【ゲムスパロボゲーカタログ】アメリカの危機を大統領と最強メカが救う！フロム伝説のメカACT『METAL WOLF CHAOS XD』は最高の演出が楽しめるロボゲーだ

Game*Spark / 2024年9月1日 18時0分

アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。

ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2019年8月7日にリリースされたメカアクションゲーム『METAL WOLF CHAOS XD』です。

合衆国の危機に挑む大統領と最強メカ【メタルウルフ】！

本作は、フロム・ソフトウェアが2004年にXbox向けに発売した『METAL WOLF CHAOS』を、現世代機向けの調整や改良を施したアップグレード移植版。オリジナル版の要素をそのままに、1080p /4K対応や16:9のワイドスクリーン化、テクスチャやエフェクトの向上、オートセーブ機能の追加などを行ったものです。

物語の舞台は、21世紀から四半世紀が過ぎたアメリカ合衆国。副大統領が率いる大規模なクーデター軍によって軍部や中枢機関を掌握され、合衆国の“自由”が失われた危機的状況に、主人公の第47代大統領マイケル・ウィルソンJr.がパワードスーツ【メタルウルフ】と共に孤独な戦いに挑む、という内容です。

大統領が祖国の危機に立ち上がる！という、まるで映画のようなシチュエーションはインパクト抜群。頼りの【メタルウルフ】はピストルやマシンガン、バズーカやレールガンまで多彩な装備を操り、たった一機で強大な敵や罠に対抗できる、まさしく国の希望として大活躍していくのです。

実はオリジナル版の『METAL WOLF CHAOS』は、Xboxで日本のみ発売という作品でした。そんな中で海外パブリッシャーDevolver Digitalが、2016年に「もし復活させるなら協力は惜しまない」と強烈なラブコールを送り、2018年には現行機移植版を正式に発表しています。なお、本作の移植はGeneral Arcadeが担当しています。

Game*Sparkでは、この移植に関して2018年と2019年にフロム・ソフトウェアの竹内将典氏へのインタビュー（2019年はDevolver Digitalの担当者を含む）を行っています。なぜ日本だけで発売されたのか、なぜ10年以上の時を経て復活したのか、さまざまな理由や想いもぜひご覧ください。

祖国の危機に立ち向かう「たった一人の戦い」の高揚感！

ゲームは、クーデター軍によってアメリカが掌握され、平和と自由を取り戻すため合衆国大統領が立ち上がったというナレーションから始まります。ゲーム本編は、主人公が「レッツパーティーー！！」の掛け声と共にホワイトハウスの窓から飛び出るシーンから始まります。この瞬間でご機嫌なゲームだとわかりますね。

本作はミッション制のゲームで、プレイヤーは【メタルウルフ】を操り指定地点の破壊やボスの討伐など、用意された目標を達成していきます。こちらは単機での出撃ですが、クーデター軍は兵士や戦車、ヘリコプター、そしてパワードスーツなど、さまざまな敵が多数登場します。

多勢に無勢という言葉もありますが、そこは心配ご無用、なんといっても【メタルウルフ】は強いのです！機体には左右の手にそれぞれ4種類、合計8種類の武器を装備して切り替えながら戦闘可能。難易度にもよりますが、基本的には武器を打ちまくっているだけでもある程度の敵なら簡単に蹴散らせます。

体力（シールド）はストック制で、敵の攻撃を受け続けてシールドゲージが0になると1つ減ってしまいます。ゲージはダメージを受けなければ回復するので、体力のストックを減らさないように敵の攻撃を避ける、もしくは倒してしまうことが重要です。

ローラーダッシュで兵士を吹き飛ばし、バズーカで戦車を吹き飛ばし、ときにはジャンプして踏み潰して敵と戦いましょう。基本的に「たった一人の戦い」になるので、おのずと戦いは多数を相手に暴れまわることになります。テンションの高いストーリーと合わせて、この雰囲気が最高の高揚感を生み出します！

