過酷な取り調べをVRで追体験。「袴田事件」再審判決前に地元新聞社がアプリ化し無料配信中―実際の音声データ使用し様子を再現

1966年に静岡市で起きた一家4人殺人事件（袴田事件）をめぐり、容疑者とされた袴田さんが当時受けた過酷な取り調べをVRで再現した、MetaQuest用のVRアプリ『「最後の砦」VR（VR袴田事件）』を静岡新聞社が製作。Meta公式ストアにて無料配信しています。

通称「袴田事件」と呼ばれる本件は、静岡市清水区のみそ製造会社の専務宅が全焼。焼け跡から専務一家4人の刺殺体が発見され、みそ工場の従業員であった袴田巌氏は警察から連日連夜の厳しい取り調べを受け自白し、1980年に死刑が確定した事件です。しかし警察による自白の強要、物証の捏造などが疑われ、約1か月後の9月26日に再審公判の判決が言い渡される予定となっています。

事件を通して再審制度の問題点を学ぶべるVRアプリ

『「最後の砦」VR』は静岡新聞社の取材班が入手した、1966年当時取り調べを受けた警察署の取調室の写真や図面を基に3Dモデルに起こし、さらに実際の取り調べの音声データを使いその様子を再現。袴田さんが受けた不毛さ、過酷な状況をユーザーが追体験できるほか、同社が掲載した連載記事「最後の砦　刑事司法と再審」の一部も、VR上で閲覧可能です。

MetaQuest用のVRアプリ『「最後の砦」VR』は日本語と英語に対応、Meta公式ストアにて無料で配信中です。