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“悪ガキ”どものメカRPG『Wolfstride -ウルフストライド-』ロマンとカッコよさ、そして「過去」に満ち溢れた世界は最高に魅力的なおもちゃ箱だ【ゲムスパロボゲーカタログ】

Game*Spark / 2024年9月15日 15時0分

アニメやゲームの定番ジャンルのひとつに「ロボット」があります。創作物のロボットは巨大な搭乗型、意志を持つような自立型、マスコットのような可愛いタイプなど多彩な種類があり、いずれも違った魅力を持っているものです。


ゲーマーのみなさんが現行機で遊べる素敵なロボットゲームを紹介する企画、それが【ゲムスパロボゲーカタログ】です。今回紹介するのは、2021年12月7日にPC(Steam)向けにリリースされた『Wolfstride -ウルフストライド 』です。


スネに傷持つ男たちの巨大ロボバトル!


『Wolfstride』は、ブラジルのインディーゲームデベロッパーOTA IMON Studiosが手がける作品(パブリッシャーはRaw Furyが担当)。2020年に発表され、2021年12月にリリースされました。その後、2022年6月2日のニンテンドースイッチ版に合わせてPC版も日本語化されています。


物語は元犯罪仲間3人、犬でメカニックの「デューク」、メカパイロットの「ナイフ・レパード」、なんでも屋の「ドミニク・シェード」が集結し、ジャンク品の巨大ロボットで世界一のメカ大会へと参加していくというもの。しかし、その陰で決して逃れられない過去や問題に直面していくことになります。


ゲームとしてはシェードを操る探索アドベンチャーと、ナイフとロボによるターン制バトルの2つのパートに分かれています。大会で勝ち抜くためには、パーツのカスタマイズや訓練、街の連中との交流などが必須。バトルもプレイヤーのカスタマイズによって、大きく戦術が異なります。


本作の魅力はなんと言っても、その世界観。元ヤクザのシェードをはじめ、スネに傷を持つ連中はいずれも魅力抜群の癖のあるキャラクターが揃っています。また、コミック調のグラフィックや擬音など、ゲーム全体にカッコよさを見せつける演出も満載です。全編モノクロなのも独特の魅力ですね。


開発は「カウボーイビバップ」「REDLINE」に大きく影響を受け、さらに「幽☆遊☆白書」「リアル・スティール」『メタルギアソリッド』などの好きな作品をミックスさせたかったとのこと。Game*Sparkでは【開発者インタビュー】で、開発経緯や想いなども聞いているので、ぜひご覧ください。


ポンコツロボが大爆発!そこから始まる男達の物語


本作のストーリーは、フォームガンと名乗る謎の人物との会話から始まり、いきなりナイフがロボット「カウボーイ」に乗って戦う直前のシーンがスタート。そこからオープニングムービーが始まるという、ワクワクするような怒涛の展開が続いて『Wolfstride』の物語は幕を開けます。


ゲーム内ではまず、行動や戦い方のチュートリアルが行われます。最初の戦闘では、銃やパンチを駆使して相手の頭部を破壊するなど奮闘するも、経験の差が出たのかナイフとカウボーイは絶体絶命のピンチに追い込まれてしまいます。


その戦闘のさなか、主人公・シェードは謎の二人組に襲われる別のピンチを迎え、彼らが機体に仕掛けていた爆弾によって試合はあっけない結末を迎えます。残されたものは、爆発事故で入院したナイフと、スクラップ同然のロボット「カウボーイ」でした。


ここからシェード・デューク・ナイフの3人は、金を稼ぐために再び「カウボーイ」と共に戦いを繰り広げることになります。その先には、さまざまな出会いと、逃れようもない“過去”が待ち受けているのですが……。


バトルに向けて金稼ぎしよう!


本作はおよそ60日の物語で、プレイヤーは1日ごとのスケジュールに合わせて街の探索や戦闘などを行っていきます。シェード達の目標は「カウボーイ」でメカ大会に参加してお金を稼ぐこと。ゲーム内では定期的にランク戦が行われ、プレイヤーは基本的にその試合までにシェードのADVパートで準備していくことになります。


シェードのADVパートは、スクラップ置き場や酒場、病院などの各エリアを横スクロールで探索していく方式です。会話や調査には近づいてインタラクトする必要があります。このあたりも最初のお使いを通じて、しっかりと学んでいきます。項目の説明などは非常に丁寧な作品です。


とにかく3人組には全然お金がありません。最初の資金は「カウボーイ」を修理するためにほぼ使い切ってしまいます。このままではロボのカスタマイズなどは夢のまた夢。そのため、何でも屋のシェードは街の各所でバイトをしてお金を稼がなければなりません。


バイトはミニゲーム方式で、成果によって報酬を得られます。序盤では満足な仕事もできず報酬も微々たるものですが、幸い1日で何度でもプレイ可能です。稼いだお金はゲームが進むことで解放可能になるパーツやスキルの購入や、ゲーム内イベント用の買い物などに必要になります。


ADVパートでは、仲間や人々と交流して新たなパーツや便利なグッズを得られることも。メイン目標をこなせばすぐに1日を終わらせる事もできるのですが、雑用や探索がゲームを楽にすることに繋がるので、機体の修理から悪魔祓い、オムレツ作りまでこなす、シェードの何でも屋としての活躍をじっくり楽しむことも重要です。


シェードの動きに合わせてタバコの煙がしっかり線を引くといった細かな演出も見どころ。

いざバトル!駆け引きを制して一撃を決めろ!


