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極寒都市サバイバル続編『フロストパンク2』は、資源確保に地区建設に派閥調整に大忙し!親切丁寧なUIで初心者でも楽しめる【プレイレポ】

Game*Spark / 2024年10月1日 19時0分

今回は、11 bit studiosが手掛け2024年9月21日に発売した『フロストパンク2(Frostpunk 2)』PC(Steam)版のプレイレポートをお届けします。


極寒世界サバイバル『フロストパンク2』とは


本作は、過酷な世界を舞台にした都市運営シミュレーション。2018年4月に発売された『Frostpunk(フロストパンク)』の続編になります。プレイヤーは、地球全体を凍結させるほどの破局的寒波が起き、文明が崩壊した30年後の「ニューロンドン」を拠点に、厳しい寒さがもたらす危機や各派閥間の緊張に対処しつつ、自らの街を発展・拡張させ生き延びていきます。


執筆時点でのSteamレビューは8,057件に達し「やや好評」となっています。そのうち73%のユーザーからは、アンリアルエンジン5を採用しさらに没入感を増したグラフィック、前作を踏襲しつつ、人口や街の規模が拡大しより洗練された建設システム、遠征して植民地を作り、資源ネットワークを構築できる新たな要素など、前作から進化した部分が評価されています。


一方で、「派閥」や「法律」に焦点を当てた社会システム、区画制の導入や簡略化された人の営みなど、前作では機能していた「共に団結して大寒波を生き残る」というダイナミズムと臨場感が失われており、前作とは違ったゲーム性になっている、との指摘もありました。


しかしPC版のメタスコアでは、その革新性が評価され86点を獲得したり、発売から3日で売上が35万本を突破するなど話題性は十分です。なお、筆者は前作『Frostpunk』未プレイのシリーズ初心者であることにご留意ください。


操作、言語、グラフィック、各種オプション


操作方法はキーボードマウス及びコントローラーに対応しています。サバイバルクラフト系やシミュレーション系の作品は、どうしても複雑な操作系統になりがち。コントローラーではすべての行動をカバー出来ないので、やはりキーボードでのプレイを推奨します。


言語は日本語インターフェイス/字幕に対応しています。翻訳精度は非常に良く、日本語表現も流暢かつ品質も優れており、高い没入感に貢献していました。


続いてグラフィック設定です。UE5で描かれる美麗で臨場感あるヴィジュアルは圧倒的で、可能であれば高画質でプレイしたいところ。画面モードから、解像度、フレームレート、DLSSなどのアップスケール、シャドウやライティング品質に至るまで事細かく、自分好みにカスタマイズ可能でした。


一般設定は、テキスト表示の倍率や温度の単位、ゲーム進行速度のプリセットなど、こちらもプレイに関して仔細に決定することができます。


ゲームモードは、標準的なストーリーモード、サンドボックスモードの「ユートピア・ビルダー」、途中ポーズが不可能でセーブも限られる「生存者モード」が用意されています。


難易度は経済、気候、社会などの項目ごとにそれぞれ調整でき、プリセットは「市民」「将校」「執政官」「キャプテン」の順に難しくなっています。今回筆者は、ストーリーモードの難易度「市民」で挑戦してみました。


大寒波「ホワイトアウト」に備えよ


オープニングが流れ、過去に地球全体を襲った大寒波について語られます。そして30年後の現在、再び破局的な「ホワイトアウト」が迫っており、それに備えるためには雪の下に眠る「大型機関車」の炉を再稼働させ、十分な暖かさを確保しなければなりません。


この章は、ゲームの基本操作や建設について学ぶことができるプロローグとなっており、筆者のような初心者でも安心してプレイすることができます。


まずUIを見ていきましょう。本作は俯瞰視点を採用しており、カメラ制御は拡大・縮小・回転など世界の隅々を見渡せるようになっています。画面全体に現在地の風景が映し出され、各機能のアイコン等はスッキリと端々に配置されていて、とても視認しやすく洗練されたデザインです。


作中には、聞き慣れない単語や理解し辛いシステムがゴロゴロ出てきます。ですが、ゲーム進行に合わせてチュートリアル画面になり、スクショ付きの詳しい説明を読むことができます。詰まったり分からないことが出てきても都度チェックできるので、初心者にも丁寧に寄り添う非常に親切な作りだと感じました。


白紙状態で荒野に放り出され、いったい何から始めれば良いのか……。そんな時は、画面左上にあるガイドに従って次の行動を確認していきます。


現在の目標は主に2つ。石油輸送車から燃料を採取し、大型機関車のジェネレーターまで運んで熱を供給すること。「熱源」の確保は、この極寒世界で生き延びるため何よりも重要なようです。


舞台は雪に覆われた大地なので、目標地点に行くには「フロストバイト」して整地しなければなりません。他作品ならすぐに道路を敷設するところですが、本作では8つの「マス目」に沿って道筋を確保していきます。砕氷が済めば、ようやくその範囲に「地区」と呼ぶ各施設を建設できる仕組みです。


