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カイロソフト×藤子作品の経営SLG『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』が「藤子・F・不二雄マニアゲーム」としてガチすぎるのでその魅力を紹介したい!【特集】

Game*Spark / 2024年9月3日 18時0分

経営ゲームの老舗カイロソフトは、ニンテンドースイッチ向け経営シミュレーションゲーム『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』を【藤子・F・不二雄 生誕90周年記念】としてリリースしました。


本作は、ドラえもんとのび太が仲間たちが力を合わせて「どら焼き屋」を経営する作品。経営はお菓子作りやレイアウト、新たな食材の探検、コンテスト出場など、さまざまな作業を行いながらお店の規模を拡大していきます。作中では「ドラえもん」だけでなく、さまざまな藤子・F・不二雄作品のキャラも登場します。


発表時のトレイラーでも「パーマン」「エスパー魔美」から「ヒョンヒョロ」といった短編作品まで登場すると大きな話題になりました。しかし、実際にプレイしてみるとそれどころではない、超マニアックなネタが散りばめられた「藤子・F・不二雄作品詰め合わせ」だったのです。


本稿では『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』に登場する小ネタたちをいくつか紹介していきます。なお、記事の性質上ゲームのネタバレ要素も含まれているのでご注意ください。


登場作品・キャラクターからすごい!


ゲーム内では、新規開店したどら焼き屋を訪ねたドラえもんとのび太の二人が、ケガをした店主の代わりに店を手伝うというストーリーで進行。しかし、経営を続けていく内に発見する“謎の本”の不思議な力で、色々な藤子・F・不二雄作品キャラクターが新しいお客さんとして登場していきます。


最初は「キテレツ大百科」の世界と繋がります。本作に登場するキャラにはそれぞれ食べたいお菓子が設定されていて、望みを叶えるとお客さんとして定着してくれます。また、特定のキャラをお客さんにした状態だと解放される同じ原作キャラも存在しています。もちろん経営を助けるドラえもんのひみつ道具もたくさん登場しますよ。


のび太の顔も最高!
素材を組み合わせてお菓子作り。とても美味しそう。どら焼き以外も作りますよ。

◆「キテレツ大百科」


こちらはアニメ版をベースにしているようです。キテレツ・コロ助・ミヨちゃん・トンガリ・ブタゴリラ・勉三さんといったレギュラーから、作品として重要な「あの人」も登場しますよ。


ゲーム内ではお客さんに色々なアイテムを渡すことができるのですが、特定のアイテムを渡すことで特別なイベントが発生します。例えばキテレツに「奇天烈大百科」を渡すことで、コロ助を発明してくれますよ。


◆「エスパー魔美」


本作のいくつかの作品は「複数キャラクターが1つのお客さん単位」になっていて、魔美・高畑さん・コンポコの3人が1つの「エスパー魔美」のキャラクターとして登場しています。


ちなみに、本作ではお客さんになったキャラが、店内に配置する施設を開発する“お願い”があるのですが、「エスパー魔美」の“お願い”では魔美のお父さんの画家・佐倉十朗画廊を置けるようになります。


◆「パーマン」


こちらも本作のアイテムシステムが十全に活かされています。最初は須羽ミツ夫・ブービー・星野スミレ・大山法善として登場する各キャラクターに、とあるアイテムを渡すことでパーマンに変身してくれるのです。


「パーやん」ことパーマン4号の“お願い”では、配送会社を作れるようになります。これはパーやんが作中で運送会社として働いていることから来ているネタでしょうね。


◆「ウメ星デンカ」


個人的に好きな作品です。デンカ・国王・王妃・ベニショーガが1つのユニットになっていますが、デンカたちの居候先である太郎くんは単独のお客さんとして登場します。ベニショーガも単独だとちょっと嬉しかったな……としみじみ。


空を飛べるようになればなんでも空港に来店。

◆「バケルくん」


偶然出会った宇宙人から「乗り移って姿を変えられる人形」を譲られた少年・須方カワルを主人公にした作品。ゲーム内ではカワルがメインで変身することが多いバケ田バケルくんと、それ以外のバケ田一家という形で登場します。


「ドラえもん」と共演している漫画「ぼく、桃太郎のなんなのさ」もあり、こちらはコミックスにも収録されているので知っている方も多いのではないかと思います。筆者が好きな作品でもあり、子供の頃にはお父さん人形の持つ“お金がいくらでも出てくる財布”を見てすごいな!と思った記憶があります。


◆「大長編ドラえもん」


もちろん藤子・F・不二雄作品として、ドラえもんの中でも「大長編ドラえもん」も多く取り上げられています。ゲーム内には藤子・F・不二雄先生の遺作となった「ねじ巻き都市冒険記」まで、さまざまな大長編のキャラクターや舞台が登場します。


「のび太の恐竜」のピー助は、作中で設置できる“なぞの石”と、とあるひみつ道具を入手した場合に出会えるなど、原作要素を活かしたイベントも。食材を探索する舞台にも「キリがおおい森」(大魔境)、「チンカラホイの世界」(魔界大冒険)などが登場。作中の悪役達ももちろん登場しますよ!


このほかにも「チンプイ」「モジャ公」などのアニメ化作品はもちろん、絵本「ぞうくんとりすちゃん」や、数多くの短編作品キャラクターも登場。「中年スーパーマン左江内氏」「T・Pぼん」など、近年映像化された作品も多く登場しているのが嬉しいですね!