「カウボーイ」のパーツはヘッド・チェスト(胴体)・右腕・左腕に分かれていて、それぞれに複数の専用パーツを装着可能。パーツごとにHPやアーマー値のほか、追加の攻撃力補正や行動力など、さまざまな性能を備えています。武器はナイフにスキルを装備させることで使用可能になります。


本作のバトルは、複数のマス目で区切られた戦場でターンごとに行動して、相手機体のチェストのHPを0にすることで勝利になります。また、腕を破壊すれば対応するスキルが使用不可に、頭部を破壊されれば攻撃部位を選べなくなるなどのデメリットも発生します。


ストーリーバトルでは戦闘中の会話も。

ターン中の行動では、移動用の【MP】と攻撃や防御用の【AP】を消費します。また、銃撃などのスキルは専用の弾薬が必要です。APとMPは毎ターンごとに回復しますが、弾薬はスキルなどでリロードしなくてはなりません。スキルはクールダウンもあり、1ターンで可能な行動は限られているので、適切な選択が重要です。


スキルごとに攻撃距離が決められているので、バトルでは距離の駆け引きも重要です。距離が合わなければ、せっかく相手を追い詰めたのに攻撃できずに逆にピンチに……といったことも起こり得るのです。ノックバック効果のある攻撃を駆使したり、勇気を持って下がることも一つの戦術です。


対戦前や次の相手の紹介演出も。
バトルでスキルを習得することも。どんどん強くなる。

ゲームが進めば、数ターンごとに使用できる回復などのサポートや、得意な戦い方でのボーナスなどのシステムも登場します。もちろん初期パーツではロクに戦えないので、新規パーツやスキルで少しでも性能を上げていきましょう。


つまりはシェードの出番です。稼げ稼げ。

最高の“悪ガキ”たちの物語


「カウボーイビバップ」「REDLINE」などの作品に大きく影響を受けたという本作。やはり本作の最高の魅力は、どこかイカレた、イカした登場キャラクター達にあるといって過言ではありません。


過去に大きなキズのあるシェード、苦労人ですぐキレるデューク、能天気なナイフの3人組のほか、チームには検閲される言葉ばかり喋るサポートロボのピープーや、シェードの過去にも関わる少女のネブラスカが加わります。さらに、色々なパーツを提供してくれる“魔女”ZZなど、見た目から最高な連中が粒ぞろいです。


みんなで映画鑑賞。これも訓練。

もちろんこんな連中が織り成すストーリーは、ときに滅茶苦茶に、ときにハードボイルドに、ときにコミカルに、さまざまな面を見せてくれます。ナレーションやシェードが詩的なのですが、本作は日本語翻訳のクオリティも高く、独特の言い回しもバッチリ楽しめます。英語フルボイスで声優さんの演技も雰囲気抜群ですよ!


ストアページにもある“子供じみた大人のRPG”というのは紹介としてもピッタリで、会話やストーリー、ロボットバトルの演出すべてが「かっこいい!」に振り切っている作品です。最高の“悪ガキ”たちによる物語は、必死に生き、カッコつけ、そしてどこか滑稽。そんな物語を是非とも堪能して欲しく思います。


最高の仲間達
最高のマングース。


“子供じみた大人のRPG”こと『Wolfstride』は、コミック調のグラフィックと演出、アウトロー達のロボットバトルと、ワクワクするようなロマンに満ち溢れています。もちろん背景に流れるBGMも魅力抜群で、ゲームの雰囲気を大きく支えているものです。


とにかく主人公のシェードをはじめ、個性豊かな多くのキャラクターは魅力抜群。バトルでの対戦相手やロボットも、見ただけで性格やスタイルがわかるような、くせ者達がどんどん登場します。この“悪ガキ”どもの世界を胸いっぱい味わえるのは、本作の最高の醍醐味と言えます。


ただ、ゲームとしてはバトルよりも探索パートが長く、およそ60日のほとんどをシェードが走り回ることになります。また、アイテム集めでバイトの繰り返し作業がほぼ必須になります。ロボットバトルだけを目的に購入してしまうと、思ったよりゲーム性が違う!となるかも知れないので注意は必要です。


(ネタバレは避けますが)一部の展開など、ゲーム内に気になる部分もありますが、世界観にハマったプレイヤーには、最高で最低なロマンを堪能できます。ここまでのトレイラーやスクリーンショットが気になった方ならば、是非ともプレイしてほしい一本です!


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