き、リリースに向けて頑張ろうという熱量にもなりましたね。


Jen Anderson氏こうして「gamescom」に出展していることも、私たちにとって非常に特別なことだと思います。最新トレイラーで、ゲームプレイが実際どのようなものなのかを皆さんにお見せすることができました。わずか1分程度の映像であっても、そこにはアクション溢れる冒険シーンを含む、様々な要素が散りばめられていますからね。


――こういった冒険活劇ゲームだとTPSで設計されることも多いと思いますが、本作をFPSとして開発しようと決めた理由は何でしょうか?


Jen Anderson氏良い質問です。これにはいくつかの理由があって、まず私たちはFPSタイトル開発に熟練していることです。私はMachineGamesでも、その前に在籍していたスタジオでも、ずっとFPSタイトルを作り続けてきました。そのため、本作においてもFPSスタイルを採用することが、ゲーム開発を最も安全に進行できるという自信があったのです。


2つ目の理由は、このプロジェクトに対する私たちの野心と、皆さんに伝えようとしていることにあります。つまるところ、「インディ・ジョーンズ」でお馴染みの帽子を被り、鞭を振るう楽しみ……没入感といましょうか。この作品にグッと踏み込んで世界を体験するための最適なデザインとしてFPSが採用されました。


――本作には様々なパズルギミックがあると思いますが……もしそういった謎解きが苦手だったりする初心者プレイヤーに対しては、何かヒント機能などは用意されているのでしょうか?


Axel Torvenius氏もちろんあります。パズルは、私たちが情熱を注いだ大きな機能の一つで、開発スタジオにとっては新しい試みでしたが……「インディ・ジョーンズ」世界のまさにそのものを体験する機会をゲーム内に取り入れることができたと思います。しかしながらここで重要なのは、ただ単に「パズル要素を入れたからハイおしまい」ではなく……作品世界にマッチさせた上で挑戦的な謎解きに仕上げる、というものでした。


そして同時に私たちは、ゲームがプレイヤーを突き放すことなく、かつ可能な限り多くの人々が遊べるような設計にすることも大切にしました。これらに伴うバランス調整は本当に難しかったですね……。ともあれ試行錯誤の末に解決策として思いついたのは「カメラ」や「ジャーナル」といったツールを用意することでした。


特にカメラ機能は「発明」といっても過言ではなく、謎解き中に助けが必要なプレイヤーに対してヒントを提供するツールとして大変有能です。パズルに行き詰まった時にカメラを構えて周囲を調べてみると、主人公が反応しジャーナルに書き込むなどするので、それがヒントになります。ゲーム側からのさりげない、または押し付けがましくない程度のサポートと言えましょう。何よりファインダー越しに見るゲーム世界が没入感をより高めてくれますしね。


なおパズルについてもう一つだけ言っておくと、たしかにこれはゲームの大きな部分を占める要素ではありますが、ゲームの「全て」ではありません。本作は、魅力的な物語を通じてプレイヤーに探索をおすすめしつつ、時には脇道に逸れて作品世界に浸ることもできるように設計されています。


――世にでているゲームのいくつかには、何でもできるように見えて、実際は一本道に縛られてしまうというプレイ体験もありますが、本作は異なるということでしょうか?


Axel Torvenius氏そうですね。基本的には、魅力的で冒険心を掻き立てるストーリーに沿ってセクションごとに進行しますが、セットピーススタイルと言いましょうか、自由に探索できる余地もちゃんと用意しています。


Jen Anderson氏そのあたりの設計は、広いエリアと密度の兼ね合いであり、プレイヤーが立ち往生しないよう誘導を取り入れたりもしています。たとえ直線的に進行するセクションであっても、エリアを探索できる楽しみは必ずあります。


――探索、謎解き、戦闘、物語……プレイ体験に影響を与える要素を並べるとき、おそらくどれか一つだけに偏りが出ないよう調整すると思います。実際どのようにしてバランスをとったのでしょうか?


Axel Torvenius氏そうですね……各要素のバランス調整は、本作のような規模の大きいゲームを作る上で最も難しい部分の一つです。ただ単にだだっ広く作れば良いというわけではなく、プレイヤーが「このゲームは探索しがいがあるぞ!」と思えるようなデザインにする必要があり、また同時に「インディ・ジョーンズ」というそもそものバックボーンが極めて強力な作品世界をゲームに落とし込んで提供する必要もありました。どの要素が前面に出やすいかというのは、この場合「偏り」ではなく、遊ぶ人の「プレイスタイル」によって左右されるものだと考えます。例えば、本筋だけ駆け抜ける人、脇道に逸れて探検する人などですね。


Jen Anderson氏実際のところバランスを整えたというよりは、バリエーションを用意した、という言い方のほうが正しいかもしれません。新しいエリアや、見たことのない新しいパズル、または突然遭遇する戦闘シナリオなど継続的な変化を取り入れるよう心がけました。そしてこれもレベルデザインとして大切なことなのですが、プレイヤーが脇道に逸れて探索をしたとしても、本筋に戻れるようフックをいくつも用意したことです。例えば好奇心から偶然見つけたアイテムが、実は謎解きのヒントにも繋がっていた……といった感じですね。


――武器や装備のバリエーションについては何種類ほどあるのでしょうか?


