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幽霊をブン殴ってみたい方はいませんか? ホラーTPS『近畿霊務局』プレイレポ―武器は小銃、ステゴロ、墓石となんでもアリ!笑いと涙の重厚なシナリオも素晴らしい

Game*Spark / 2024年10月21日 9時0分

今回はインディーゲームクリエイター兼Vtuberとしても活動する霧笛ノト氏が手掛け、2024年10月4日に発売した『近畿霊務局』のプレイレポートをお届けいたします。


なお、本記事にはネタバレ要素が含まれていますので、閲覧の際はご留意ください。


異色のホラー物語近畿霊務局』とは


本作は、3人称視点のホラーアクション。プレイヤーは公認除霊師として活動する「白石瑞希(27歳)」を操作し、“違法幽霊”を銃火器で駆逐しながら悪霊に占拠された集落・奈良県賽河村の謎を追っていきます。


執筆時点でのSteamレビュー数は554件中83%のユーザーが好意的で、「非常に好評」ステータスを獲得。


特に序盤から中盤にかけて、ケレン味の効いたブラックジョークや思わず笑ってしまう登場キャラ同士の掛け合い、そして徐々に重くなってくるシリアスな展開など、「幽霊に物理的に反撃できる」ブッ飛んだ設定と、笑いあり涙ありの重厚な物語性が高く評価されています。


一方で、カメラワークや操作性の悪さのほか、最適化不足なのか画面がカクつく場面も多く、主にゲーム性の部分がストレスに感じてしまうという意見も見られました。


操作、言語、オプション設定


操作は、キーボード&一部コントローラーに対応。Steamレビューでも指摘されていた通り、操作感は正直あまり快適とは言えません。カメラワークもそうですが、特にステゴロでの近接戦では攻撃判定が分かりづらく、「幽霊を思いっきりぶん殴る」爽快感がありませんでした。


もちろん日本語に対応。「違法幽霊がたむろしていた」「来いやコスプレ除霊師!」などキレッキレの表現がこれでもかと盛り込まれていて、操作性の悪さなんて吹っ飛ぶどころかお釣りがくるレベルで素晴らしいと感じました。その他は、グラフィックや音声に関するオーソドックスなオプション設定です。


奈良県賽河村で“違法幽霊”を調査せよ!


主人公は黒髪のボブカットが似合う美少女JK……ならぬ「霊務省 近畿霊務局」に属する公認除霊師・白石瑞希(27)。彼女がどのような目的で奈良県の賽河村にやってきたのか、そしてなぜ女子高生の格好をしているのか?それは後々判明するので、とりあえず村を探索してみましょう。


自由配信党候補・みーたん

村の外にも家の中にも誰もおらず、辺りは静まり返っています。ここに一体なにがあるのか、屋敷の居間を調べていると……


突然複数の霊に囲まれピンチ!しかし、彼女はまったく動揺してない様子。


それどころか「違法幽霊除去の行政代執行を開始します」と高らかに宣言し……


んん?!!幽霊を小銃で撃ち始めおった!! え、ていうか実弾て霊体に効くの?


混乱気味の筆者でしたが、これがこの世界での「除霊のやり方」なようです。でもよく考えてみると、古今東西あらゆるフィクション作品で登場する「霊」という存在に、我々人間は常に無力でした。もちろん相手は実体のない透明な姿で、攻撃することもましてや触れることすらできません。


そんな反則級の存在に対し、遂に反撃できるチャンスが到来ッッ!除霊師として思う存分銃をブッ放し「違法幽霊」どもを殲滅していきます。


と浮かれていたのも束の間。幽霊の一掃が終わり、無線が入ります。相手は小日向課長からで、どうやら無人機で白石を監視していたとのこと。


「いつから見てたんですか」「葛城インターチェンジ辺りから」と、乾いた感じが小気味よい会話の応酬も本作の魅力。そして時折挿入されるムービーは、個人制作とは思えないくらいカメラワークや演出が凝っており、メチャクチャ迫力がありました