また、マップ内には捕えられた人々やアイテムも隠されています。国民を助け出すのも大統領の大切な役割です。

最強カスタマイズでアメリカを取り戻せ！

アメリカを取り戻す大統領の戦いは、決して簡単なものではありません。首謀者のリチャード・ホーク副大統領は用意周到で、大量の軍隊だけでなく巨大な砲台や機動兵器、そしてプロパガンダを駆使して大統領を追い詰めてくるのです。強敵に対抗するためには、より強力な装備が必要です。

ゲーム内では10種類以上の武器種類があり、ミッション報酬で得たお金で各カテゴリーに投資することで新たな武器が製造できるようになります。武器はお金とレアメタルで開発可能で、同じ武器でもエネルギー弾薬であったり、特殊な効果を持つ弾薬であったりと、それぞれ個性が異なります。

ミッションによっては長距離武器が必要になったり、特定の攻撃に強い相手がいたりするため、武器の組み合わせを考えるのは本作の醍醐味。バランスのいい武器で戦うか、こだわり抜いた好きな武器で存分に暴れ回るかは、プレイヤーの自由です。

ミッション終了後のリザルト画面では、プレイヤーの戦闘評価も表示されます。同じミッションには何度も再挑戦可能で、報酬も獲得できるので、高評価を目指して最強の【メタルウルフ】を作り上げましょう。最初は難しいステージでも、武器を強くすればきっとクリアできますよ。

筆者はマシンガンやアサルトライフルで弾幕を張りつつ、バズーカで強烈な一撃を叩き込むスタイルがお気に入り。もちろん他の武器種も強いので、プレイヤーごとの戦闘スタイルや戦略の違いはしっかり楽しめます。

最高で最強な「お約束」がたまらない！

『METAL WOLF CHAOS XD』を遊ぶ際に楽しんでもらいたいのは、そのストーリー部分。絶望的な状況を切り札で覆していく大統領という、あまりにも強烈な物語は、常に主人公が「私はアメリカ合衆国大統領なのだ！」という自信と誇りが根幹にあり、それが実に爽快な雰囲気を作り出します。

大統領の秘書官・ジョディ、記者のドナルドなど、サブキャラも魅力抜群です。特にジョディはミッション開始時の作戦名だったり、作戦中の毒舌だったり、常に印象に残るキャラクターです。大統領とジョディの軽妙な会話のやり取りは、本作の見どころのひとつ。クーデター軍によるプロパガンダ放送も必見です。

ミッション開始時の【メタルウルフ】の登場や敵が登場するカットシーン、さまざまなシチュエーションが楽しめるステージデザインなど、細やかなところの演出も光ります。アイテムや捕虜探しなど、マップ内を探索する時間も多いゲームなので、飽きさせない演出が多いのはとても秀逸です。

ロボゲーとしても、圧倒的なレーザーを有する多脚メカや、ステルス迷彩で苦しめてくるパワードスーツ部隊など、強敵との戦いは心が踊ります。絶望的な状態から一人のヒーロー（大統領）が立ち上がり、強敵との戦いや罠を潜り抜け、やがてアメリカに平和と自由を取り戻す、そんな最高の「お約束」がここにあるのです。

「レッツパーティーー！！」から始まる『METAL WOLF CHAOS XD』は、“大量の敵にたった一人の最強のメカで立ち向かう”という最高のシチュエーションを存分に活かした熱いストーリーが楽しめます。とにかく「お約束」満載なストーリーは必見です！

ちなみに、ゲーム内の特殊操作として【大統領シャウト！】というものがあります。この操作は名前の通り「大統領が叫ぶ」というもので、ゲームとしては特に意味はありません。しかし、大統領が平和と自由を取り戻すという作品において、この操作をいかにしてプレイヤーがゲームに組み込むのか、それは『METAL WOLF CHAOS XD』の大切な精神ではないでしょうか。