Axel Torvenius氏キャラクターを象徴するアイテムといえば、もちろん鞭ですよね。そして頼れる相棒として銃も腰に下げています。コスチュームについては、「変装システム」にも話が繋がるのですが、ゲームを進める中で、様々な変装用のアイテムを見つけることができます。ちなみに本作の戦闘システムは、型にはまった銃のドンパチよりも、自由に戦うフリースタイルで、またそのアクションは映画からインスパイアされています。つまり、プレイヤーがそのへんに落ちてるガラス瓶を拾って誰かを殴ったりといった臨機応変な戦闘を楽しめるのです。


他にもハンマーを投げますし、楽器のバンジョーを敵の脳天に叩きつけるのだって良し。私たちはそんなコメディ要素もある乱闘(?)が大好きです。銃火器は登場しますが、あくまで敵が落としたものを拾って使用するのであって、いわゆるシューティングゲーム的なアプローチではありません。色々と試行錯誤したのですが、近接格闘戦と銃撃戦とを比べたとき、本作においては、撃ち合いよりもそのへんに転がってるモノを掴んでは殴りつけるバトルスタイルを好む人の方が多かったのです。


また鞭の存在はゲーム的にも非常にありがたいものでした。移動に良し、探索に良し、謎解きに良しと、どんなシーンでも大活躍なこの装備は、戦闘時の攻撃手段になるだけでなく、敵を引っ張って手繰り寄せるといったトリッキーなアクションも可能にしてくれました。あとはパンチ攻撃もあなどれない強さだったり。


――話は変わりますが、本作を最後まで遊ぶ場合、想定されるプレイ時間はどれくらいの長さになりますか?


Axel Torvenius氏単純に何時間でクリア可能、と答えるのは難しいかもしれません。なぜならプレイヤーのスタイルによってプレイ時間の長さは変わるからです。最速でストーリーを追いかけておしまいという人と、マップの隅々まで探索して全要素を回収したいという人との間には大きな違いがありますよね。


私たちは本作の開発にとてつもないほど力を注いできました。MachineGamesがこれまで手掛けてきたタイトルの中で間違いなく最大のゲームとなるでしょう。街並みなどの環境、ゲーム内イベント、戦闘などの細かくかつ多岐にわたる各構成要素たちが「インディ・ジョーンズ」のフレームワーク(世界観)に馴染むようにするのも大切ですが、私たちが何よりも重要だと考えたのは「プレイヤーに選択肢があること」というものでした。


――例えば、の話なのですが「インディ・ジョーンズ」を全く知らない人が……


両氏いるのか……?そんな人が……?


――例え話!例え話ですから!ともあれシリーズご新規さんに対して、本作はどういった部分がアピールポイントになるとお考えでしょうか?


Axel Torvenius氏そうですね、まずはPRマーケティングチームが最高の仕事をしてくれているので、新規層へのアピールも問題なく行えると思います。とはいえお伝えしておきたいのは、私たちは、私たちのように「インディ・ジョーンズ」と共に育ってきた70年代、80年代のファンのみに向けて本作を作っているわけでは無いということ。この長い歴史を持つシリーズに、これから触れて、私たちと同じようにどっぷりハマる人もまだまだ大勢いることでしょう。そのため私たちは常に、これまでのファンと、そしてこれからのファン両方をターゲットにすることを意識して開発に取り組んできました。シリーズ未履修だから……などと尻込みする必要はどこにもないのです。


Jen Anderson氏本作は、そういった新しくシリーズに触れるプレイヤーにとっては「インディ・ジョーンズ」世界への入口になると思っています。遊んでみて、ああこういう世界なんだと知って、じゃあ映画も観てみようと繋がってくれたら嬉しいですね。




情熱を持って作られている『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』は、2024年12月9日にWindows PC(Steam)およびGame Pass、そしてXbox Series X|S向けにリリース予定。


ともあれ今年も賑わいを見せた「gamescom 2024」、Game*Sparkでは引き続きインタビューやハンズオンプレイレポなど様々な記事を掲載予定です。

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