ディルド、ディルド、何処へゆく…鳩にディルドぶつけシム『Pigeon Hater』プレイレポ
Game*Spark / 2024年10月13日 11時0分
!注意!
本記事は扱うゲームの都合上、鳩に加害行為を行う内容が含まれていますが
実際の行為を推奨するものではありません。現実で行うと法律違反になる可能性もあります。
みなさん。ディルドと鳩と聞いて何を思い浮かべますか?
すみません。適当なことを言いました。少なくとも私は何も思い浮かびません。しかし、そんな想像力が欠ける筆者に天啓のようなゲームが降臨。そう、『Pigeon Hater』です。
本作は誕生日に友人達からプレゼントされた箱いっぱいのディルドを鳩にぶつける、ジャンルをシミュレーションとした一人称視点のジョークゲームとなっており、何と執筆時点で定価150円のところ10%オフの135円。本物のディルドより安い(参考:amazon ※アダルト商品のため、未成年の方は閲覧注意)、もっと言えばセール時の『Left 4 Dead 2』と同じぐらいの値段です。
なぜ鳩にぶつけるのか、そこは友人にぶつけるべきじゃないのか、色々と気になるポイントはありますが“物は試し”、本記事では本作を最初から最後まで遊んだプレイレポートをお届けします。
なお、ゲームのエンディング内容にも触れるため、ネタバレを避けたい方はお気を付けください。
豚に真珠、猫に小判、鳩にディルド、意外と難しいディルド投げ
まずゲーム起動後に飛び込んでくるのはダブステップ風味のBGMとシンプルなタイトル画面。マウス&キーボード操作のみに対応しているほか、オプションは最低限用意されており、どことなく機械翻訳の香りがするものの、日本語もサポートしているようです。
プレイを開始すると、オープニングシーケンスは無く、バースデーカードと箱いっぱいのディルドに迎えられます。
ゲームの目的は「すべての鳩を打つか、単に箱をゴミ箱に投げてください」とのことで、さっそく、どこかから微かに聞こえる“ホウ、ホウ”という鳴き声。ここはディルドを握りしめ、とりあえず窓際にたたずむ鳩に一投!
しかしディルド、鳩に届かず。窓枠に撃ちつけられた、ディルドのペチンという虚しい音が響きわたります。ここで大事なのはチャレンジ精神と言わんばかりに様々な鳩に投げてみましたが、ディルドが無駄に宙を舞うばかりで一向に当たりません。
“どうせ鳩にディルドを適当に投げてゲラゲラ笑うタイプのバカゲーだろう”、心の隅でそんな驕りのあった筆者ですが、本作は舐めてかかると案外、苦戦します。
考えられる本作を難しくしている要因として、ディルドの弾道が表示されないのはもちろん、FPSで採用されがちな、画面中央のクロスへア/レティクルも存在しないので、鳩に照準を定める際のわかりやすい基準が無いのです。
とはいえ、筆者もゲーマーの端くれ、ここで諦められません。しばらく試行錯誤してみたところ、ディルドを投げようと構える際、左手が画面に表示されるのですが、これがレティクル代わりに使えることを発見。
“この距離なら左手の親指からこの程度、上から投げればいいかな”などとやってみると、ニアミスぐらいは安定して出せるようになり、プレイ開始から約10分には、ついに鳩にヒット!
YouTube動画でよく聞く“イェーイ!”のフリー音源と共にタイトル画面のノリノリなBGMが鳴り響き、念願のヒットに筆者は興奮…したものの、よく見ると当てられた方の鳩はグッタリの様子、達成感と唐突に湧き上がった罪悪感で複雑な気持ちになりました。
この調子で全ての鳩をディルド攻めにしたいところですが、何度も投擲しているうちに新たな問題が発生します。ディルドが、投げたディルドが返ってこないのです。
冒頭でも述べた通り、主人公には箱いっぱいのディルドがありますが、使えるディルドが9本(執筆時点で箱内のうち1本は回収できず)、目標の鳩は8羽と、意外と余裕がありません。鳩に当てたディルドは拾い直して使いまわせますが、うっかり適当に投げていると、どこかに消失。妙にディルドを拾う判定が厳しいのもあって、サルベージできなくなってしまいます。
草むらの中に消えるディルドもあれば、体育館の天井に挟まるボールの如く、建物の上に乗っかり拾えなくなってしまうディルドもあり、箱から1本1本消えていくディルドを見ていくうちに、名残惜しい、愛着のような、よくわからない感情が湧いてきます。
“ここから投げれば外しても回収できるな”といった工夫も必要になるため、本作は戦略も求められる新しいeスポーツか何かなのかもしれません。
なお、筆者はプレイから30分程度で全ての鳩を打ち倒すことに成功し、“鳩の天敵”と認定されましたが唐突にカットシーンが挿入。遠くから主人公を監視する人面鳩ならぬ鳩面人がアサルトライフルを構え、意味深なやり取りをする、これからを匂わせるようなエンドとなっています。
本作パブリッシャーは鶏ヒューマノイド・ワールドのホラーゲーム『Ells Tales』シリーズを手掛けたElls&Pillsのため、鳩ヒューマノイド・ワールドの今後にも期待…できるかもしれません。
ちなみに本作の実績は全3個で、1時間もあれば全て達成可能。バナナモードも用意されていますが、ゲーム難度に影響はなく、ディルドのように柔らかく、弾力性のあるバナナを投げることになります。ゲーム開始時にもバナナモードへの誘導があるため、ディルドが映ると心配な配信者はこちらを使うといいでしょう。
これにて『Pigeon Hater』のプレイレポは以上となります。
そもそもなぜ鳩なのか、ストーリー的な詳しい事情は筆者がプレイした範囲では明かされませんでしたが、ゲーム製作の背景としては“インターネット上のGIF”に触発されたとのこと。調べてみると最低でも3年前には各所でアップロードされており、動画内の“鳩は作り物である”との指摘もされています。
ゲーム内やSteamストアページでも“動物虐待を推進するものではなく、ただの冗談です”、“現実でそんなことを繰り返さないでください”と注記されているため、“鳩にディルドをぶつけたい”、そんな衝動を抱えている方がいれば、実際の鳩ではなく本作で代用するといいでしょう。
最後に真面目なレビューとしてまとめると、本作は定価150円と考えると妥当なボリュームのゲームです。ただし、“ビール片手に酔っぱらいながらプレイする”類のゲームではなく、適当なプレイではクリアできない程度の難度のため、バカゲーの割に技量を求める、人によって向き不向きが出やすい作品かなと感じました。
また、鳩にディルドが掠ったり、当たったりする際、スローモーション演出が入り笑いを誘いますが、個人的には鳩との距離や、それに応じたスコアも表示されたりすれば、繰り返し遊べるような競技性が出るのではないのかなとも思います。
お手軽価格でプレイ時間も短めな本作。気分転換に遊んだり、友人の誕生日にギフトとして投げてみたりするのはいかがでしょうか?
タイトル:『Pigeon Hater』
対応機種:Windows PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2024年10月10日
著者プレイ時間:0.9時間
サブスク配信有無:無し
価格:150円(2024年10月25日まで135円のセール中)
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