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任天堂、マイクロソフトは改善、ソニーは後退…各システム製造に関わる「紛争鉱物」とは?

Game*Spark / 2024年8月31日 0時0分

紛争地帯において武装組織の資金源となっている「紛争鉱物」に関する報告書が発表されました


ゲーム関連企業を含む複数の企業を対象としたものですが、取り組み具合には大きな差があるようです。


紛争地帯の安定化に紛争鉱物の使用回避は不可欠、しかしながらその実態は?


中部アフリカなど紛争の絶えない地域にて、武装組織の資金源として扱われている鉱産資源を指す「紛争鉱物」。2010年成立のドッド=フランク法ではスズ、タンタル、タングステン、金の4種が指定されており、資金源撲滅を目的に企業に対しこれらの調達先の調査および開示が義務付けられています。


とりわけゲーム機器は娯楽のために多種多様な資源を用いられているものの、製錬精製から無数のサプライヤーという多段階を間に挟むことで生産者に対してまで人々の関心が薄いと分析を行った記者は指摘しています。資源として多用されているスズも、どこでどのように生産され業者が利益を得ているのかまで意識されることは少なく、実態が武装組織による人権を無視した形での強制労働によるものかもしれないと生々しい説明を行ったうえで、ゲーム関連企業を対象とした理由としています。


マイクロソフトや任天堂は昨年から改善


この紛争鉱物の使用状況に関する調査報告書ですが、昨年からの改善を果たしたマイクロソフトや任天堂、100%不使用を堅持するアップルに対し後退をみせるソニーなど、企業ごとに取り組みに差が出ている模様です。


各企業の紛争鉱物使用の実情などを示すバロメータとも言うべき監査通過率ですが、Xboxなどを扱うマイクロソフトは昨年の65%から87%へと大きく飛躍。一昨年の99%から95%へと一時後退を見せた任天堂も257の製錬精製施設のうち256が監査通過、率にして99.6%を達成しています。


一方でPS5などを扱うソニーは69%とやや低水準で、以前の80%台後半から75%、73%と3年連続の後退。会社の発表している年次サステナビリティ報告書では、製品に採用されているリチウムイオン電池に不可欠なコバルトの精製施設はコンフリクトフリーの基準を満たしているか、監査プロセスの最中であるとしています。


物流大手のアマゾンは2014年より一貫して“大半の”サプライヤーはクリーンでその他に関しても現在調査中と回答、情報開示の不十分さと具体性の欠如など分析を行った記者も批判の声を上げています。


そして驚くべきはiPhoneなどのアップルです。なんと9年連続の100%コンフリクトフリーを達成という大記録を更新中。この偉業達成は違反した供給先の徹底的な排除という厳格な管理体制によって達成されており、昨年には23施設、今年は14施設がサプライチェーンから排除されたとのこと。


このように紛争地域の安定化には欠かせない紛争鉱物使用の調査・管理ですが、企業によって取り組み方や実情などは千差万別です。普段扱っている様々な電子機器ですが、ふと遠い異国の地の平和に思いを馳せてみるのも世界平和の第一歩と言えるかもしれません。


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