白石の説明によると、数日前から賽河村(さいがむら)役場の公式SNSが、「大規模な霊障が発生中です」などと奇妙な投稿をしているのを発見し、詳細を確認しようとしたらアカウント自体すぐに消えてしまったとのこと。


その上、インターネットで広範に検索してみるも、自治体そのものの存在が無かったように消滅しており、この不可解な現象を引き起こしている原因を確かめるべく、賽河原へと向かったそうです。


案の定、住民が誰もいないのは「違法幽霊」が大量に集まっていたせいですが、自然発生ではなく「誰かが意図的に集めたのではないか」と喝破。調査を続行し、墓場のエリアに進みます。


「対霊小銃」がメンテ不足で使用不可になり絶体絶命のピンチ。しかし、さすがは公認除霊師の白石さん、傍にあった墓石をひっこ抜いて除霊開始!


人様のお墓で殴りまくる!これ以上の背徳感と達成感が混ざった戦闘シーンなんぞ、今だかつてあっただろうか。


お次はボス「メガサタコ」戦です。決して某国民的ホラーヒロインのアイツではありません。霧笛ノト氏のブッ飛んだ発想とユーモアに何度も驚かされます。


ヒット&アウェイでスネを削れ!」小日向課長の的確な指示を受けながら、墓石を振り回しサタコのHPを減らしていき勝利します。


ヤンキーの先輩とシメられた後輩みたい

サタコ曰く、先輩幽霊の「トイレの花子さん」が賽河村に色んな悪霊を呼び寄せていて、ここから5キロほど先の廃校にいるようです。


すると、突然銃声が響きます。謎の巫女が白石を狙いスナイパーライフルを撃ってきますが、無人機の爆撃により間一髪助かります。しかしどうして彼女を……?


ちなみに、白石がセーラー服を着ていたのは「幽霊がめちゃくちゃ釣れるから」だそう。幽霊も女子高生にはめっぽう弱いみたいです。


中学校に辿り着き、花子さんを探します。手下の「違法スケバン」たちをバットでフルスイングしたり、機関銃でハチの巣にしたり、どんどん進んでいきます。


そして、3階に鎮座していた「本物の花子」さんと白熱のステゴロ戦が開始ッッ!長引くかと思いきや、まさかのワンパンで決着。いくらなんでも弱すぎだろ……。


花子さんを無事除霊したことを小日向に伝えますが、なんか様子がおかしい。そして次の瞬間、とんでもないことが起こります。


なぜか白石のいる中学校めがけて、無人機から爆弾が投下され崩壊していく校舎。そして、ボロボロになった彼女の息の根を止めようと霊務局の人間が武装して来ます……!急展開に心がザワつきます。


しかし白石が目を覚ますと、そこには命を狙ってきた主任巫女の「賽川 絢音」の姿が。なんと彼女らが武装した追手を倒してくれたそうです。敵に救われたカタチですが……どうにも解せません。


殺しに来たり助けたり忙しいなお前ら」と嫌味を漏らす白石の気持ちも十分理解できます。本当に何が目的なのでしょうか。


その疑問に絢音が重い口を開き、事の顛末を滔々と語りだします。なぜ巫女たちが霊務局を敵とみなしているのか、賽河神社の古来からの秘密と、ここで何が起こったのか……明かされていく真実の数々は、序盤のお気楽ムードから一変。


笑いの時間は終わり、ここからシリアスで重い物語が展開します。ここからは是非プレイヤー自身で体験してほしいと思います。







  • タイトル:『近畿霊務局』


  • 対応機種:Windows PC(Steam)


  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)


  • 発売日:2024年10月4日


  • 著者プレイ時間:6時間


  • 価格:1,200円
    ※製品情報は記事執筆時点のもの



スパ君のひとこと




幽霊を思いっきりシバくという設定が最高!笑いとシリアスのバランスが良かったスパ!





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