ゲーム内では名前が出ていないものの、フニャコフニャ夫先生やムス子といったキャラクターも出ています。さらに、ひみつ道具「ゴルゴンの首」を入手すると建てられる施設・お化け屋敷の中では短編作品「なくな!ゆうれい」の幽霊も登場します。探せば探すほど小ネタだらけです。


つながった。
やばいものを登場させないでください!
個人的にとても嬉しかったサプライズです。
そうさ、リルルは天使さ!

どこを見ても藤子・F・不二雄ワールド


もちろんこのマニアックさは登場人物だけではありません。ゲーム内には無数と言っていいレベルの「藤子・F・不二雄ネタ」が散りばめられていて、それを見つけ出すだけでも楽しいものです。


そのこだわりはちゃんとゲームシステムとしても活かされています。キャラクターを顧客にした際の“お願い”で建てられる施設は周囲の環境に影響を与えたり、お客さんが利用してポイントを稼いだりしてくれます。好きなアイテムを渡せばお菓子の購入個数が増えるなど、経営にも大きく貢献してくれるのです。


特定のキャラを派遣するイベントも。

◆アイテムの好み


「キテレツに奇天烈大百科」といった特定の組み合わせ以外にも、ゲーム内には好感度アップや移動速度アップなど、さまざまな効果を持つアイテムが登場します。アイテムにはキャラとの相性があるのですが、これも非常に細かく設定されているのです。


例えば「野球のバット」は、作中で活躍した出来杉くんや、野球に関するちょっとしたエピソードがある「チンプイ」の内木一郎くん(原作準拠の名前)などは最高の相性。残念ながら「エスパー魔美」の高畑さんは野球好きなものの好相性止まりなのは、あくまで作品として纏まったユニットだからでしょうか。


短編作品のタイトルであり、作中の超重要アイテムである「ヒョンヒョロ」もアイテムとして登場します。この「ヒョンヒョロ」は、特定のキャラに渡すことで最高の効果を発揮しますが、それ以外は“宇宙に関連する一部のキャラ”にだけ好相性で、地球人や他の世界のキャラは興味がありません。価値を知らないのでしょうね。


「ヒョンヒョロ」を誰に渡す?

◆トレーニング風景


ゲーム内では、のび太やドラえもん、しずちゃん(この呼び方があるのも嬉しい)たちの能力を伸ばすためのトレーニングがあります。この内容も「ドラえもん」の原作に則したものばかりで、しかも多くの小ネタが用意されています。


けん玉では“のび太が足で遊んでいる”、ピーナッツを食べるでは“のび太が目でピーナッツを噛む練習をしている”など、メイン5人の誰かが特別なアクションを行っています。有名なひみつ道具「きこりの泉」を使ったトレーニングでは、当然きれいなジャイアンも登場しますよ!


◆いろいろな施設


どら焼き屋で作れる施設には座席や棚、ドリンクコーナーなどのほか、「キテレツ大百科」のブタゴリラの実家の八百屋・八百八など、こちらも藤子・F・不二雄作品のさまざまなものが登場します。八百八にはブタゴリラの父・熊八もいますね。用意された施設も細かなネタ満載です。


ゲーム内では周囲の環境にあわせてレトロやSFなどの雰囲気に座席が変化します。その中の一つの部屋に、のび太とおばあちゃんの思い出の品である「くまのぬいぐるみ」「だるま」が置いてあります。カウボーイハットは「ガンファイターのび太」のものでしょうか。


神成さんも「ドラえもん」側で登場しています。

いつもの空き地を設置すれば、何やら薄汚れた犬やピンク色の猫、ツチノコなど、色々な動物たちも登場します。もちろん、この中には新たなお客さん候補になってくれる人も……。イベントローディング画面も色々なドラえもんたちの姿が見えたりと、こちらも見逃せません。というかこのゲーム1秒も目を離せません!


そのほか、何気なく設置できる柿の木も、恐らくのび太の家に昔生えてた思い出の木だと思いますし、裏山に生えている一本杉を店内に設置する事もできます。また、金魚は「キテレツ大百科」が元ではないかな、と思います。とにかく一度元ネタの存在を疑い出すと、もはやキリがありません!原作漫画とアニメの名称の違いとかも結構ありますね!


「鉄人をひろったよ」


筆者は幼少期に、兄が買った厚さ1,000ページ近い「藤子不二雄まんが大全集」を何度も何度も、それはもう本が開きっぱなしになるくらい読んでいました。その本には「ドラえもん」「パーマン」「バケルくん」「モジャ公」などはもちろん、藤子不二雄A先生の作品も多数収録されていました。本作に出てくる「宙ポコ」などもこのときに知ったものです。自分の藤子作品好きの原点になった一冊で、その世界がゲームで楽しめています。


全3回で終わった作品。でも当時すごい印象に残っていました。

『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』は、まさに藤子・F・不二雄作品の玉手箱です。遊んでいて「これは〇〇が元ネタだ!」とはしゃいで楽しめます。今回ある程度メジャーどころをピックアップして紹介しましたが、さらにマニアックなものも多いですし、拾えていないものも多いだろうと確信しています。まだプレイできる全ての要素を開けていないので、こちらも今後非常に楽しみです。


もちろん経営ゲームの老舗・カイロソフトらしい、いつまでも遊んでしまう、コツコツとお店を育てていく楽しさも備わっています。カイロソフト好きな人、藤子・F・不二雄作品が好きな人、どちらにも自身を持っておすすめできる最高にマニアックで遊びやすい作品です。また、とても良くできているドット絵にも是非注目してくださいね!




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