序盤では、「食料」「採取」「居住」の3種類の地区から選ぶことができます。それぞれに、建設コストや石油採取量、生産量といった数値が設定され時間の経過とともに変動します。


厳しい寒さが続いていると、「暖かさ」への需要が高まり燃料資源が不足することがあります。その場合、「緊急シフト」を号令すれば生産効率が一気に増加するので、危機を凌ぐには良い手段です。しかし……


労働者たちは夜遅くまで二交代制勤務になったせいで「疾病」が広がり、結果的に労働力を著しく失ってしまいました。これは共同体にとって相当な痛手です。


とりあえず緊急シフトを停止しますが、燃料不足は現実。新たな資源ポイントまで行くのか、疾病増加を覚悟で効率化するのか……どちらもリスクがあります。こうして悩みながら、局面を切り抜けて行くのが思った以上に楽しい


そして遂に、念願の大型機関車の炉を再稼働させることに成功し、「熱源」が十分に生産されるようになりました。が、これで終わりではありません。次は人々が住む住居区の建設と、元の資源となる建材の採取地区を作る必要があります。


居住区は、ジェネレーターに隣接させて建設すると、「熱需要」を大幅に下げることができ、限られたリソースを他の場所へ回せます。人口の増加や地域拡大に伴って、資源の再配分はプレイヤーの頭を悩ますタネになりますが、そこがサバイバル感を大いに味わえる本作の醍醐味でもあります。


さて最後は、死の寒波に備えるべく十分な「食料の貯蔵」が絶対に必要。地区より規模の小さい「貯蓄ハブ」をできる限り建設し、食料を貯めていきます。そして「ホワイトアウト」が到来。果たして生き残れるのか……。


おめでとうございます!困難を乗り越え、なんとか無事生き延びれました。このプロローグで、だいぶゲームの進め方や操作方法、そして本作の雰囲気を理解できるようになりましたが、これでまだ序章なのが驚き。しっかり中身の詰まったボリュームと内容だと思いました。


資源を確保し、派閥調整して街を拡大せよ


さて、第1章が始まり舞台は「ニューロンドン」へと移ります。ニューロンドンは、今や増加する人口と底をついてきた石炭によって、街の維持機能が停止してしまった危険な状態。


プレイヤーは、執政官の「スチュワード」として石炭を確保し、中心部にあるジェネレーターを再稼働して「熱資源」の安定した供給を行う必要があります。


基本的な資源採掘やシステムはプロローグと同じですが、ここに「社会システム」が加わります。ニューロンドンでは、さまざまな「派閥」や「共同体」が存在しています。


彼らの要求する法律を通したり、街の問題解決のための研究をしたり、派閥間の利害関係を調整しながら住民のリーダーとして信頼を得なければならず、一気に都市運営が複雑になってきます


各法律は、評議会で投票により可決または否決され、都市運営の方向性を決定する重要なもの。例えば「家庭内師弟制度」は“子どもは皆、一族の家業を継ぐべきである”という伝統的価値観に基づくもので、労働者が増える一方、それらの価値や信条を嫌うコミュニティからは信頼を失ってしまう諸刃の剣です。


しかし反対に、“若者は伝統的価値に縛られず自由に生活するべき”といった法律を通せば、若者たちは徒党を組み、労働を放棄したり、盗みを働いたり、治安が悪化します


このように、多くの人口を抱える都市では、異なる価値観や信条もさまざまにあり、プレイヤー自身の選択がダイレクトに街に影響を及ぼす感覚が非常に面白く感じました。


研究」は課題を解決するための大切な手段。共同体ごとに解決方法は異なり、自分たちの世界観に沿う手段しか追求しません。なので、現在「どの派閥や共同体との関係修復が必要なのか」を見極めて、優先するアイディアを研究していきます。


さらに街を発展・拡大させていくには、探検隊を派遣して外の世界を調査し「植民地」を作ることが不可欠。埋蔵する大量の石油資源を見つけて輸送し、厳しくなる一方の燃料枯渇に対処していきます。


ですが、ニューロンドンの街にも労働不足や、疾病の蔓延、派閥間の対立、治安の悪化など問題は山積み。果たして、安定した都市運営を行い、過酷な冬を乗り越え生き延びていけるのか……それはプレイヤー次第です。




今回のプレイで感じたのは、資源確保や地区建設など「寒波に備えて行動する」ことで味わえるサバイバル感と、それを乗り越えた時の達成感の楽しさです。


一方で、派閥や研究、法律など複雑に絡み合った社会システムは「ゲームにおいてどう機能して、どう面白いのか」がイマイチ分かりにくかったのが正直なところでした。しかし、充実したチュートリアルと用語解説のおかげで、初心者プレイヤーでも十分本作の魅力的な世界を堪能できたと思います。



  • タイトル:『フロストパンク2』


  • 対応機種:Windows PC(Steam, Epic Games ストア, GOG.com, Microsoft Store,Game Pass)


  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)


  • 発売日:2024年9月21日


  • 著者プレイ時間:7時間


  • 価格:5,200円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの



スパ君のひとこと




極寒世界のビジュアルが圧倒的!資源確保や建設も楽しかったスパ!





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